世界のすべての七月

  • 文藝春秋
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本棚登録 : 304
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (477ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163226903

作品紹介・あらすじ

ヴェトナムに行った男、行かなかった男、裏切った女、裏切られた女、二人の夫を持つ女、待ち続ける男…30年ぶりの同窓会に集う男と女。まだハッピー・エンディングをあきらめたわけじゃない。1969‐2000感動のクロニクル。

感想・レビュー・書評

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  • アメリカのとある大学の1969年度の卒業生が、31年ぶりに級友たちと再開し、過去と現在を交えながら進行する群像劇。
    最初のうちは登場人物の名前と関係がこんがらがり、読み進めるのに苦労したが、波に乗り出すと面白かった。暇つぶしには丁度いい。

    年代は全く違うが、90年代に放送されていたアメリカのドラマ「ビバリーヒルズ青春白書」を思い出した。あのドラマが好きだった人はこの本も好きだと思う。彼らのその後もこんな感じなのだろうな、きっと。



  • ゴツゴツしてなかなか読み進めないが、最後には大きな感動が待っている。彼らはちょうど私より二十ほど歳上。今彼らと同年代で、いま読んでよかった。

  • 38083

  • 訳者の村上春樹さんがあとがきで語っているように、「人々は生き続けるために、燃料としての記憶を切実に必要としている」。そのことが、1969年にとあるアメリカの大学で青春をおくった若者たちが、31年後7月に同窓会にて集い、その各々の物語を交差させ、新たな燃料とすべく、人生を新たに更新させようとする、再生についての慎ましやかな祈りみたいなお話。

  • あくまでも個人的な見方だけど、アメリカ文学らしいハチャメチャっぷり。
    会話文などを通したキャラクターのリアリティーがスゴい。書いている作者の理性じゃない部分、無意識とか理性のゆらぎみたいなとこで書いてる部分と、うまく組み立てて面白くしているところのバランスがとてもいい。
    村上春樹のあとがきでは下手が上手いみたいなこと書いていたけど、確かにカポーティとかと比べて構成の完成度、無駄のなさという意味では下手かもしれないが、この作家はたぶん技術としてそういう揺らぎを使っているので、リアリティーの完成度という意味ではメチャクチャ上手い。というか、すごく面白かった。
    同窓会で出会う50代の男女ら、群像劇。
    諦めの進行度とか戦争や政治に対する感覚とか共感できない部分もあったけど、基本的には経験値が違うだけで同じ人間なんだなぁって思ったし、その経験はリスペクトしたい。

  • 懐かしい

  • 1969年度の大学卒業生が31年ぶりの同窓会で出会う。主要な11人の人物の過去を振りかえり、そして同窓会でのはちゃめちゃな喧騒。いうまでもなく、ベトナム反戦世代であり、卒業後直ぐにベトナムで片足を失った男性デイヴィット。彼を裏切り、その後乳がん手術で胸を失った女性ドロシー。大学の卒業アルバムでトップレス姿を披露し、停学処分になったスプーク。若い女性を妻にもったマーヴ。チアガールとして活躍し、今は女牧師になったが問題を起こしているポーレット。・・・53歳という設定は今の自分の歳と近く、彼らが31年ぶりに会った席で昔の恋愛感情を思い起こし、場合によっては新しく恋愛が始まるという姿も理解できるものがあります。訳者・村上春樹も同世代として共感を覚えたのだと思います。しかしながら、理想に燃えた1969年の情熱と肉体の美しさを失い、醜悪とさえもいえる愚にもつかない会話に励む彼らの姿は私たちへの何とも言えない皮肉とも感じられるものがあります。1969年はアポロ11号月着陸、ニクソン大統領就任、万年最下位NYメッツのミラクル初優勝など、昨日のように思い出す、私にとっても印象的な年です。村上龍の原作に基づく「69年」が映画化され、ヒットが見込まれるとのこと。イラク戦争による米国の世論分裂が35年前に似ているからなのでしょう。

  • 村上春樹訳なので
    読みにくいってことはないだろうと思って105円で買った本

    読みにくい
    なんだろう文化の違いだろうか
    そんないかにもセリフっぽいこと言わないだろー
    いやでもアメリカ人は言うのか????
    そんなことばかり考えて
    おっそろしく読むのに時間がかかった

    久しぶりの同窓会で
    あっちこっちで浮気したり不倫したりする話
    あっちでも!こっちでも!
    人それぞれ人生いろいろなんだからーって話にも見えるけど
    あっちでも!こっちでも!
    それを寛大な心で紆余曲折あるわよねぇって思えなかった
    うんざりするので4分の3くらい読んだところから
    斜め読みしてしまった

    つまんなかったけど
    最後まで読んだので星は2つ

  • オブライエンの短編で書いたものを長編にまとめ直したもの
    村上春樹訳らしい文章がちらほらあった。

  • 50歳を過ぎたあなた、必読です。
    みんなじたばたしています。

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著者プロフィール

(Tim O'Brien)1946年ミネソタ州生まれ。マカレスター大学政治学部卒業後、1969年から1年間ベトナムで従軍。除隊後ハーヴァード大学大学院博士課程で政治学を学び、1973年に自らの体験をもとにしたノンフィクション『僕が戦場で死んだら』(中野圭二訳、白水社)を出版。『カチアートを追跡して』(生井英考訳、国書刊行会)で1979年に全米図書賞を受賞した。他の著書に、『ニュークリア・エイジ』(1985年)、『本当の戦争の話をしよう』(1990年)、『世界のすべての七月』(2002年、以上村上春樹訳、文春文庫)、『失踪』(1994年、坂口緑訳、学習研究社)などがある。

「2023年 『戦争に行った父から、愛する息子たちへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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