街の灯 (本格ミステリ・マスターズ)

  • 文藝春秋 (2003年1月28日発売)
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本 ・本 (312ページ) / ISBN・EAN: 9784163215709

感想・レビュー・書評

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  • 読み始めてベッキーさんが出てきてすぐに昔読んだ本であることを思い出した、、、。
    しかもシリーズ全部読んでいる、、、。
    ただ、幸か不幸かあらすじは全く覚えてなかったので「なんて面白い話なんだ!」と思いながら読めた!(←アホ)

    それにしても前回読んだのは10年以上前で、その頃は無知だったので千疋屋という存在も知らなかったし文化的に昭和初期の雰囲気が興味深いとも思わなかった。

    上流階級のお上品な方々の話ではあるのだけど、著者北村薫が描くとこんなに鼻につかないのがすごいと思う。
    いい暮らしや贅沢な描写がたくさんあるけど反発心や反感が全然沸いてこないのは、主人公達の人物(性格)に気取った所がまるでなくて、ごくごく等身大だからだろう。
    その分ミステリ的な所や物語に集中できる。

    著者のすごさを再確認出来た。

  • 北村薫の街の灯を読みました。
    ベッキーさんシリーズの最初の本です。
    ベッキーさんが運転手になることから始まります。
    銀座の昔や、軽井沢に昔が出てきて、景色を思い浮かべながら読みました。
    あとがきの会談でワープロ全盛期に書いたことが書いてありました。
    懐かしいです。
    ワープロからパソコンがワープロマシンになってDTPまでなる過程をみてきたので40年前からの流れを思い出していました。

  • ベッキーさんシリーズの一作目。雰囲気が素晴らしく、華族の文化や、昭和前半の銀座のリアルな空気感などが伝わってくる。逆流して読んでしまったのだが、本作は人も死ぬし、ミステリらしさが多少感じられる。
    街の灯で、登場人物の1人がチャップリンの街の灯の結末を見て自分なりの解釈を語る場面が、兎に角素晴らしい。ミステリ的には動機の解明になるのかな。

  • パーフェクトウーマン、ベッキーさん。多くを語らずして英子さんをほんのり導くところが特にスゴイ。

  • 見えるもの全てが真実ではないと、それが私には分かっているのだろうか。人間の汚さを嫌悪しながら、私が綺麗だとは言いきれない弱さ、そんなのを思い知りました。この本は再読ですが、前読んだ時とは違う感動がありました。少しずつ成長しつつある私だから、今では物語がよく理解できる。舞台が昭和のこの話、今では知ることのない生活がかいま見れて楽しく読めた。ただ身分がある世の中っていうのは、ちょっと辛いねぇ。英子さんみたいな身分の人はいいかもしれないけど。今後の英子さんの成長に期待です!☆4

  • 日常の謎解き。ベッキーさんがカッコいい。

  • 昭和初期の財閥令嬢と女性運転手が遭遇するミステリー。掛け値なしのバリバリのお嬢様だけれど、聡明で嫌味なところがなく上流階級の暮らしを素直に楽しんで読むことができる。お嬢様も聡明であれば、運転手のベッキーさんもまた素晴らしい。プラス謎解きの面白さや当時の時代描写も興味深く、一冊にいろんな魅力がつまっている。

  • ベッキーさんという人物の妙。
    このキャラ造形に、しっかりとした時代考証が物語に厚みと説得力を与える。

    時代は激動であり、不穏な未来へと突き進んでいるのだが、切り取ったような少女たち、女性たちの生きている瞬間が、生きていることのきらめきと諦観を感じさせてくれる。

    巻末の解説がとてもいい。

  • 2016.4.29読了。

  • ミステリ。昭和初期。上流階級。シリーズ。お嬢様の生活に凛とした運転手。オルゴールって自鳴琴っていうんだ!巻末にある北村薫さんのインタビューも読めてよかった。

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著者プロフィール

1949年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。大学時代はミステリ・クラブに所属。母校埼玉県立春日部高校で国語を教えるかたわら、89年、「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。著作に『ニッポン硬貨の謎』(本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)『鷺と雪』(直木三十五賞受賞)などがある。読書家として知られ、評論やエッセイ、アンソロジーなど幅広い分野で活躍を続けている。2016年日本ミステリー文学大賞受賞。

「2021年 『盤上の敵 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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