クライマーズ・ハイ

著者 :
  • 文藝春秋
3.98
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本棚登録 : 1987
感想 : 322
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  • Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163220901

作品紹介・あらすじ

北関東新聞の古参記者、悠木和雅は、同僚の元クライマー、安西に誘われ、谷川岳に屹立する衝立岩に挑む予定だったが、出発日の夜、御巣鷹山で墜落事故が発生し、約束を果たせなくなる。一人で出発したはずの安西もまた、山とは無関係の歓楽街で倒れ、意識が戻らない。「下りるために登るんさ」という謎の言葉を残したまま-。未曾有の巨大事故。社内の確執。親子関係の苦悩…。事故の全権デスクを命じられた悠木は、二つの「魔の山」の狭間でじりじりと追い詰められていく。

感想・レビュー・書評

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  • 2021/04/13読了
    #このミス作品67冊目

    御巣鷹山の日航機墜落が題材。
    地元新聞記者たちの情熱や葛藤、
    仲間や家族との絆を描く。
    最近涙腺死んでるのかめちゃ泣けた。
    脇目も振らず一心に上を見上げ
    ただひたすらに登り続ける
    そんな一生を送れたらどんなに幸せか。

  • 重みと勢いのある小説でした。
    新聞社の仕事の日々の緊迫感が凄かったですし、日航機墜落事故というとても大きな題材を扱っていることで、より筆圧を感じました。
    事故当時私は生まれていませんが、この時期に読んで少しでも知っておきたいと思い手に取りました。
    取材陣目線ということもあり、現場の非現実的な光景がかなりしっかり描かれていて、「悲惨」の一言では片付けられないことが伺えます。
    またご遺族だけでなく、いろいろな人の人生が事故によって動かされたことも伝わってきました。
    組織のゴタゴタの中で奮闘する系統のお仕事小説はあまり得意ではなかったのですが、それを超える迫力がありました。

  • 仕事、仲間、部下、上司、家族、友人、世の中そして死
    そんなものとの向き合い方、いや方法論じゃないな
    向き合わなくてはならないんだ!
    それが生きるということなんだ!
    そんなことが凝縮された一冊だったように感じました

    終わり方も良かった!

    死ぬまでに一度は読むべき一冊

  • こちらの作品、ブクログ登録日は2015年4月15日ですが、レビューを書いていなかったので、本日(2021年8月6日)書きます。

    著者、横山秀夫さん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。

    横山 秀夫(よこやま ひでお、1957年1月17日 -)は、東京都生まれの小説家、推理作家、漫画原作者。

    東京都立向丘高等学校、国際商科大学(現在の東京国際大学)商学部卒業。大学時代は躰道部に所属。1979年上毛新聞社に入社。以後12年間記者として勤務。1991年「ルパンの消息」が第9回サントリーミステリー大賞佳作を受賞したことを契機に退社。以後フリーランス・ライターとして『週刊少年マガジン』にて漫画原作(ながてゆか作画『PEAK!』など)や児童書の執筆、警備のアルバイトなどをする。1998年に「陰の季節」で第5回松本清張賞を受賞し小説家デビュー。

    で、こちらの作品に内容は、次のとおり。(コピペです)

    北関東新聞の古参記者、悠木和雅は、同僚の元クライマー、安西に誘われ、谷川岳に屹立する衝立岩に挑む予定だったが、出発日の夜、御巣鷹山で墜落事故が発生し、約束を果たせなくなる。一人で出発したはずの安西もまた、山とは無関係の歓楽街で倒れ、意識が戻らない。「下りるために登るんさ」という謎の言葉を残したまま-。未曾有の巨大事故。社内の確執。親子関係の苦悩…。事故の全権デスクを命じられた悠木は、二つの「魔の山」の狭間でじりじりと追い詰められていく。


    ●2022年2月26日、追記。

    本作は、著者が上毛新聞社の記者時代に遭遇した日本航空123便墜落事故を題材としている。

    日本航空123便墜落事故とは、

    1985年(昭和60年)8月12日(月曜日)、日本航空123便(ボーイング747SR-100型機)が群馬県多野郡上野村の山中ヘ墜落した航空事故である。

  • ドラマも映画も観てるけど、原作はまだ読んでない。

  • 満を持しての『クライマーズ・ハイ』

    何年も前に、あれはレンタルビデオだったか?とにかく家で映画を観た。
    あの映画では「この俳優さん凄い!」と思ったことが一番印象に残っている。
    滝藤賢一さんだ。
    失礼ながら当時は無名だった。
    そして彼の役者人生で、やはりあの名演技が、大事なポイントとなったようだ。

    あの演技を絶賛しその後『64』の「原作」も絶賛していた私が今やっと『クライマーズ・ハイ』の原作を読んでいると言ったら、家族から驚かれた。
    きっと私のことだからとっくに読んでいるだろうと思われていたようだ。

    『クライマーズ・ハイ』の原作は、別に避けていたわけではなく、たまたまだ。

    【ネタバレあり】

    原作はとにかく登場人物が多い。

    映画と原作では全くの別物だった。
    映画であまりにも印象的だったあの一件、滝藤賢一さんが演じた記者、死んじゃうんだよな、死んじゃうんだよな…と思って読み続けていたら原作では死ななかった。
    全く違うことで物語の早い段階で死んだ記者(なりたて)の死が、原作では終始主人公に引っかかっているという構成だった。

    原作では2人(男女)の人物を映画では合体して1人(女)(尾野真千子さん)にしちゃっていたんだなということも判明した。

    この作品の場合は、原作と映画のどちらが良い悪いではなく、何を描きたかったのかが全くの別物。

  • 今読むとやや古い本となるのでしょうが、とても良かったです
    ジャーナリズムに求められるものは何か、主人公が自問自答を繰り返し悩む姿に共感できます
    自問自答を繰り返す悩める主人公像は、著者の作品の特徴でしょう

    実際、こんな喧嘩腰のやりとりがされているのか、後輩たちへの対応が現在ではどう捉えられるのかなど疑問を持つところもありますが、著者の体験が反映されているのでそういう時代だったのかもしれません

    それよりも、見るものの興味を満たすために続々と流されるネットニュースや、社会ニュースも芸能ニュースもチャンポンにしてバラエティ化したテレビを思えば、報道のあり方が問い直せる作品だと感じました

    メディアの取り上げる命と、取り上げられない命、その差は何なのか?
    鋭い問いかけです

  • クライマーズ・ハイ
    登山関係の物語かと思いよみはじめると
    日航ジャンボ機墜落事故に係わった新聞記者の心情を描いた本だった
    面白くもあるがやはり 難しさがあって
    気軽に楽しく読む本ではなかったかなぁ

  • 4.6
    面白かった、やはり私はミステリーやサスペンスより、ストレートな話しが好きなようです。
    熱い男達が出てきます。
    自分自身の仕事に向かう姿勢を考えさせられる一冊でした。

  • 感動した。日航機墜落事故を取材する新聞記者の格闘を描きながら、人間ドラマを展開させ、命の重さ・ジャーナリズムのあり方、家族、仲間とのかかわり と2重3重になったテーマを高密度に盛り込んでいる。流石の一言。

    • ようちんさん
      映画よりも、私はNHKのドラマのほうが好きです。
      松尾たいこさんの挿画が大変印象的で、忘れられない1冊です。
      映画よりも、私はNHKのドラマのほうが好きです。
      松尾たいこさんの挿画が大変印象的で、忘れられない1冊です。
      2011/09/24
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著者プロフィール

1957年東京生まれ。新聞記者、フリーライターを経て、1998年「陰の季節」で松本清張賞を受賞し、デビュー。2000年、第2作「動機」で、日本推理作家協会賞を受賞。2002年、『半落ち』が各ベストテンの1位を獲得、ベストセラーとなる。その後、『顔』、『クライマーズ・ハイ』、『看守眼』『臨場』『深追い』など、立て続けに話題作を刊行。7年の空白を経て、2012年『64』を刊行し、「このミステリーがすごい!」「週刊文春」などミステリーベストテンの1位に。そして、英国推理作家協会賞インターナショナル・ダガー賞(翻訳部門)の最終候補5作に選出される。また、ドイツ・ミステリー大賞海外部門第1位にも選ばれ、国際的な評価も高い。他の著書に、『真相』『影踏み』『震度ゼロ』『ルパンの消息』『ノースライト』など多数。

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