空中ブランコ

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 6298
レビュー : 1225
  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163228709

感想・レビュー・書評

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  • 伊良部先生のファンになりました。
    マユミさんも最高です。
    イン・ザ・プールも、早く読まなきゃです。

  • 色々な精神ストレスがあり、面白い

  • 伊良部総合病院の神経科に訪れるのは、サーカス団員やヤクザの若頭、プロ野球選手などなど。
    クセの強い患者たちと伊良部先生の交流の話。

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    どの話もすごく面白かった。
    そのなかから自分も経験したことのある”イップス”に苦しむ野球選手の話、『ホットコーナー』について。

    今まで無意識にやっていた動作(ボールを投げる、バットを振るなど)が突然うまくできなくなってしまうこと。それがイップス。

    自分はバスケットを小さいころからやっているが、フリースローを打つときに利き手ではない左手の動きがおかしくなってしまった。漫画『スラムダンク』の名台詞にもあるようにシュートを打つときは、”左手は添えるだけ”でいいのだが、自分の意思とは関係なく左手に力が入ってしまうようになったのだ。

    幸い自分の場合は、左手を添えずにシュートすることで、不自然だけどまあまあ支障はなくこなせていたとは思う。
    周囲はイップスを理解していなかったので笑われたりすることも多くて、わりと辛い経験だった。自分もイップスのことは経験するまで知らなかったし、しょうがないといえばしょうがないとは思う。でも、失敗を笑われるのって当事者にはすごくきつい。

    プロ選手であればイップスは選手生命に関わる問題だ。
    それでもやっぱり伊良部先生はおかまいなし。自分のやりたいようにキャッチボールをお願いしたり、草野球に連れだしたりする。
    勝手なことをしているのにいつのまにか患者自身が問題解決の糸口をつかんでしまう、伊良部先生の患者との交流スタイルは最高。
    イラストを描いて才能発揮したり、小説を読んで感動するマユミさんはもっと最高。

  • 「平成」の30年間に直木賞を受賞した作品を図書館にて展示してみよう、という企画に際して久しぶりに読み返しました。

    主人公は伊良部総合病院の神経科で精神科医を務める伊良部一郎。でっぷりと太った体形と、子どものような言動で周囲を巻き込み、ふりまわします。患者は、伊良部医師の気ままな言動に右往左往しながらも、彼ら自身が抱える悩みを解決するきっかけを見つけたり、新たな希望を見つけたりする、という展開の短編集です。
    まるで5歳児のように自分勝手な伊良部医師の講堂はユーモラスでほほえましいですし(実際にそばにいたら付き合うのは大変そうですが)、看護婦のマユミさんのキャラもしっかりとしていて読んでいてあきません。

    それぞれの患者が抱える悩みの根っこにある「弱さ」は、多かれ少なかれ現代人が抱えているものだと思いますし、それを文字通り笑い飛ばすようにして解決してゆく伊良部医師のことばには、多くの人が救われるのではないでしょうか。

    「町長選挙」「イン・ザ・プール」といったシリーズ作品もあり、あわせておすすめしたい1冊です。

  • 能天気な医師にすがると、私も沢山の荒療治をしてもらえるのだろうか?一人一人の治療を少し覗き見すると、患者の悩みがスルスルと解きほぐされていきます。
    表紙は悪魔のような絵ですが、中身はほんわかです。読み終わったとき鳥肌が立ちました。おススメです。

  • 稚気に富む神経科医の伊良部って、実のところ脇役なんかなぁ。偶然に彼のところを訪れた悩める患者たちが主役で、もちろんいくらかは治療の効用もあるのだけれど、基本的には周りの仲間たちの支えと時間とがクスリになって病を克服していく物語でしょ。伊良部が天然なのか計算尽くなのかは知れないけれど、尋常でない振る舞いがおもしろいと受容できるかどうか。あまりに現実と乖離していてきついか。患者の設定が富んでいるのが魅力で、小説で読ませるより脚本にして観せた方がいいのかも。田舎の公務員を患者に仕立ててストーリーを考えてみるが、どんな病の設定がおもしろいやら、なかなか思いつかない。

  • 直木賞受賞作品。

    精神科医 伊良部医師シリーズの第2弾。

    強迫神経症、イップスなどちょっと変わった精神疾患で困った登場人物が、奇想天外の医師・伊良部の元へ訪ねていく。

    が、注射に興奮する伊良部医師は有無を言わせず注射をし、荒治療を施していく。

    でもそれがまんざら本質を捉えていないわけではなく、最初はとまどっていた患者も骨抜きにされ、段々と自分自身を取り戻していく。

    ヤクザが先端恐怖症になった話などは面白かったです。

    他の伊良部シリーズも読んでみたくなりました。

  • 伊良部先生のパワーはすごいな〜。こんな精神科医がいたら楽しいな〜。

  • 精神科医・伊良部一郎シリーズにして直木賞受賞作.短編5編.女流作家が秀逸.

  • 伊良部一郎・・・
    この男、泣く子も黙るトンデモ精神科医か、はたまた病める者は癒やされる名医か!?

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2019年 『ヴァラエティ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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