- 本 ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163228709
感想・レビュー・書評
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シリーズ2作目。今回も笑った!
精神科に程だからなかなか深刻な状況なはずなのに、伊良部先生のぶっ飛んだ対応で、全部の症例が面白くなってしまう。
ヅラの話が特に面白かった。 -
伊良部先生とマユミちゃんのコンビにどハマり。なんだかんだユル〜い感じで、きちんとそれぞれの悩みを解決していくところが素敵です(´∀`*)
疲れた心が癒されました〜 -
どうしよう 前巻では、あまりのくだらなさにもう途中でやめようかと思ったくらいだが、だんだん伊良部一郎の不思議な魅力に取り憑かれてしまったようだ
伊良部一郎=俳優の六角精児さんのイメージが浮かんだが、俳優の田口浩正さんの方がもっとぴったりくる
今回は、空中ブランコでジャンプできなくなったサーカス団員や尖端恐怖症のヤクザ、コントロールが決まらなくなったプロ野球選手等々が患者として伊良部総合病院精神科を訪ねる
それぞれの患者の症状が申し訳ないけど、面白すぎて笑いが止まらない
治療にかこつけて、からかって一緒に遊んでいるとしか見えないのに、不思議と伊良部先生を訪ねた患者は二度三度と通う
そして、伊良部先生と遊んでいるうちに、病気を克服していくのだ
やっていることと言ったら、患者にねだって空中ブランコを体験したり、夜中に歩道橋の地名をちょこっと書き換えたり、プロ野球選手相手にキャッチボールやバッティング練習をしているだけなのに・・・
素晴らしい名医なのかも??
前巻にも増して、バージョンアップした面白さに梅雨空のうっとおしさも吹き飛んでしまった
迷いなく、第三巻へ!
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それぞれがいろんなことを抱えている。
伊良部総合病院で診てもらうと最後に、ふっと軽くなっている。
軽くなる理由ははっきり書かれない。けど、しんどい時って、誰かの一言が自分の中にすっと入ってきて、いつの間にかしんどさを忘れてることってある。そういうことなんだろうな。 -
「平成」の30年間に直木賞を受賞した作品を図書館にて展示してみよう、という企画に際して久しぶりに読み返しました。
主人公は伊良部総合病院の神経科で精神科医を務める伊良部一郎。でっぷりと太った体形と、子どものような言動で周囲を巻き込み、ふりまわします。患者は、伊良部医師の気ままな言動に右往左往しながらも、彼ら自身が抱える悩みを解決するきっかけを見つけたり、新たな希望を見つけたりする、という展開の短編集です。
まるで5歳児のように自分勝手な伊良部医師の講堂はユーモラスでほほえましいですし(実際にそばにいたら付き合うのは大変そうですが)、看護婦のマユミさんのキャラもしっかりとしていて読んでいてあきません。
それぞれの患者が抱える悩みの根っこにある「弱さ」は、多かれ少なかれ現代人が抱えているものだと思いますし、それを文字通り笑い飛ばすようにして解決してゆく伊良部医師のことばには、多くの人が救われるのではないでしょうか。
「町長選挙」「イン・ザ・プール」といったシリーズ作品もあり、あわせておすすめしたい1冊です。 -
稚気に富む神経科医の伊良部って、実のところ脇役なんかなぁ。偶然に彼のところを訪れた悩める患者たちが主役で、もちろんいくらかは治療の効用もあるのだけれど、基本的には周りの仲間たちの支えと時間とがクスリになって病を克服していく物語でしょ。伊良部が天然なのか計算尽くなのかは知れないけれど、尋常でない振る舞いがおもしろいと受容できるかどうか。あまりに現実と乖離していてきついか。患者の設定が富んでいるのが魅力で、小説で読ませるより脚本にして観せた方がいいのかも。田舎の公務員を患者に仕立ててストーリーを考えてみるが、どんな病の設定がおもしろいやら、なかなか思いつかない。
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10年以上の時を経ての再読。登場人物たちの年齢から推し測るに、恐らく私の現在の年齢と著者が記した年齢がかなり近付いたのだろう。コメディなのだが噛めば噛むほど味わい深い。コミカルなストーリーも楽しいが、救いのあるラストが待ち遠しくもある。再読して良かった。短編集。
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性格っていうのは既得権だからね。
あいつならしょうがないかって思われれば勝ちなわけ
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著者プロフィール
奥田英朗の作品






ほんと確信犯ですよね。よく捕まらない。捕まってほしくないっ。
マユミちゃんも本を読む方みたいで、...
ほんと確信犯ですよね。よく捕まらない。捕まってほしくないっ。
マユミちゃんも本を読む方みたいで、少しイメージが変わりました!
次作も楽しみです。でも今日図書館になかったの〜。早く返して〜〜(人>_<)꜆꜄