おしゃべりな犬

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163215907

作品紹介・あらすじ

七十年前に七人の男が「村」を作った。島や大陸から貧しい者らが集まり、水掛ババアやインチキ牧師も現れた。父は金と女、大食で誰にも負けなかった。その村で「おれ」は生まれ育った。愛や快楽など無縁だ、祖国も家族もない-いったい「おれ」は誰なんだ。「チンゴロ村」の神話。倒錯した暴力と性-芥川賞作家・玄月の初長編。

感想・レビュー・書評

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  •  朝鮮出身の父親と日本人の母親の間に生まれた子供の成長期?
     子供の頃、青年期、結婚生活。なんだかすべてが不自然です。
     作者の別の作品も読んでみたいです。

  • 図書館で借りました。

     現代。在日韓国人を扱った社会小説。
     肌に合わない文章や話というのはあるもので。
     この主人公、在日のシンことノブオが、嫌でした。
     母親を殴る。愛人を殴る。薬中毒で、不能。それでもいいという恋人茜を薬の仲間に輪姦させ、それを見て自慰をする。父親からお金をせびり、愛人を死なせても罪悪感を持たず……。
     なんでこんな男が愛されるんだ? 
     最初は「姉飼」の後藤徹になんとなく似ている文章だなと思っていたけれど、あっちは楽しく読んだけれど、これは全然。真ん中ぐらいまで来て「もういいよな。肌にあわないもん」とか思った。でも、読んだ。最後まで。
     輪姦の結果、子供が出来て、シンは茜と結婚する。シンは生まれてきたその娘を溺愛する。

     最後はどうやらシンナーをかぶって火をつけて、自殺未遂して発狂したようだ。
     ぐちゃぐちしていて、読みにくかった。
     無夜が女を殴る男が嫌いだということもあるが……、この男、素直にホモにでもなっていりゃあよかったのに。そしたら、不幸な女を二人も三人も作ることはなかった。だってさあ、愛人に後ろ舐められてイクんだもんさあ。そのくせ、抱けないんだよね。
     ここの話で一番怖いのはシンのお母さん。息子の金の動きをしっかり把握。
     子供の頃は「ガスボンベ代(ラリる用)」を息子より正確に家計簿の脇につけていて(つーか、息子のガス遊び止めさせろよ、親)、結婚した息子の小遣いをやっぱり把握していて「ドールさん(愛人の名)に10万円」とか記入されている。
     息子は隠していたのにもかかわらず、だ。
     何者だ、この母?

  • かなり悲惨な話です。環境や状況が。主人公のなんとかしたけど、どうしていいか分からない感がまた悲惨さに拍車をかけています。
    でも、思わず笑えてしまうのはなんででしょう。ちっとも、おもしろい話ではないのに。

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