龍宮

  • 文藝春秋 (2002年6月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784163210308

みんなの感想まとめ

不思議な生き物たちとの交情を通じて、日常の中に潜む曖昧さや切なさを描いた短篇集です。小さな曾祖母や、人間界に馴染めない蛸、海に帰りたがる海馬など、独特のキャラクターが織りなす物語は、どこか現実とは異な...

感想・レビュー・書評

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  • 幸か不幸か、図書館でなんとなく借りた本のため、一切のあらすじを知らないままごく普通の生活を描いた短編集と思い定めて読み始めたものだから、目の前で繰り広げられるわけのわからない現象に、おそらく作者の想定どおりの当惑を味わった。「わけがわからない」、「ヘンな世界」なのは間違いないのに、本を閉じれない。地に足つかない気味の悪さがクセになるというか。浮力に抗いながら水底を蹴り蹴り歩いているような心許なさ。水の中で聞こえる声のような、魅惑の不信感。発熱した夜に見る夢の中のように浮遊する遠近感。自分がよく知っている自分の生活でさえ、いざ文字に起こそうと思うと難しいところがあるのに、何が何だかわからないヘンな世界を、激しくもなければ暗くもないぬるーい筆致で書けるというのは、信頼できる物書きのアレだな。

  • 面白い。ずっと読んでいたい気持ちになる。

  • ↓利用状況はこちらから↓
    https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00010675

  • 異形のもののお話。

    嫌いではないんだけど、わたしが今まで読んだ川上さん本と比べると、愉快さが足りなかったかな…その分残るものはあったけど。

    鼹鼠が一番好きでした(^^)

  • 轟と島崎が好き。
    自分の身体から立ち上る、慣れ親しんだ体臭のようなものを感じる。
    なぜかは分からないけれど。

  • 塩梅

  • どんな生き物かがあまり書かれていない分、幻想的な雰囲気を作り出している小説。

  • 今よりずっと長く生きられる世界だったら。
    なんか切ないなあ。寂しいだろうな、どうしても。
    思い出が、ふり向けないくらい遠くなってしまう。
    島崎が好き。先祖とわたし。そうきたか!って。
    可笑しい。可愛い。切ない。きゅんとくる、3大要素だなあ。

  • 幻想的。川上弘美の初期作品は現実と夢の入り混じった感じがたまらない。

  • (2002.07.13読了)(2002.07.03購入)
    (「BOOK」データベースより)
    小さな曾祖母。人間界になじめなかった蛸。男の家から海へと帰る海馬。台所の荒神さま。遠いカミの世から訪れたものとの交情を描く傑作短篇集。

    ☆川上弘美さんの本(既読)
    「物語が、始まる」川上弘美著、中央公論社、1996.08.20
    「蛇を踏む」川上弘美著、文春文庫、1999.08.10
    「あるようなないような」川上弘美著、中央公論新社、1999.11.07
    「椰子・椰子」川上弘美著、新潮文庫、2001.05.01
    「センセイの鞄」川上弘美著、平凡社、2001.06.25
    「神様」川上弘美著、中公文庫、2001.10.25
    「パレード」川上弘美著、平凡社、2002.05.05

  • 8つの物語を収録した短編集。
    生物が出てくるところは、この作者らしいところ。
    常軌を逸した感じではなく、さりげなく語られることがいい。

  • よくもまあここまでおかしな話が書けるもんだなぁと最早しみじみと頷くまでです。

  • 帯に「遠いカミの世から訪れたものとの交情を描く」と書かれていたのですが正にその通りだと思います。物凄く幻想的で有りえないお話なのですが身近で人間的で、肌に纏わりつく様な感じが残るご本です。「龍宮」「海馬」が心に残りました。

  • 質のよい、ほの暗い大人のためのおとぎばなし。
    人間ではない、不思議な生き物が人間の世界に生きている、ただそれだけがほんとにこわいと思うのだけど、でもいやじゃない。ぼんやりと考え込んでしまうのだけど、それが妙に心地好い。
    文章が妙に艶っぽくて、ぬるぬるしていて、形がないよう気がするのだけどそれがたまらなくいい。ぞわっとする、その感覚もいい。
    このひとの書く話には、『センセイの鞄』タイプと『神様』タイプがあると思う。より強く川上弘美という人物を知るには、こういう得体の知れないものがゆるゆると蔓延っている作品を読むのがいいのかな、なんて思った。

    (205P)

  • うその世界
    やや変革ぎみ

  • 人ではないものたちの物語。ほの暗くてじっとりしててでも嫌じゃない(>_<)「あなたは、ほんとうはここにいないものでしょう」

  • 2003年5月27日読了。

  • 自分を蛸だという男におもることになる「北斎」
    霊力を持っていた曾祖母イトが私の前に現れた「龍宮」
    ヘルパー先の正太はケーンと鳴く「狐塚」
    社宅はイタチに騒いでいるけどあたしの台所にいるのは「荒神」
    昼は人間と一緒に会社に行きアレを拾って帰る「鼹鼠」
    7人の姉のもとを回っていき一生を終える「轟」
    7代前の先祖にひとめぼれした「島崎」
    海から離れて主人から主人へ譲られる「海馬」
    装画:牧野千穂 装丁:坂川栄治+藤田知子(坂川事務所)

    異形の者たちの短編集です。
    人間でないものが人間の世界にいたりものすごく高齢だったり。
    そして異形だからといって排除されるわけでもなく
    それなりに受け入れられて暮らしている。
    「鼹鼠」の~のことを話そう。という語り口が好きです。

  • 2010/11/26 現実感のない、けれど描かれたものの野蛮さや生々しさが際立つ物語。

  • この世にいないはずのものたちのおはなし
    「うごろもち」の世界観がスキ

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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