- 本 ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163216508
感想・レビュー・書評
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戦争の傷痕深い厳格な父親、家政婦から後妻に入った母親、先妻の子と後妻の連れ子の兄妹たち・・・夜空の星々のごとくそれぞれが瞬き、輝きながら、「家族」という一つの船に揺られながら、時の荒波を漂っていく・・・愛とは、家族とは何かを問いかけた心震える物語は、著者<村山由佳>さんの直木賞受賞作品。〝今日一日を命からがら生き延びた者にとって、明日も、その明日もまた続いていくのが戦争だったのだ。人間が人間であろうとすることさえ許されず、赤い紙きれ一枚で家族も恋人も引き裂かれた...それが戦争だったのだ〟
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星々の舟=家族と家。
連れ子同士だと思い、惹かれあった兄と妹を軸にその家族のお話。
悲劇ではあるものの、15年と言う長い年月がまた違う家族の形にしてくれます。
兄の暁も妹の沙英もやりきれない思いを抱えたまま。
誰かを悪者にしたら楽になる、そんな感じです。
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「おいコー」シリーズのような恋愛モノでもなければ、セクシャルな面が強く出てるダブルファンタジーの流れでもない。
戦争という大きなものを背景に置いて、家族それぞれの生き方や抱える苦悩、価値観の違いなどがありありと描かれている作品。
村山由佳は「戦争をテーマにして若い人に伝えたかったけれど、やっぱり私は恋愛が絡んでこないと書けない」と言っていたのも納得で、重いテーマの割に村山由佳の柔らかさ・繊細さがあって、それが上手い具合にバランスしていると思う。
本当に救いがなくて重いけれど、ラストシーンでの父:重之の一言"幸せとはいえない幸せもあるのかもしれない。" がいつまでも胸に響く。
大好きな一冊。 -
ある家族を1つのテーマにして、それぞれの章で主人公が変わっていきます。どれも深い悲しさをはらんでいて、胸がギュッと締めつけられているようでした。
それだけ物語への没入感があったということ。 -
禁断の恋のお話しかと思いきや、家族という舟にのる個々の視点からのオムニバス形式で読みやすかった。それぞれの内容は重ため。不倫、居場所探し、いじめ、戦争。幸福とは呼べぬ幸せもあるといいな。
【2023.07】 -
直木賞受賞作品
一つの家族がそれぞれ主人公として書かれた6編からなる小説。現代の家族らしい悩みをそれぞれが持っている。禁断の愛や友人への嫉妬などが題材なので、一見ありきたり。しかし吸引力のあり、あっという間に読めてしまう。 家族でも、話さなくては分からないこと、決して話すことのできないこと、多くの事情を抱えている。この気持ちはどうやって整理をつけるのだろうか?それを分からなくても支えてくれるのが家族なのかもしれない。 村山さんの作品(恋愛小説)のイメージとは全く違う、読み応えのある作品です。 -
友人が良かったというので読んでみましたが、私には・・・
すげえドロドロの家族
著者プロフィール
村山由佳の作品





