坂の上の雲 <新装版> 1

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (449ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163228105

感想・レビュー・書評

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  •  本書は、記憶に残る中で人生で初めて読んだ小説であり、その後の人生に大きな影響を受けた。数十年ぶりに再読したが、その後色々な本を読んで人生経験を重ねても、初めて読んだ当時の新鮮さやしっかりとした物語は一切褪せていないと感じられた。歴史の部分から見ても、日本が必死に西洋化を志す過程やなんとか西洋化していく状況が客観的かつリアルに描かれている。何度読んでも最高の一冊と思える。

  • ぞなもし、を使いたいお話し

  • 印象に残った箇所については、以下のとおり。

    【P36】春や昔
    好古は辞めてしまおうと思ったが、国を出るとき父からいわれたことを思いだした。
    「世間にはいろんな人間がいる。笑って腹中に呑みくだすほかない」
    呑みくだす気にはなれなかったが、珍物として敬遠しようとおもった。

    【P83】真之
    「人は生計の道を講ずることにまず思案すべきである。一家を養い得てはじめて一郷と国家のためにつくす」という思想は終生かわらなかった。

    【P114】真之
    男にとって必要なのは、「若いころにはなにをしようかということであり、老いては何をしたかということである」というこのたったひとことだけを人生の目的としていた。

    【P169】七変人
    「おれはな」
    と、真之はいった。
    「升さんとおなじで、うまれたからには日本一になりたい」
    「たれでもだ」
    と、子規はいった。それが国家草創期におけるえらばれた青年たちの共通のねがいであろう

    【P446】あとがき
    たえずあたまにおいているばく然とした主題は日本人とはなにかということであり、それも、この作品の登場人物たちがおかれている条件下で考えてみたかったのである。

    【P449】あとがき
    楽天家たちは、そのような時代人としての体質で、前をのみ見つめながらあるく。のぼってゆく坂の上の青い天にもし一朶(いちだ)の白い雲がかがやいているとすれば、それのみをみつめて坂をのぼってゆくであろう。

  • [評価]
    ★★★★★ 星5つ

    [感想]
    何年か前にNHKの特別ドラマとして放送された「坂の上の雲」をいまさら読み始めた。
    以前は司馬史観というものが気に入らず司馬遼太郎作品を読むことを避けていたのだけど、様々な書籍を読むうちに史観というものが個人の歴史に対する思想であると理解し、作品の面白さと分けることができるようになったので読み始めてみた。
    流石に多くの人が絶賛し、多くの映像化もされている作品だけあって面白かった。また、明治日本の勢いと小国であることの懸命さがよく分かる内容になっていた。

  • 久しぶりに司馬遼太郎の本を読んでみた。坂の上の雲は家にもずっと置いてあったし、読んだ知り合いの評価がすごく高かったから期待して読んでみたんだけど、第一巻読むのにそもそも結構時間がかかって、これ六巻まであると思うとめちゃしんどいっていうのが最初の感想(笑)
    時代背景としては明治維新後の話で、ちょうど第一巻は日清戦争くらいで終わった。主人公の秋山好古と秋山真之の二人は全く知らなかったけど、ゆくゆくに書かれている日露戦争ではかなりの重要なポジションにいる人物らしく非常に楽しみ。兄の好古は陸軍、弟の真之は海軍に所属しているんだけど、まだ第一巻だとそこまでは活躍はしていない。この兄弟は今でいう愛媛県松山市出身なんだけど、弟の真之の同期にあの正岡子規がいて(そもそもこの二人めっちゃ仲が良いけど)正岡子規の話もかなり書かれている。第一巻は正岡子規の話がかなり書かれていて、正岡子規ってなんかかわいいなって思った(笑)また、正岡子規も秋山真之も東大予備門(今でいう東京大学)に通っていたけど、その二人の同期に夏目漱石もいてすごい時代だなと思う。教科書や過去の文学の人たちがこの本の中では躍動していて(まぁ歴史小説なんだから当たり前なんだけど)すごく新鮮というかこういう人たちなんだ~ってわかって楽しい。特に歴史小説よりも文学が好きな私としては司馬遼太郎の本にこういった過去の文学者が出てくるのは内容のおもしろさ+αだからよりおもしろく感じる。この本読んでると明治時代の頭の良い少年たちはみんな国のことを踏まえて将来のことを考えていてえらいなと思う。
    とりあえずまだ第一巻なので、しんどいけどあと五巻読んでしまおう。続き気になるし。

  • 再読のため、探すの面倒だから図書館で借り出し。さすがに痛んだ本。

  • この本はいろいろな人の角度から急速に近代化を遂げる日本を見ている。とても考えさせる話。
    日本人とは何か、それは一度外に目を向けなければ考えられないことだと感じた。
    メインの3人はそれぞれの青春を謳歌して自分に向き合い選択と集中をくりかえしている。
    天才と呼ばれている偉人たちは実は私たちと同じであるという当たり前のことを気付かされたと思う。
    戦争は本編は日清戦争で終わっている。これから時代が目まぐるしく変わる中、一生懸命に生きている彼らをもっとみたいと思った。

  • 序盤は少し退屈した。この時代の人は本当に国と自分のために、一生懸命勉強したのだなと思う。正岡子規は彼の作品からイメージしていた人物像と違っていて興味深かった。

  • 日本が最も熱かった時代、明治。先進国に追いつけ追い越せという風潮の中で経験した日清、日露という二つの戦争。中でも日露戦争について同時代を生きた2人の軍人の兄弟と1人の俳人の人生を通じて同時代を鮮やかに描き出す。言わずと知れた司馬遼太郎の代表作。詳細→http://takeshi3017.chu.jp/file7/naiyou23903.html

  • 明治維新後の高揚感が伝わった。
    みんながオススメする理由が、なんとなくわかった。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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