- Amazon.co.jp ・本 (536ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163219509
感想・レビュー・書評
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アメトーークの読書芸人で光浦靖子さんがオススメしていたので読んでみた。
どうにか読み切ったが「好きじゃない」の一言に尽きる。
内容もさることながら、この本自体が醸し出す負のオーラが半端ない。
寝ながら読んで、お腹に置いたまま眠ってしまった時は金縛りに会い、枕元に置いて眠ると殺人者になる悪夢で目覚めた。
かなり長編であり、内容的にも読みにくかったが、光浦さんのオススメという事で「いつか面白くなるかもしれない…」と期待して読み進め、読み切ったが、後味の悪さしか残らなかった。 -
チャンの中国生活の供述は辛すぎて読めなかった
それが真実ではないと後で言われていたけど
メインキャラクターに救いはない
禍々しさしか書かれていない
時々自分に重なるときがあり、それがまたグロテスクだ -
おもしろかった。
結構淡々とそれぞれの人の話が並べられててそれぞれの人が好き勝手に話したり書いたりしてるから矛盾があったりするけど、、、。
和恵の日記はかなり「グロテスク」だった。
靴下とか指輪とか手紙とか、恥ずかしいっってなった。 -
読んでいて悲しくなりました。でも読んでしまいました。
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913.6キリ 2015.7.9
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主観と客観のギャップや思い込み、勘違いなどにより、自分と自分以外の人との真の理解は不可能だと思い知らされるような内容でした。
モデルとなった事件をベースに、それから大きく飛躍した展開と結末に向けてのストーリーの収束が、長編でありながらも飽きさせない理由だと感じました。
単純に奇妙な人間とだけでは解されない、まさに共感と嫌悪感を抱かせるようなそれぞれの人物像を作り上げる桐野夏生はさすがだと思いました -
週刊誌連載時に大半を読んでいましたが、改めて全体
を通して読みたくなり、文庫本で入手。
悪意に満ち溢れた物語。
自己顕示欲だらけの、むきだしの物語。
文字通り「グロテスク」な物語。
ところが人は自分の醜い部分を敢えて物語で読みたく
なる。
桐野作品の常として、登場人物たちがどんどん肥大して
読者を置いていく。視点を次々と変えて「真実」がわか
らなくなる。
でも、真実は一つか?誰もが単純な人格か?
そんな物語を、楽しみとして人は欲するか?
桐野夏生は、つまり、いつも読者の期待に忠実なのだと思う。
徹底的に「悪意」を綴りながらもその果てになぜか
爽快感すら与えてくれる。なぜなら出てくる女性たち
がとことん戦って「勝つ」からだ。
通勤の片手間に読めるような本ではなく、秋の夜長に
こちらも戦う感覚で向き合うべき本。 -
これはグロテスクな物語ではない。この物語がグロテスクそのものである。グロテスクという概念の周りに言葉を並び立て、それらを順序立てて並び替えたものがたまたまストーリーを獲得しただけのもの。妬み、憎しみ、羨望、エロス、タナトス、セックス、貧困、不潔などなど。それらを一つの大きな壺にぼちゃんと入れてかき混ぜたら、はい、グロテスクのできあがり。
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とにかく圧巻だった 百合子の手記と和恵の日記は凄く哀しくなってしまった