真空管

  • 文藝春秋 (2003年7月24日発売)
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本 ・本 (216ページ) / ISBN・EAN: 9784163220208

感想・レビュー・書評

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  • 真空管 甘糟りり子 文藝春秋

    石原慎太郎の太陽の季節や
    村上春樹や坂本龍一や田中康夫や池田満寿夫などなど
ブランドや横文字の多い
ファッショナブルでエグゼクティブな社会の
飽き飽きしながらも抜けるに抜けられない上澄みを描き
読者やファンは成り上がり階級の片鱗をキラキラ味わう

    このどこにいても満たされることのない
乾いた上澄みこそが競争原理による格差社会の
現実なのだろう

    それにしてもキラキラしたルアーと疑似餌の中を
ハラハラと泳ぎ回り続けなければならないなんて
バカバカしくて付き合いきれない
と言って流れから降りてしまえば
村八分にあって干されてしまう不安恐怖
    利権による依存と搾取の圧力に翻弄される
ピエロかペットか奴隷か家畜か
上を見ても下を見ても延々と搾取の関係が続く
そんな中をカンダタは仲間を蹴落としながら
細い蜘蛛の糸にすがって生き延びようと利己的にもがく

それでもこうした中身のない作品がマスコミによって
もてはやされて作家はのぼせ上がり庶民を貪る

    こんな自ら湧き出す喜びもなくお互いの利己による外圧で
怠惰になり鞭打たれる下克上の物語は
    源氏物語に始まり未だに学ぶこともなく続いている
    おお方の文化とは浅はかなものである

  • 2015.6.15読了。
    高級車や高そうなレストランなどの描写が多く、庶民の私には情景すら浮かばなかった。それでも、こんなリッチな生活があるのか…と軽く読んでいたが…。横溝の要求がエスカレートする辺りから、ちょっと読んでいて「気持ち悪っ!」と思ってしまい、怖いもの見たさでなんとか読んだ感じである。
    渇ききった女性をとことん突き詰めるとこうなるのか?と、最後まで私にはよく理解できなかった。文章自体は読みやすかったけれど…。

  • 男も女もしょーもない感じ。金持ちの世界の話と思って感情移入せずに読めたけど、それぞれ幸せにはなって欲しくないな。

  • 優雅に暮らす女が、一人の妻子持ちの女たらしの男に、のめり込んでいく話。

    空っぽ、って言葉がぴったり。
    それは話自体がじゃなくて、主人公の心が、空っぽってこと。
    ブランドものをいくら身につけても、得られるものは少ない。

  • 淡々とした感じってゆうのかな。
    こうゆう感じ、嫌いじゃないけどね。
    面白いかっていわれたら、そうでもないけど…

  • この作家さんの話、好きだけど・・・
    これはちょっと不発って感じかなぁ・・・。

    読後感がない。
    何も感じない。

    女心とか男心とかとは
    程遠いところに主人公たちがいるみたい。

    ちょっとがっくり。

  • なんという感想もわかなかったある意味珍しい本。なんちゅうか明るい時には読みたくない。

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著者プロフィール

1964年、神奈川県生まれ。玉川大学文学部英米文学科卒業。ファッション、グルメ、映画、車などの最新情報を盛り込んだエッセイや小説で注目される。2014年に刊行した『産む、産まない、産めない』は、妊娠と出産をテーマにした短編小説集として大きな話題を集めた。ほかの著書に、『みちたりた痛み』『肉体派』『中年前夜』『マラソン・ウーマン』『エストロゲン』『逢えない夜を、数えてみても』『鎌倉の家』などがある。また、読書会「ヨモウカフェ」を主催している。

「2019年 『産まなくても、産めなくても』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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