タンノイのエジンバラ

  • 文藝春秋 (2002年12月4日発売)
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本 ・本 (216ページ) / ISBN・EAN: 9784163214900

感想・レビュー・書評

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  • いいね。長嶋さんは、スパンを少し開けて読んでいくとよい感じ。日常のほーんの些細なことをすくい取って描くのが、抜群にうまいと思う。特に「三十歳」がよかった。ふわふわ、現実味がないようであるような主人公が、流されるようにパチンコ屋で働いたり、赤い自転車を気にしたり。グランドピアノの下で眠るというのは、どういう気分なんだろう。不思議な表紙は、高野文子さんでした。

  • 読みやすいけれど、これといって気になる展開がなく、一気に読めなかった。

  • 読んでいてリタイアしない方の長嶋作品。3編ともわりかし好み。主人公が皆がっついていないから。三十歳、なかなか面白かった。本筋とあまり関係のない実在のものを長嶋さんは絶妙に登用ささせるよね。

  • どうしようもない人達の、どうしようもない日常に訪れた、些細な変化。

  • (2015/2/2読了)
    予約の本が回って来なくて、繋ぎになんとなく書架から借りた本です。
    長島さんはすごく好きではないけど、嫌いな作家さんではないので。これまで狙ってなくてもシリーズみたいに同じ登場人物の作品を何冊か読んでいたので、ちょっぴり新鮮でした。
    「タンノイのエジンバラ」って、スピーカーのメーカーと名前だったんですね。ゴロが面白いなぁと思ってただけで、知りませんでした。
    家族の仲が書かれていたりして(家族愛ではない)どことなく似ている短編が4つ。私は「三十歳」が一番好きです。主人公の考えているのかわからないような感じがいい。しっかり者の姉、認知症の母との関わりも、電話や回想だけどけど、何かふわっと心に来ました。

    (内容)
    隣家の女の子を押しつけられたり、実家の金庫を盗みに行くはめになったり。人生には、そんな日がめぐってくるのだ。話題の芥川賞作家、待望の最新短篇集。

    (目次)
    タンノイのエジンバラ/夜のあぐら/バルセロナの印象/三十歳

  • 短編集。

  • 読みました。

  • 短編が4つ。
    登場するひとびとのテンションがすごく低い。いい意味で。
    とくべつ盛り上がるわけでもなくシンプルに過ぎていった。
    (最後の話だけはトリックがあった)

    なんとなくNHKの短編小説みたいな雰囲気。
    時間をおいてからまた読もうと思った。表題作にでてくる女の子がかわいい。

    「タンノイのエジンバラ」 隣家の女の子を預かる男。職安に通っている。タンノイはメーカー名。

    「夜のあぐら」 死にゆく父親の遺産を守ろうと長女・次女・長男が実家に忍び込む。長男だけど末っ子は引きこもって余生を楽しんでいる。

    「バルセロナの印象」 離婚した姉と自分の妻と3人でスペイン旅行。バルセロナオリンピックの公式キャラクターはコビー。

    「三十歳」 パチンコ屋でバイトをしながら大きなピアノのある小さな部屋で暮らす三十歳女が、バンドに打ち込む安藤に出会う。

  • 高校生のとき一度読んだけど、
    そのときの印象は「ふつう」。

    あらためていま読み返してみて、
    とてもおもしろかった。
    ほとんど覚えてなかった。
    長嶋有にしては珍しく、
    明らかにテーマ性があるというか、
    ストーリーがある内容だった。
    それだけに、いつもののんびりとした、日常を描く良さというのは薄かったけれど、
    こっちはこっちですばらしかった。

  • 隣の部屋の子供のめんどうをみることになった。

    失業中、特にすることもなく暇を持て余していた日々に、隣の女の子が愛想もなくやってくる。

    可愛げのない子だが、亡き父がのこしたタンノイのエジンバラの音には聞き惚れていた。

    他短編

    幼いときばらばらに暮らしていた姉弟が、父の病気と相続で再び集まる夜のあぐら。
    ピアノ講師をやめてパチ屋でバイトする三十路女の三十歳、が印象的

    相変わらず色々細かい。
    淡々としていながらも文体が何故か優しい)^o^(

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著者プロフィール

小説家、俳人。「猛スピードで母は」で芥川賞(文春文庫)、『夕子ちゃんの近道』(講談社文庫)で大江健三郎賞、『三の隣は五号室』(中央公論新社)で谷崎潤一郎賞を受賞。近作に『ルーティーンズ』(講談社)。句集に『新装版・ 春のお辞儀』(書肆侃侃房)。その他の著作に『俳句は入門できる』(朝日新書)、『フキンシンちゃん』(エデンコミックス)など。
自選一句「素麺や磔のウルトラセブン」

「2021年 『東京マッハ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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