忌中

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 61
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163223506

作品紹介・あらすじ

死んでも、死に切れない。変死、横死、一家心中、夫婦心中-彼らの魂に捧げる狂哭の短篇集。

感想・レビュー・書評

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  • つらい…
    ホラーだと思って読んだのに、違っていた。全く違っていた!
    でも文章はとても文学的(なので私の中のカテゴリは「文学」にした)。

    かなりつらく、暗いけれど、現実的にある話なのだろう。今もこの日本のどこかで、死を考えている人がいるんだろうな。

  • 図書館借り出し

    死にまつわる短編集
    壮絶だった

    ・古墳の話
    ・神の花嫁
    ・「鹽壺の匙」 補遺」
    ・三笠山
    ・飾磨
    ・忌中

  • 一度読んで、再度読んだ。すっかり忘れていて再度読んでもなかなか思い出せず、断片的にそういえばこんなシーンがあったなと思い出す程度だ。こんな読書でいいのだろうか。短編集だが、「古墳の話」と「忌中」が良かった。

  • 死にまつわる短編集。

    それぞれの主人公の行動は、明るさ、前向きさを欠き、陰鬱で破滅的だが、現世的であるとも言え、それゆえ魅力的。繰り返し登場する肉感的な美女が、その現世性を突き放し、物語性を与える装置として機能している。作者の小説観が垣間見えるところだ。

    何度か使われていた「あぶく景気」という言葉が印象的。

  • たんたんと話は進む

  • 自殺、他殺などの所謂変死した人々と、その周辺の模様を描いている短編集。
    「三笠山」と「忌中」がひときわしんどかった。
    作中引用されている歌やエッセイがどれも好き。

  • 表題作に感銘を受けた。主人公が死を前に過ごした日々は悪くないものに思える。

  • 内容は
    車谷さんの短篇集なのだけども……
    もうね、どれもこれも暗くて暗くて沈む。
    わかっちゃいたけど、本当に暗い……×
    中にはエッセイっぽいのもあって
    ・殺された知人の為に、最後は祝詞で終わっていたりとか。
    ・子供も殺して心中する夫婦の話だとか。
    ・死人はでなくても、理想の女が理想と違ったので
     その子の名前を付けた人形を抱いて寝る男の話とか。
    ・しかし、中でも表題作の『忌中』が最悪というか、最良。
     病気の妻を殺し、押入れで妻が腐敗し溶けてゆくのを
     毎日見ながら、借金をして若い娘に貢ぎ、自分を追いやり
     自殺するっという。
    暗い暗い。全部暗い。じめーっとした暗さ。

  • 「忌中」作者の嫌らしさ

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著者プロフィール

車谷長吉

一九四五(昭和二〇)年、兵庫県飾磨市(現・姫路市飾磨区)生まれ。作家。慶應義塾大学文学部卒業。七二年、「なんまんだあ絵」でデビュー。以後、私小説を書き継ぐ。九三年、初の単行本『鹽壺の匙』を上梓し、芸術選奨文部大臣新人賞、三島由紀夫賞を受賞。九八年、『赤目四十八瀧心中未遂』で直木賞、二〇〇〇年、「武蔵丸」で川端康成文学賞を受賞。主な作品に『漂流物』(平林たい子文学賞)、『贋世捨人』『女塚』『妖談』などのほか、『車谷長吉全集』(全三巻)がある。二〇一五(平成二七)年、死去。

「2021年 『漂流物・武蔵丸』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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