ヘル

  • 文藝春秋 (2003年11月12日発売)
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本棚登録 : 119
感想 : 17
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  • 本 ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163223605

感想・レビュー・書評

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  • 筒井康隆デビューしたくて、装丁がイカしてるやつ購入。 時系列前後しまくり、夢(地獄)に時間の概念がないことを強く感じた。 57調がカッコ良すぎる。もし自分が曲作るんだったら絶対サンプリングしたいフレーズが多すぎる。

  • 人間の願望や欲望がそのまま現実になって時間を前後にしたり、時には生死飛び越えて物語が進んで行く、まさに筒井ワールド。バーチャルな世界とリアルな世界が入り乱れ、その先には…

  • 混沌としている
    それを楽しめるかどうか

  • 怖いの借りてきちゃったー。
    でも最後までリズムにのるように読んだ。

  • 死んで、気づくとヘルにいる。そこは天国でも地獄でもない。欲望もなければ、時間もない。
    現実とヘルの間は夢で移動できるような、できないような。
    惚けてしまった人間はヘルには行けない。

    メタだとか、ヘルだとか、拷問だとか、初めから最後までよくわからなかった。”メタ”の意味を調べても理解できないし、そのわりに簡単に読めてしまうし、時間の感覚はなくなるし、ここはヘルなのかと思ってしまった。
    けれども、わたしは欲望まみれなのでまだまだ現世にいることがわかった。拷問はいやだ。

  • 生と死は境のないもので、夢を通じて行き来できるもの。
    死に方も、死とわかるものもあれば、もしかしたら死んだのかもしれないというもの、苦しくても死ねないものもあり、行けるようで行けず、遠いのかというと近いようであり…。
    誰にもわからない混沌とした世界。現世と浮世の描写が続く。
    後半「ボケる」がキーワードとして出てきて、この世界の謎を解く鍵になりそうだが、死者はこだわりのないのが特長で、謎を深くは追求しない。
    読み進めるに連れ、覚めない夢の繰り返しにとらわれ、だるい苦しさの中でもがくような混沌とした感じが濃くなり、この世と死後の境目はきっとこんなものなんだと思われてくる。
    物語の中の時間があっちこっちに飛ぶのも、5次元界を感じさせる。

    騙されたような、夢のような、でも納得させられてしまう内容。
    泡のような後味の作品。

  • うーん、内容があたふたしたまま終わった。オチとかってないのかな?推理小説ばかり読んでるから、オチを求めたくなってしまうのだけれど…。これが筒井さんワールドなんだろうか。

  • 久しぶりに筒井長編(中編?)

    普通の小説家と思って読み始めたら、
    だんだんメタな感じになってきて、ついていけるか心配になりましたが、
    メタかと思ったのは、ヘルがそういう世界だったからでした。

    ヘルは、死んだ人が行く世界。
    いわゆる地獄とも違う様子。
    ヘルは夢とつながっていて、時間の感覚がないので、
    時空を簡単に飛び越えて、同時に存在していたりします。
    小さかった子どものころと今が一緒に在る。
    そして、殺した人も殺された人も一緒に存在し、
    恨んだり恨まれたりも薄れているかのよう。

    もうすぐにでもヘルに行っていいと思います。

  • “ヘルとはつまり神や仏の不在のことだから信仰心のない日本人にとっては現世もここもたいして変わらない”が欲望や嫉妬など情念の消えた死後世界。相手を見ていると相手の死んだ理由などが分かってくる。そういう背景を絡めながら昔仲の良かった3人、一人はまだ生きている呆け老人、一人は若くして殺されたヤクザ、一人は幼いとき二人に跛にされた重役、の視点を中心に物語が続く。更に芸能界やらなんやら色々な欲望の蔓延る死ぬ前の世界と、ヘルに来た人たちの対比が面白い。死んだら欲望が消え恐怖も消える、とすると現世はひどいものだ(笑)

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著者プロフィール

筒井康隆……作家、俳優。1934(昭和9)年、大阪市生まれ。同志社大学卒。1960年、弟3人とSF同人誌〈NULL〉を創刊。この雑誌が江戸川乱歩に認められ「お助け」が〈宝石〉に転載される。1965年、処女作品集『東海道戦争』を刊行。1981年、『虚人たち』で泉鏡花文学賞、1987年、『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、1989(平成元)年、「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、1992年、『朝のガスパール』で日本SF大賞をそれぞれ受賞。1997年、パゾリーニ賞受賞。他に『家族八景』『邪眼鳥』『敵』『銀齢の果て』『ダンシング・ヴァニティ』など著書多数。1996年12月、3年3カ月に及んだ断筆を解除。2000年、『わたしのグランパ』で読売文学賞を受賞。

「2024年 『三丁目が戦争です』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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