龍宮

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 325
感想 : 50
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163210308

感想・レビュー・書評

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  • 帯に「遠いカミの世から訪れたものとの交情を描く」と書かれていたのですが正にその通りだと思います。物凄く幻想的で有りえないお話なのですが身近で人間的で、肌に纏わりつく様な感じが残るご本です。「龍宮」「海馬」が心に残りました。

  • 人ではないものたちの物語。ほの暗くてじっとりしててでも嫌じゃない(>_<)「あなたは、ほんとうはここにいないものでしょう」

  • この世にいないはずのものたちのおはなし
    「うごろもち」の世界観がスキ

  • 途中で頭が狂うかと思った。狂っているのかと思ったというか、狂いそうになった。それぐらい、本の中のことが本当みたいでこっちにいるのが違うみたいだった。特に「荒神」以降からおかしくなって来た感じがあって、怖い1冊だと思った。それでも、読まずにいられない、中毒チック。やっぱり「センセイの鞄」は違うんだと思った。

  •  ものすごく川上弘美さんらしい小説だと思います。
     8編の短編が入っています。

     すべて、日本か中国のおとぎ話のような雰囲気でありながら、文体は川上弘美さんそのものという感じで現代的。
     普通の人間でない人(?)が出てきます。たとえば、昔は蛸だったという人とか、モグラとか、荒神とか、人かと思えばご先祖さんで何百年も生きていたり。

     話の中に、人間世界の不思議(と、作者が思っていること?)が浮き彫りにされています。

     それから、漢字と言葉が難しいものが沢山出てきました。私は通勤電車の中でしか読む時間がありませんでしたが、電子辞書が重宝しました。

  • ほんとうはここにはいない異形のものを描いた短篇集。異形のものは、一見グロテスクだが、時にとても美しくなる。その瞬間を切り取った作品たち。生きるということは、なんと哀しく美しいことなのであろう。[2004.10.24]

  • 相変わらず川上弘美さんの本、好き。

    この本も短編集で、どれも不思議な感じがするお話です。
    川上弘美さんの短編集は、前に読んだのもそうだけど、寝る前に1つずつ読んでいくのがよい。

    文章の響きがやさしくて、心地よいのです。

著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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