空中ブランコ

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163228709

感想・レビュー・書評

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  • 第2弾も面白かった。
    色んな悩み、病名があるものだ。
    患者が衝動的にやりたくなることに、「じゃあ、今夜やろうか」「大丈夫。捕まらないって」と楽しくなっちゃう伊良部先生。
    カウンセリングなんか効かないよと、行動療法推しの先生なんだな。
    伊良部はどんなハチャメチャなことでも有言実行するから、読者としてはスカッとするし、痛快!

    それがちょっと楽しそうなのよ…伊良部先生が一緒ならちょっとやってみたい…って思う人もいたりして。
    落書き(……私はやりません^^;)
    人にイタズラ(……そんなこと絶対にしません)

    作中に出てくる、“奥山英太郎”という売れない偏屈な作家さんって、奥田先生ご本人のもじり!?w

    • なおなおさん
      ポプラ並木さん、私も伊良部先生が好きです。
      ほんと確信犯ですよね。よく捕まらない。捕まってほしくないっ。
      マユミちゃんも本を読む方みたいで、...
      ポプラ並木さん、私も伊良部先生が好きです。
      ほんと確信犯ですよね。よく捕まらない。捕まってほしくないっ。
      マユミちゃんも本を読む方みたいで、少しイメージが変わりました!
      次作も楽しみです。でも今日図書館になかったの〜。早く返して〜〜(人>_<)꜆꜄
      2023/11/04
    • ポプラ並木さん
      なおなおさん、早く読めますように!!
      なおなおさん、早く読めますように!!
      2023/11/05
    • ポプラ並木さん
      なおなおさん、早く読めますように!!
      なおなおさん、早く読めますように!!
      2023/11/05
  • どうしよう 前巻では、あまりのくだらなさにもう途中でやめようかと思ったくらいだが、だんだん伊良部一郎の不思議な魅力に取り憑かれてしまったようだ

    伊良部一郎=俳優の六角精児さんのイメージが浮かんだが、俳優の田口浩正さんの方がもっとぴったりくる

    今回は、空中ブランコでジャンプできなくなったサーカス団員や尖端恐怖症のヤクザ、コントロールが決まらなくなったプロ野球選手等々が患者として伊良部総合病院精神科を訪ねる

    それぞれの患者の症状が申し訳ないけど、面白すぎて笑いが止まらない

    治療にかこつけて、からかって一緒に遊んでいるとしか見えないのに、不思議と伊良部先生を訪ねた患者は二度三度と通う
    そして、伊良部先生と遊んでいるうちに、病気を克服していくのだ

    やっていることと言ったら、患者にねだって空中ブランコを体験したり、夜中に歩道橋の地名をちょこっと書き換えたり、プロ野球選手相手にキャッチボールやバッティング練習をしているだけなのに・・・

    素晴らしい名医なのかも??

    前巻にも増して、バージョンアップした面白さに梅雨空のうっとおしさも吹き飛んでしまった
    迷いなく、第三巻へ!


  • 「イン ザ プール」に続く伊良部先生シリーズ第2弾。
    こちらは直木賞作です。
    とても とても馬鹿らしい話の連続。
    でも、読み終えると小さなことで悩むことが馬鹿らしくなってきます。
    とても元気の出る本でした。

  • それぞれがいろんなことを抱えている。
    伊良部総合病院で診てもらうと最後に、ふっと軽くなっている。
    軽くなる理由ははっきり書かれない。けど、しんどい時って、誰かの一言が自分の中にすっと入ってきて、いつの間にかしんどさを忘れてることってある。そういうことなんだろうな。

  • 「平成」の30年間に直木賞を受賞した作品を図書館にて展示してみよう、という企画に際して久しぶりに読み返しました。

    主人公は伊良部総合病院の神経科で精神科医を務める伊良部一郎。でっぷりと太った体形と、子どものような言動で周囲を巻き込み、ふりまわします。患者は、伊良部医師の気ままな言動に右往左往しながらも、彼ら自身が抱える悩みを解決するきっかけを見つけたり、新たな希望を見つけたりする、という展開の短編集です。
    まるで5歳児のように自分勝手な伊良部医師の講堂はユーモラスでほほえましいですし(実際にそばにいたら付き合うのは大変そうですが)、看護婦のマユミさんのキャラもしっかりとしていて読んでいてあきません。

    それぞれの患者が抱える悩みの根っこにある「弱さ」は、多かれ少なかれ現代人が抱えているものだと思いますし、それを文字通り笑い飛ばすようにして解決してゆく伊良部医師のことばには、多くの人が救われるのではないでしょうか。

    「町長選挙」「イン・ザ・プール」といったシリーズ作品もあり、あわせておすすめしたい1冊です。

  • 性格っていうのは既得権だからね。
    あいつならしょうがないかって思われれば勝ちなわけ

    この文章が1番好き

  • 色々な精神ストレスがあり、面白い

  • 稚気に富む神経科医の伊良部って、実のところ脇役なんかなぁ。偶然に彼のところを訪れた悩める患者たちが主役で、もちろんいくらかは治療の効用もあるのだけれど、基本的には周りの仲間たちの支えと時間とがクスリになって病を克服していく物語でしょ。伊良部が天然なのか計算尽くなのかは知れないけれど、尋常でない振る舞いがおもしろいと受容できるかどうか。あまりに現実と乖離していてきついか。患者の設定が富んでいるのが魅力で、小説で読ませるより脚本にして観せた方がいいのかも。田舎の公務員を患者に仕立ててストーリーを考えてみるが、どんな病の設定がおもしろいやら、なかなか思いつかない。

  • あははっ。
    ニヤケながら読み終えました。
    伊良部先生健在だわ!

    今回、「空中ブランコ」「ハリネズミ」「義父のヅラ」「ホットコーナー」
    「女流作家」の5本立て。
    登場人物たちはそれぞれ本気で悩んで精神を病んでいるんだけど
    伊良部先生にかかると、 どこか滑稽で笑えてしまう。
    「義父のヅラ」は、正直かなりニヤケながら読んでしもた。
    だって、確かにやりたいもの。やってしまいたいもの(笑)

    「女流作家」はちょっと、自分の体験と重なるものもあったりして
    身につまされるね。
    表現をするっていうのは、なかなか難しい。
    伝えようと思ったこととは違うことが受け取られてしまったり。
    伝えたいことと、受け手の知りたいことのギャップだったり。
    損得勘定中心で動いている世の中への憤りだったりね。

    しかし、伊良部先生最強だわ。
    次回作も楽しみです♪

  • イン・ザ・プールほどではないけど、楽しめました。

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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