- 本 ・本 (376ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163228204
感想・レビュー・書評
-
帝国主義真っ盛りの19世紀の世界観がリアルである。最初に読んだ時は若年のため、19世紀の当事国目線でしか物語が見えなかったが、歳を重ね知識や経験値が増えたことで、歴史が現在につながることや、その国の現在の価値観がどのように紡がれてきたのかを考えながら読み進められる良書に思えた。特に貧窮する国力において、知恵と展望を極めて合理的に導き出して、僅かな辛勝を得た日露戦争の体験が、後の昭和期の滅亡につながるという皮肉を感じられた。
時代に適応した特性の民族が、その時代の主役になり得るという本書の視点から、維新から明治にかけての日本の勃興を噛み砕いて納得出来た。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
みんな優秀なお話し
-
正岡子規の俳句、文学を通した日本の思想、ロシア、欧米と中国、朝鮮半島の領地を巡る外交施策、その中で近代化を目指す日本。中々読みにくいが、明治維新後、帝国主義に至る日本がよくわかる
-
日本が最も熱かった時代、明治。先進国に追いつけ追い越せという風潮の中で経験した日清、日露という二つの戦争。中でも日露戦争について同時代を生きた2人の軍人の兄弟と1人の俳人の人生を通じて同時代を鮮やかに描き出す。言わずと知れた司馬遼太郎の代表作。詳細→http://takeshi3017.chu.jp/file7/naiyou23903.html
-
[評価]
★★★★★ 星5つ
[感想]
日清戦争には勝利できた日本だけど、ヨーロッパやアメリカと比較すると日本がまだまだ遅れているとよく感じさせる内容だった。また、それゆえにロシアの南下に対し、大きな危機感を感じる日本というものがよく分かる内容だった。
それに加え、正岡子規がこうも早くになくなってしまうとは思わなかった。若くしてなくなったことは知っていたんだけど30代でなくなっていたんだね。この人が存在しなかったら今の日本に俳句というものがなかったと思うと色々と思うことがあるよ。
次巻辺りはロシアと戦争状態になるのだろうけど、今巻では日本が必死にロシアとの戦争を避け、国際社会で日本が戦争を回避しようとしていることを訴え、ギリギリまで粘り続けていることが印象にのこったな。後の太平洋戦争へといたる流れをしっていると本当に同じ日本なのだろうかと強く感じたよ。 -
男にとって必要なのは、若い頃には何をしようかということであり、老いては何をしたかということである。秋山好古
質問の本意も聞かすにべんじたてるのは、政治家か学者の癖だ。軍人は違う。軍人は敵を相手の仕事だから、敵についてその本心、気持ち、こちらに求めようとすることなどを明らかにしてから答える、そういう癖を平素から身につけておかねば、いざ戦場に臨んだとき、一般論の虜になったり、独善に陥り、負けてしまう。秋山好古
子規はひとよりも倍の速度で成長していたし、それだけにかわりかたも激しかった。そこへゆくとあまり代わり映えせぬ真之からみれば、どうも軽率なような感じもしたし、同時に一個の多彩な光体を眺めているような眩さも感じた、
俳句はよみあげられたときに決定的に情景が出てこなければならない。つまり、絵画的でなければならず、さらにいうなれば写生でなければならない。正岡子規は -
日露戦争開戦までの動き。子規が死んだ…。
人々のなんと勉強家なこと。自分が情けなくなり。 -
面白い!
著者プロフィール
司馬遼太郎の作品





