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本 ・本 (464ページ) / ISBN・EAN: 9784163220505
感想・レビュー・書評
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著者の作品を読むのは本当に久しぶり。フランス史の歴史小説。主人公のことは本作を読むまでは全く知識なし。それでも楽しく読めたのもいつも通り。主人公が理屈っぽく鬱屈するのもいつも通りだが、今回はちょっときつかった。共感半分、うっとおしい半分。現代の会社社会でもよくある感情。
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奴隷から将軍になった男
カリブ海のコーヒー農園の白人農園主と黒人女奴隷との間に生まれた混血児が、父の祖国フランスへ渡り、軍人となる。
やがて膚の色と勇猛な巨躯から、敵に「黒い悪魔」と恐れられた。
皇帝ナポレオンも一目おいた文豪デュマの父親の破天荒な人生。
主な舞台はフランス、フランス革命の頃。
この時代を取り上げた作品はたくさんありますが、奴隷から這い上がった主人公の視線からの作品は面白いです。
この主人公の心の葛藤や不器用な生き様も、その魅力の1つであります。
ナポレオン・ボナパルトとの確執が非常に面白い。
一見すると出世物語のようですが、その半生から家族や息子(「三銃士」の作家であるデュマ)が希望となり後の文豪を誕生させることになるのですね。 -
紫苑をイメージしちゃったわ
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強い。
ちょっと性格があれやけど、豪快さが気持ちいい。
息子の話も読まないと。
あ、三銃士読んでねえや。
まずそっち読まないと。
最後の方読みながら、今の息子が自分をどう見るのか考えてしまって、なんかちょっとへこんだ 笑 。さすがにここまでのヒーローにはなれまい 笑 。 -
アレクサンドル・デュマの父を描いた作品。
白人農場主と黒人奴隷の間に生まれたアレクサンドル・デュマが、将軍にまで上りつめる。
傲慢でコンプレックスを抱えた主人公は魅力があるとは言えないが、時代の流れと生き方は面白かった。
主人公の生き方が、後の作家デュマに影響していると思わせる描写も楽しい。 -
2013年50冊目
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P.167
いかにも積極果敢で結構なかぎりであるが、それが例外ひとつ認められないとなると、現場は閉口せざるをえない。命令に従わない場合は無論のこと、あまりの困難に逡巡の態度を示しても、あるいは無茶を強行したあげくに惨敗を喫しても、すぐさま将軍は引責され、問答無用に更迭を言い渡されてしまうのだ。人民を裏切る行為だとか、祖国の敵とみなさなければならないとか、さんざ誹謗中傷されたあげくに、ときには断罪されてしまうのだから、これでは堪ったものではない。
P.177
びくびく主人の顔を窺うばかりで、どうすれば気に入られるか、それしか考えられなくなってしまうからだ。
そんな自分は大嫌いだと思うのに、卑屈に言葉を選ばなければ済まされない。どれだけ従順な僕を演じても、心が救われるわけではない。生きるとも、死ぬとも、自分では明日を決められないからだ。他人に運命を握られながら、ただの一瞬も自由を感じられないからだ。その息苦しさが最近、やけに思い出されてならない。 -
2010.09.19
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佐藤賢一のアレクサンドルデュマ三部作?のその1.
アレクサンドルデュマの父が軍人として活躍する部分を描いている。なにげに、三部作の最初の巻を最後に読むことになってしまった・・・
父と子の関わりや思いを3部作で表現していて、しかも3人とも結構人生のすごしかたが結局にているのが印象的。
結局、真ん中の褐色の文豪がメインで、本作は著作の元となった父の活躍を描き、象牙色の賢者は後日談を書いているような気がする。
一巻だけでもそれなりに読めるだけでなく、3つ全部よむとまた別の見えてくる側面もあると思う
著者プロフィール
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