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本 ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784163217703
感想・レビュー・書評
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単行本はタイトルが違うので同じ本を二冊買ってしまった。こっちのタイトルにはっとした。「コンビニ」の話を読んで、いろんなところへ行ったり、いろんなものを見たりするのは、無駄じゃないんだな、って気づかせてれた。
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生きる希望をもつことのよろこびとか、生きる希望がない虚しさとかが描かれている
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なんてことはない風景のなか、何かを変えようとする人のアンソロジー。
しかし、その風景は未だ変わらないことに愕然とする。
龍にしては小品だが、希望の国のエクソダスの時代を考えると必要な話なのかもしれない。
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「目玉がぎょろぎょろ動く」
感想を一言でいうと、僕は普段の何気ない生活のリアルに結構近いものをこの本に感じ、また場所の具体性と曖昧さを同時に体験できる心地よさは文章独特だと思った。
この本はいくつかの全く異なる小説で構成されている。場所はコンビニ、居酒屋、公園など、都市のどこか。視点は一人称で、各話の主人公は誰かと会話したり、その場を漂ったり、回想したりしている。普通だ。
ただ、どの話も話そっちのけで描写が細かい。眼に映るものやことが、全部とは言わないがものすごい密度で書かれている。最初のコンビニの話なんか、コンビニに立ち寄って中をうろうろするわずか数分間のあいだに知覚されたことが約30頁にも渡って書かれている。注意が散漫な主人公の目移りがほとんどそのままに近い状態で記述され、何かが目に入っては次のものに目が移り、またふとした拍子にさっき見たものが目にとまったり、それに連想される出来事を思い出したりする。それらのものやことは、我々が対象を観察しながらスケッチするときのように、はっきりした輪郭をもつ言葉で描写されていく。ただし位置関係は曖昧なままで、それは読み手の想像に委ねられている。
このようにして複数の断片が場面1つひとつにある全体=リアルな時空間を曖昧に浮かび上げている印象を受けた。この視点は、例えば何かしなければならないことはあるが少し背を向けたい瞬間や、どこかでぼーっと過ごしているときに僕も体験するものだ。他の人はどうだろうか? -
読むのに疲れた。
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人間観察の鬼!
視覚、聴覚が研ぎ澄まされてる感じ。
短編集。
何か得るものがあるよーでない作品。
私はいまいち話に入り込めなかった。
逆に、マイナス思考に入っていきそうになった。 -
一つのシーンをゆっくりと時間をかけてかみ砕き、綿密に、あますところなく。
ときには効果的に。ときには、少々くどいほどに。
そんな、描写の仕方が印象的な小説だった。
読んでいくうちに、ゲシュタルト崩壊という単語が浮かんだ。 -
特別幸せではないけれど、特別不幸でもない、たぶん頑張ったら何かがちょっと変わるかもしれないけれど、そのモチベーションが見つからない。そんな人たちの物語。
淡々とした語りだけどどこか心に残る。 -
二〇〇三年 早春 アラスカにて。
書かれた三ページほどのあとがきがよかった!! -
8つの短編集。出だしの「コンビニ」は少しゴチャっとして読みにくさもあったが、徐々に慣れた。心の内側を自分でこじあけて覗き込んだような表現が多いように感じた。
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古い読書録より、再録
結婚式場、空港などにたたずむ、
ごくごく普通の人々が思うこと、考えること、心の動きが物静かな筆致で描かれる。オムニバス形式の短編集。 -
一人称でかたられる
どこにでもありそうな場所にいる
その人が思っていることを
たんたんと表現しています
そう、都会で大勢のひとたちが
わんわんといるところで
ひとりひとりはいろいろかんがえているんだよな
というようなことを思いました -
初めて、村上氏のものを読みました。
短編集なので読みやすかったが、
よくわかりませんでした。 -
友人が村上龍先生のファンみたいなので、どんなものかと思い読んでみました。
で、これが入門に適してるのかはよく分かりませんでしたが、短編で読みやすかったです。 -
まさにタイトルの通り。
複数の短編から構成されます。
どれも、当たり前の情景ですが、それだけ自然に受け取れるのは、著者の力量なのだろうか。 -
読み進めていくうちに、まさにタイトル通りのお話たちだなと思いました。
どこにでもありそうな場所の数々。
でもそこにいるはずなのに、その世界にに入り込めない。
表面を漂っているような感覚。
なんだかもどかしさを感じました。
ありふれた情景などを淡々と描くのは深みが出にくいと思いますが、どれも楽しめました。 -
配置場所:摂枚普通図書
請求記号:913.6||M
資料ID:50300437 -
村上龍の作品、これが最初でした。
もっと硬派なイメージだったけど
凄い読みやすかった。
場所ごとに人物設定も環境も変わるんだけど
本当に伝えたいことはどこか繋がってるような感じがして。
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