枯葉色グッドバイ

  • 文藝春秋 (2003年10月7日発売)
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感想 : 12
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  • 本 ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163222608

感想・レビュー・書評

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  • 図書館にてこの作者の作品に初めて触れた。
    状況に応じた視点の切り替えが上手くできており、それぞれの視点から背景の解きほぐしがあるのが、読み進めて行く中で面白かった。
    またその複雑な背景と事件があまり関わりがなかった、という結末もいい締め方だった。
    別の作品も読んでみたいと思わせるミステリーだった。

  • この安定感。渋いおっさんと若い綺麗な娘。
    いつもの感じっちゃ感じやけど、台詞が面白いので飽きない。

  • 図書館の本 読了

    内容(「BOOK」データベースより)
    羽田空港の明かりが見えるマンションで、親子三人が惨殺された。そぼ降る雨の夜、犯人の痕跡は闇に消えた。ただひとり難を免れた高校生の長女は、翳のある美少女。彼女には、自分を大事にできない理由がある。行き詰る捜査、新たな殺人。事件を追う女刑事は、かつて憧れた先輩刑事が代々木公園でホームレスになっていることを知る。敏腕でならした男が、いったいなぜ。女刑事は彼を日当2000円で助手として雇い、珍コンビの新たな捜査が始まった!骨太なプロット・大胆なトリック。青春ミステリーの名手が放つ最高傑作。

    久しぶりに樋口有介らしい作品を読んだ。
    そうそう、これが彼の持ち味!と思える椎葉。
    この中途半端なダンディー振りがたまらない。
    美亜が絡むのもよくわかるし、彼のうそは優しいうそ。
    沖縄の椎葉も読んでみたい。

  • ちょっと、帯に騙されちゃったけど
    悪くないかなー。
    椎葉みたいな人って嫌いじゃない。

    枯れ葉色のテント、良いと思う。

  • この方の他の作品を図書館で順番待ちしているところで、他にどんなものがあるのかと棚をながめて、ジャケ借り?しました。

    装丁もなんだか良い感じ♪
    タイトルも、爽やか~な感じ♪

    …と、思ったら、内容は爽やかではなかった。

    夕子のセリフが、あまり現実的じゃない(男性が書いているせいか)気がして、なかなか感情移入できませんでしたが、徐々に面白くなっていき、犯人は誰でも良くなった(笑)頃、ようやく終盤に。
    ミステリーだけど、他の要素もあり。
    椎葉とのかけ合いは笑うところ?と戸惑う。
    やや中途半端な感じ。

  • 意外な人物の活躍度合いが痛快だ.

  • こういう系統のミステリは実は苦手なんですが。どろどろしてるっていうか、現実に起こりえそうなものは。ミステリに限らず、現実に即しすぎてるものはどうも。
    それにもかかわらず、面白かったです。椎葉の推理は当たりませんでしたが。(笑)
    背景はともかく、本格もので犯人を外す探偵ってのはありえないので、ある意味新鮮かも。椎葉が仲間をかばわずあっさり告発するのもけっこう意外でした。わりと親しくしていた相手なのに、そういうものなんでしょうか。そこらへんは刑事の意識が残ってるのかもしれませんね。
    ところでどうしても一点納得のいかない部分があるのですが、これってやっぱり書いているのが男性のせいなのか、それともストーリーを優先したせいなのか、どちらでしょう。たとえどんなに仲のいい姉妹でも下着の共有なんかありえませんよ。

  •  ホームレスとしての生活が板につき、毎日苦しいながらも仲間達と平穏な日々を送っていた元刑事の椎葉明郎(しいばあきお)だったが、生活していた公園で女子高生の死体が発見された。そのことにより多数の警察の人間が出入りするようになり、ついには女刑事・吹石夕子に見つけられてしまう。椎葉の過去の警察での活躍を知っていた夕子は、嫌がる椎葉をお金で雇い、半ば無理矢理、警察の捜査を手伝わせる。夕子はこの公園で起こった事件の被害者と、半年前に起こったもう1つの事件(親子三人惨殺事件)の生き残りの女子高生が知り合いであったことから関連を睨んでいたのだが、解決の糸口をつかめないでいたのだ。

     事件としてはそんなに難しいものではないのだが、夕子と椎葉のやりとりや、椎葉と女子高生のやりとりなど、会話が毎回ひとひねりあっておもしろく、登場人物も皆、キャラがしっかりしているので退屈な感じはない。犯人も、いかにもといった人じゃなく、ちょっと意外なところをついてきた感じ。事件の真相を暴きながらも、ある真実に関しては最後まで秘密を守り通し、”知らない方が幸せ”と、生き残りの女子高生・美亜を想って行動した椎葉。椎葉→美亜だけでなく、夕子→椎葉だったり、ホームレスの親子だったり椎葉とトメさんの師弟関係(?)だったり、お互いを想い合っているのがよくわかる、心温かくなる描写が結構あちこちでてきてたのが良かったなぁ。

      「テレビでもやってるよ。
       ワイドショーなんか大騒ぎ、あんたのテントも映ってた」
      「東京で一番の高級住宅街だ。
       あれで家賃がただなんて、信じられないだろう」
      「あたしに言わせれば趣味が悪いよ」
      「今日は洗濯物を干したからな」
      「ちがうよ、テントの色だよ」
      「ふーん、どうして」
      「場所とテントの青い色が似合わない。
       モスグリーンとか枯れ葉色とかにすれば、お洒落になるのに」
      「テントの色までは気がつかなかった。
       今度ホームレスの全体集会があったとき、
       おれが環境委員として提案しよう」

    タイトルの由来はこれか。

  • さわや書店で買った。「今ここで買わないと、もう手に入らないかも」みたいな内容のPOPにつられ。
    推理ものはほとんど読まないから、読み始めは抵抗があったけど、進むにつれてどんどん面白くなって行った。
    椎葉の淡々としたスタイルが、かっこよかった。
    犯人がうそ臭くなくて、(現実の殺人犯って、こういうとっから出るよね、という)好感が持てた。
    読み終わっちゃって寂しいな〜

  • 元敏腕刑事のホームレスが、女刑事に日給2000円で雇われて、行き詰った殺人事件を捜査する。

    ミステリとしてのトリックなどはいまいちですが、(犯人エェェー!?ってなる)(よくない意味で)
    登場人物の掛け合いがとてもいいです。
    ラストが結構すき。

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著者プロフィール

1950年、群馬県生まれ。業界紙記者などを経て、88年『ぼくと、ぼくらの夏』で第6回サントリーミステリー大賞読者賞を受賞しデビュー。『風少女』で第103回直木賞候補。著書に『礼儀正しい空き巣の死 警部補卯月枝衣子の思惑』、「船宿たき川捕り物暦」シリーズの『変わり朝顔』『初めての梅』(以上、祥伝社文庫刊)など。2021年10月、逝去。

「2023年 『礼儀正しい空き巣の死 警部補卯月枝衣子の策略』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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