- 本 ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163227405
感想・レビュー・書評
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昔から「富士山」とか「東京タワー」って、見えるとそれだけでうれしくなる自分がいる・・・
きっと多くの人が富士山に救われているんだろうなって思えるし、
遠い昔から、未来へと時代が変わってもそれは変わらないのだろう・・・
本書には、そんな富士山をモチーフとした4つの短編が収められています。
是非、ご覧あれ♪詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
富士山が登場する4つの話で構成されている。どの話でも富士山は、主人公を見つめ、考えさせる。主人公は皆、幸せな境遇にあるわけではない。自分という人間を評価出来ず、もがき苦しんでいる。富士山は、そんな主人公のありのままの姿を受け入れ、希望を与える…。
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ユニークな作家だと思う。
同時に人の心にきちんと向き合おうとしてる人だと思う。
富士山は彼女らしいカラーが上手く出た作品。短編集だけど読み応えあり。 -
富士山をモチーフにした4編。田口ランディさんて体のこと描くのがすごく上手で、苦しいシーンなんてホントにこっちまで苦しくなる。田口さんにかかると感情も臓器の一つなのだなと思う。富士山はどんな人のどんな苦しみも飲み込んで、いつもそこにあるってのがいいね。
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元オウム信者のコンビニ店員の話「青い峰」、中学卒業の記念に樹海に入り自殺志願者と出会ってしまう3人の話「樹海」、役場の青年とゴミ屋敷の老婆の話「ジャミラ」、堕胎手術に嫌気が差したナースがほかの女性達と富士登山する話「ひかりの子」。2010/5/28 読了。
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タイトルと言い装丁といい内容といい全部好き。
「あとがき」もグッときた。
ランディ女史の作品の中では,今のところMy Best 1。 -
後書きより
テロリストが日本を狙うとして、一番日本人が嫌がる場所は?
富士山。
その後書きが面白かった。
本章を読んだから面白かったという繋がりもお忘れなく。 -
富士山、をモチーフにした中編4篇。
田口氏の主人公は物質的には恵まれてはいるが、どこかしら情緒的に殺伐とした家庭で育ったため、空虚感を抱えた人物が多く、そのため自分にとっての「真実」を追い求めて、新興宗教やオカルトにはまるもしくは、親近感を覚える人間が多い気がする。
この富士山も、樹海の話や、遠目は美しいが、近しくするとマグマを抱えた凶暴さを露呈するなど、いくつかのフェイズがクローズアップされている。
第一話のコンビニの話で、でてくるオーナーが著名な占星術の松村潔氏がモデルと聞いたので、読んでみた。
占星術師というと、寡黙で浮世離れしたイメージだったけど、作中ではどちらかというと現世的で
人の話をあんまり聞いていない(笑)だったので意外だった。 -
富士山は、日本人の心の原風景。生と死を孕んだ、ときに怖いほど美しく、巨大な富士山は、どこから見ても、どんな瞬間に見ても、人をハッとさせるんだなぁ。そんなことがしみじみわかる短編集でした。
著者プロフィール
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