都市伝説セピア

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 84
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163222103

作品紹介・あらすじ

"見世物小屋""口裂け女""夕闇の公園"…妖しい世界にとり込まれた心が引き起こす哀しい犯行の数々。オール読物推理小説新人賞、日本ホラー小説大賞短編賞を相次ぎ受賞、期待の新人の新感覚ホラー短篇集。

感想・レビュー・書評

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  • 著者2作目。今回も昭和感満載のホラー系短編集。森見作品のホラー系の作品を彷彿させ、そして読みやすくしたような感じ。内容的には昭和テイストとでも言うのでしょうか、懐かしい感じの中にある狂気とでもいうのか、とにかくどの作品も伏線の回収が鮮やかと言うか寒気のする怖さ満載の短編集でした。人を愛するが故の自分の中にある歪んだ愛情表現、背筋がゾクゾクするようなゾンビとか幽霊とかとは違った怖さ、どの作品も楽しめました。

  • 久しぶりにホラー小説を読んだ!
    短編だけどどのお話もしっかり構成されていて、オチに感心されられたし、人間の闇に触れて鳥肌が立った。
    「昨日公園」は世にも奇妙な物語でドラマ化されていたのを見たことがあったけど、この本が原作だったのか!不気味だけど、どこか、温かさも感じられる。

  • '21年6月28日、読了。朱川湊人さん、2冊目。

    ジャンル的には「ホラー」という事になるようですが…僕が「ホラー」をわかっていないのか、こういう感じの小説、僕には「ファンタジー」に思えてしまいます。ちょっとダーク寄りな、ファンタジー…。最後の話が、「月の石」だからかな?これは、ホラーじゃないよな、なんて。「アイスマン」、「昨日公園」、「フクロウ男」、どれもファンタジックな話に、僕には読めます。

    「死人恋」だけは、好きじゃないなぁ。

    でも、短編集として全体的には、とても楽しんで読みました。
    「アイスマン」が、一番好みかな…汗をびっしょりかいて起きる、嫌な夢のような話。哀しい、ちょっと怖い、でもなんか美しい物語。
    「フクロウ男」は、オチにビックリ!やられた!まあ、毎度やられますけど╮(╯_╰)╭

  • 面白かった~
    ホラーとありますが、リングの様なホラーではなく、道尾秀介のホラーに近い様な感じで、この手のダークな話好きです!
    幽霊等が出てくる話ではなく、人間の闇がホラー化している話です。またこの作家さんの作品が読みたい(^^♪

  • 始めて読む作家さんの本。
    アイスマン、昨日公園が特に好き!!
    ちょっとダークでホラーやミステリー要素もありつつ読後が良い作品もあり、堪能した。
    他の本も読んでみたい!


    ・アイスマン ★★★★
    内容を全く知らずに読んだのでハッピーエンドかバッドエンドか予測がつかなかった。
    見世物やとか、河童とかダークで現代にはない所が惹かれる。

    途中、ポジティブな感じで終わるのかと思ったらそうではなく男側の世界に行ってしまうのも◎


    ・昨日公園 ★★★★★
    面白かった。タイムトラベルというか、ループというかそんな感じの話。
    よくある設定だとは思うが、全然面白く読めた。

    ハッピーエンドの安売りがすごく嫌いなので、この終わり方は◎!


    ・フクロウ男 ★★★
    この話に興味があり、この本を読む事にした。
    うーん、期待外れ!
    ちょっと長いし、あまり本の世界に入り込めなかった。


    ・死者恋 ★★★★
    き も い!
    ラストが、キモい!というか後味が悪い!
    いや、登場人物全員キモい!

    でも嫌いじゃない!笑
    むしろこーゆーのもありだ!


    ・月の石 ★★★★
    読み始めは、ホラーか!と思ったが最後が◎!!
    面白かったし、何よりラストが非常に良い!!

  • 今年のオール読物5月号に掲載された「死なない人」がとても面白かったので、作者のほかの作品も読みたくなって本書を図書館で借りた。
    「死なない人」と同様のヒューマンホラーな内容の短編集だが、どれもよく練られた内容で読み応えがある。ただ、この中で最も有名な「フクロウ男」は私には一番つまらなく感じられた。

  • 5篇からなる短編集。この世ならざるものに取り込まれた、妖しい世界が描かれています。
    見世物小屋や都市伝説といった“いかにも”な話から死者に思いを馳せる哀しい話まで
    不思議不気味系のなかでもバラエティに富んだ一冊となっています。朱川氏の作品は今まで
    何冊か読みましたがノスタルジックな印象が強いですね。体験していないのにも関わらず
    何故か懐かしいような気持ちにさせられる。そういう話は勿論のこと「フクロウ男」は
    単純に楽しめるし「死者恋」のように、ただただ不気味で恐ろしげな作品、これもまた良い。

  • この作家さんの作品をきちんと読み直そうと再読。
    意外に忘れていて十分楽しめる。。

    ウィキだとホラー作家 というカテゴリ。
    ほのぼの系ばかり今まで読んでいたので知らなかった。。

    アイスマン / 昨日公園 / フクロウ男 / 死者恋 / 月の石

    友人についてだとか、精神状態とか、この世の見方が面白い。
    『月の石』のお母さんがまさかの足が速い、というエピソードが好きだ。。
    両親を思い出すとき、老いた状態のイメージが強くなっていくので。。

    マイノリティな考え方や趣向を持つ人は、それを我慢したり隠したりして生きていく人と
    きっかけが無ければそれに気づくことなく終わる人もいるのかもしれない。。とか思ったり。
    アイスマン、ラスト数行でそういう人物だったかと驚いた。。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    人間界に紛れ込んだフクロウの化身に出会ったら、同じ鳴き真似を返さないといけない―“都市伝説”に憑かれた男の狂気を描いたオール讀物推理小説新人賞受賞作「フクロウ男」をはじめ、親友を事故で失った少年が時間を巻き戻そうとする「昨日公園」など、人間の心の怖さ、哀しさを描いた著者のデビュー作。

    懐かしさと優しさとホラー風味の味付けという今に通ずる方向性からホラー風味を強くした感じのデビュー作です。結構救いの無い話もあるので今の作風とは違いますが、真正ホラーからするとかなりほんわかなのでどっちつかずと言えばどっちつかず。、今のほんわかレトロ路線で正解であったであろうと思いますです。
    その中にもグッとくる話がいくつも有り、「昨日公園」はいいですねー。助けたいけど助けられないジレンマの切なさと、数十年経った後の結末がさらに切ない。

  • 1話目の「アイスマン」は特筆することのない凡庸な内容でしたが、
    その他の話は面白く、引き込まれました。
    ただ「フクロウ男」と「死者恋」の最後は蛇足に感じます。

    本のタイトルはもう少しどうにかならなかったものか…。
    確かにセピアでしたけど!

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著者プロフィール

朱川湊人
昭和38年1月7日生まれ。出版社勤務をへて著述業。平成14年「フクロウ男」でオール読物推理小説新人賞。15年「白い部屋で月の歌を」で日本ホラー小説大賞短編賞。17年大阪の少年を主人公にした短編集「花まんま」で直木賞を受賞。大阪出身。慶大卒。作品はほかに「都市伝説セピア」「さよならの空」「いっぺんさん」など多数。

「2021年 『時間色のリリィ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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