口語訳 古事記 完全版

  • 文藝春秋 (2002年6月28日発売)
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  • 本 ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163210100

感想・レビュー・書評

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  • 三度目の再読。
    私を、古代史の世界にいざなった書。

    古事記と書紀の違いは漠然とは理解していたが、三浦訳は見事にそれを表現したと思う。

    この本を読んだあと、何冊か、三浦氏の本を読んだが、どれもわかりやすく面白かった。

    これからも、おりに触れて、本書を読みたい。

  • とっても読みやすかった。
    私、実は古事記の内容は、オオクニヌシまでしか覚えてなくて・・・
    あとは、神武天皇、ヒコイマス、イクメの大王、ヤマトタケルあたりをブツ切れで知っているだけで。

    「古事記ってどんなの?」と思っている人に軽く読めてお勧めの1冊☆

  • 神代(かみよ)篇と人代(ひとよ)篇の合本なので、完全版です。
    本来なら上中下巻の3巻もので、上巻が神代篇、中下巻が人代篇になります。
    面白いのは、神代篇と言えますが、神も天皇もやっていることは恋愛か戦。
    子どもの頃ローマ神話を読んで、「ローマの神さまって恋愛してるか戦ってるかじゃん」と思ったことが、ブーメランのように返ってきました。

    天武天皇が、国の成り立ち(歴史書)を作ろうと決め、語り継がれてた伝承をもとに記したのが『古事記』で、最初から歴史書を作ろうと漢文で記したのが『日本書紀』です。
    『古事記』が推古天皇のころまでしかないのに対して、もう少し先のことまで『日本書紀』には書かれていますが、それを差し引いても大きな違いがこの二つにはあります。

    国が認めている正当なこの国の歴史書である『日本書紀』は極めてお行儀がよく、儒教の影響もあり、天皇は(もちろん神も)よい存在です。
    『古事記』はもう少しエンタメ寄りで、繰り返しのことばや対句などを駆使して、物語性を高め、時には破綻したストーリーや人物(もちろん神も)もいたりして、ちょっと体制批判な部分もあったりします。
    特に出雲の国譲りのおおもとである大国主命の部分は『日本書紀』にはないんですって。

    では、『古事記』が面白いかと言うと…それほどでも。
    大昔のことなのでわからないといえばそうなのでしょうが、事績の記載が本当に少ない。
    誰が誰と結婚して誰を産んで…と言うのは詳しいけれど、何天皇が何をして…と言うのが仁徳天皇くらいしかない。
    それも、民が疲弊して貧しくて、ろくに食事もとれていないありさまを見て、3年間税の取り立てをやめた、というもの。(今の政治家に見せたいね)
    天皇の住まいが雨漏りしても、修繕に民を煩わせることなく、漏れていないところで生活した天皇は仁も徳もある方なのです。

    ところで、神様の数え方の単位は柱ですが、これの理由が分かりました。
    昔の日本人は、人間に事を「人青草」といい、植物だと思っていたのだそうです。
    神様も出自としては人間と混ざってしまったものだから、植物由来の頑丈なもの→柱で数えるのですって。
    ちなみに天皇も柱です。
    今は人間だから人かもしれないけど。

    日本の神話から天皇家の始まりみたいなのを読んでいていつも思うのは、「で、卑弥呼はどこに?」なんです。
    300年ころの日本に邪馬台国があったなら、本来なら歴史書にその記載があっていいはずなのに、ない。
    天皇が統べる政権とは別に邪馬台国という小国が魏に貢物をしていたということで、大陸と交流はあったはずなのに、大和政権と魏、大和政権と呉がどういう関係だったのかが分からない。
    倭の五王のちょっと前の時代、ヤマトタケルよりは200年以上あとの時代、知りたいよねー。

    継体天皇が越前で即位して、都を越前に置いたら…と考えていたけれど、大国主が国を譲らず出雲の国がそのまま残っていたら、やっぱり都は日本海側にできたんだろうと思う。
    そうしたら大陸との交流の仕方も変わってくるだろう。
    でも、平地が少ない場所なので、人口が増えたら鳥取側に移るか、山口側に移るかしないと大きな都は作れないね。
    北海道が、小樽の限界を見越して札幌を中心にしたみたいに。

    本編の内容よりも、たくさんの『IF』を考えるのが楽しかった。

  • 現代語がすべて口語であるという点が本書の特徴です。これは、本来口承文芸であった古事記の要素を十分に取り込んだ訳であると言えます。口語のため読みやすく手軽に感じますが、本文は口語訳の下に詳細な単語の解説が載せられているという二段構えの構図(小学館の日本古典文学全集と似た構図)となっており、かなり詳細に読み進めることができるという点が魅力的です。また本文のあとには登場する神の関係図や用語の時点も付属していて、しっかり学びながら読みたい人にもおすすめです

  • ふむ

  • グッと、グッときたぜ古事記!
    神代編なんてとんでもない
    イザナキが自分の子のカグツチを切った刀の先についた血がまわりの岩に飛び走りついて成れる神、刀の手元のあたりについた血も岩に飛びつき成れる神、握りの指の間からしたたった血からも成れる神、切られた死体の頭からも成れる神、腹から成れる神、陰に成れる神、左の手に成れる神、右の手に成れる神、左の足に成れる神、右の足に成れる神、もうそこらじゅうに神が!!!

  • 非常に読みやすかった。訳者の補足、説明が注釈に加え本文にも語り部の語りとして加えられている。巻末に系図に加えて地名解説、氏族名解説、地図、神人名索引、動植物名索引と資料も充実していて、本文に出てきた植物や生き物の挿絵がチラっと入るのも楽しい。

  • 初めて古事記が楽しく読めた本。

  • 読破すれば凄いんだろうな

  • 古事記の現代語訳。
    口語訳とある通り、語り口調で現代語にしているので読みやすく、一度くらいは古事記を通して読まなければならないと思いつつ挫折していた私でも読めた。

    解説も豊富なのでわかりやすくてよかった。

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著者プロフィール

千葉大学名誉教授。1946 年、三重県生まれ。『古事記』を中心に古代文学・伝承文学に新たな読解の可能性をさぐり続けている。共立女子短期大学・千葉大学・立正大学等の教員を歴任し、2017年3月定年退職。著書に『浦島太郎の文学史』『神話と歴史叙述』『口語訳古事記』(第1回角川財団学芸賞受賞)『古事記を読みなおす』(第1回古代歴史文化みやざき賞受賞)『古代研究』『風土記の世界』『コジオタ(古事記学者)ノート』など多数。研究を兼ねた趣味は祭祀見学や遺跡めぐり。当社より『NHK「100分de名著」ブックス 古事記』を2014年8月に刊行。

「2022年 『こころをよむ 『古事記』神話から読む古代人の心』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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