生誕祭 (下)

  • 文藝春秋 (2003年5月28日発売)
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感想 : 10
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本 ・本 (440ページ) / ISBN・EAN: 9784163218908

感想・レビュー・書評

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  • 読み終わるといつもやり切れなさが残るんだけど、見つければ絶対に読んでしまう馳星周の作品。
    この作品もやっぱり途中息苦しくなるような感じだったんだけど、やっぱりいつも通り一気に読んでしまった。
    読み始めた時は「マミって女、嫌い!」と思ったけど、読み終われば「嫌い」と思えるのは早紀の方で、マミはむしろかわいく思えたから不思議。もちろんやってることはえげつないと言うか、認め難いことだけれど、その方法はどうであれ、自力で生きてるところがいいんだろうな。早紀は早紀でいい娘なんだろうけれど、多分自分の足でしっかり立とうとしないところが好きになれないんだと思う。
    しかしバブルの時代って、つくづくこういう時代だったのね。

  • 最高!

  • こういう作品を読むと誰を信用してよいのか分からなくなります^_^;
    私自身はバブルにあまり関係なく過ごしたので、こういう世界もあるんだろうなあとい印象が読みごたえはある。
    彰洋の憔悴っぷりが半端ない。。。
    一番したたかだったのはやはり麻美かなあ。

  • あいかわらずの馳星周です。
    根は純朴な主人公男、こすっからい女と清純な女の間で揺れる。狡いまわりの男たち。後半になると狐と狸のばかしあいになって、誰が悪いんだか、わけわからなくなる。
    しかしそれが嫌いじゃない。スピード感があって一気読みしてしまう。
    この人の、「悪いのはわかっていて、やめられない。欲望に中毒する」って感覚が好きだ。正義感ぶってなくて。後味はよくないけど。

  • ダレないのがいい。
    切れ味が良すぎる。

  • 馳 星周 さんといえば「不夜城」のイメージ。というかそれしか知らなくて。正直に言いますとこの作品、とある方のブログで、『エロすぎて電車の中では読みづらい小説ランキング1位』に挙げられていたから、非常に興味があって(おぃ)、読みたい本リストにずっと入ってて。厚さで躊躇してましたが、今回腰を据えて読破!!でも、そのランキングの位置づけに関しては…期待はずれ(笑。濡れ場は多くは出てくるけど、ぎゃくに沈んでしまいました。私の好きなエロさは皆無。というかまず、私的に惚れ込める登場人物は一人も出てこないのよね、。。だから入り込めなかった。どっちかってと、重い話ですよ。出てくるやつらがどーも、汚いやつらばっかで。。 (-公- ) 胃が痛い気分になったゎ。金のためにセックスして、金のために友達を裏切って、私欲のために自分自身に嘘をつく。そうまでして得る大金やステイタスって、どーかな。本当の貧乏と惨めさを知らないから甘い、とか言われそうだけど。勝ちってことの意味が違う気がするんだよね。お金はもちろんあったほうがいいけど、ぜんぜん私はこーいうのに燃えない。金より豊かさだよ、人としてつかむべきなのは。あたしだってそんな真人間じゃないけど、こーいう風に薄汚くは生きられない。ブランドもんも海外旅行もない人生でいいから、自分なりにまっとうに生きた誇りを持って死にたいよ。この登場人物たちは、健康な肉体と知恵のまわる頭脳を持ちながら、どーしてこういう風に生きるの?とずっと首をかしげつつ読みました。後半はみな、自分が重ねてきた悪のぶんだけ、堕ちる堕ちる。。人間ってのは、あさましくなろうとおもえば底なしなんだなー。麻美の生き方にはちょっとだけ見習いたい部分はあったけど。自分自身に投資する執念みたいなとこだけ。あとはもう…彰洋のその後を示唆するようなこの終わり方。。「え。。さいあくー。」という感想。愛のカケラもない世界。あーなんか、愛とか勇気とか冒険とかピュアで明るい話が読みたくなった。ジャンプ買ってくるか。

  • バブル時代の話。地上げ屋美千隆のもとで働く彰洋。地上げ屋のトップ波潟にとりまき、男女関係や株など情報を駆使して金儲けをたくらむ。若さに甘えていられないとあせり始めた波潟の愛人マミ。長編だけど長さを感じさせないくらい引き込まれた。下巻は特に馳ワールドを感じる。深みにはまってどんどんぬけだせなくなっていく。いつもなんとなくもの足りない感がある終わり方も今回は納得した。'07.11.5

  • 人生めっちゃくちゃ。

    バブル期のババ抜きゲーム。

    だましだまされ、まただます。

    主人公の体が熱くなるとき、すべてを忘れられる感覚がなんとなくわかる。

    だからこの人の作品はやめられない。

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著者プロフィール

1965年北海道生まれ。横浜市立大学卒業。出版社勤務を経てフリーライターになる。96年『不夜城』で小説家としてデビュー。翌年に同作品で第18回吉川英治文学新人賞、98年に『鎮魂歌(レクイエム)不夜城2』で第51回日本推理作家協会賞、99年に『漂流街』で第1回大藪春彦賞を受賞。2020年、『少年と犬』で第163回直木賞受賞した。著者多数。

「2022年 『煉獄の使徒 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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