明治耽奇会

高橋義夫

• 文藝春秋 (2002年9月12日発売)

感想・レビュー・書評

[ヒギリさんの感想 · 2009年11月27日]

安心して読める。
ものすごいドラマになりそうな種を仕込みつつ、そのまんま緩やかに流すこの感じ。
盛り上がりに欠けるというよりは外連味を排しているのかな。
物足りなさと心地よさのあわい。
夢と現実と。したいこととできることと。


「闇の華たち」はこれと同じモチーフだったか。

著者プロフィール

高橋義夫

一九四五年千葉県船橋市生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒。月刊誌の編集者を経て、執筆活動に入る。『闇の葬列――広沢参議暗殺犯人捜査始末』『秘宝月山丸』『北緯50度に消ゆ』『風吹峠』で直木賞候補に。九二年「狼奉行」にて直木賞（第一〇六回）を受賞。著書に『御隠居忍法』シリーズ、『花輪大八湯守り日記』シリーズ、『けんか茶屋お蓮』シリーズ。ほかに、最上義光の生涯を描いた『さむらい道』、義光の妹・義姫の立場から伊達と最上両家の相剋を描いた『保春院義姫』など多数。

「2020年 『さむらい道（下）』 で使われていた紹介文から引用しています。」