雨の日のイルカたちは

著者 :
  • 文藝春秋
3.00
  • (6)
  • (21)
  • (160)
  • (13)
  • (10)
本棚登録 : 361
感想 : 46
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163228808

作品紹介・あらすじ

信じられるものを失ってしまった心。私たちに再生の途はあるのだろうか。突然死した最愛の夫には別に愛する人がいた-。深い喪失感を抱えて生きる人たちを祈りにも似た言葉で描く四篇の物語。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 前に一度読んだけれど、また読み返したくなった「雨の日のイルカたちは」。この表紙いいなあ。朝焼けかな?

    9.11事件でリンクしている短編小説集。断片的に別の物語の登場人物が絡んでくるから面白い。一貫して感じられるテーマは「生の質」といったところでしょうか。物語によってカタチは違えど。死んだように生きている人とかよくいうあれです。これは何度も読み込んでいくうちに面白くなっていく本だと思う。畳みに寝転がって読む本じゃない。未だに意味不明な箇所もあるし。古本で安かったら買っちゃうかも。

    「人生というのは、本質的に人間を小馬鹿にしているようなところがあるな」

  • 短編集でした。一番印象に残ったのが、過労死で夫が死んだことで人生が変わった妻の話かな。浮気相手が出てきたり子どもたちが健気に支えてくれようとしたりが感動的だった。

  • 『雨の日のイルカたちは』
    片山恭一
    2004年 文藝春秋

    片山恭一さんの作品は久しぶりに読みました。
    『世界の中心で、愛をさけぶ』の大ヒット、社会現象にのっかった僕です。
    でもそれから片山恭一さんの作品は5、6冊は買ったかな。
    こちらはまだ読んでいなかった作品だったので。
    タイトルと装丁でまずは惹かれたかな。
    読んでみると想像とはまったく違って死と生、死を通しての生の意味を問う作品でした。
    最初は難しいし、僕のテンションとも合ってなかったなと思ったけど、結局読みやめられずに一気に読了まで。
    短編集だけど、主人公や設定、テーマがつながっていて。
    なかなか読み応えのある、そして考えさせられる作品でした。

    #片山恭一
    #雨の日のイルカたち

  • 文体が好きだった
    言葉の使い方とか
    同じ作者の作品をまた読んで分析できるくらいになりたい

  • 気持ちが落ちている時によく生きる意味だとか自分が生きる価値はあるのかだとかをよく考えるけど、その問に対しての1つの答えになってくれそうな本だった。
    特に「雨の日のイルカたちは」「彼らは生き、われわれは死んでいる」が好き。
    「百万語の言葉よりも」はいきなりオカルトチックになって微妙だったけど。

  • やっすい魚肉ソーセージみたいな一冊。添加物まみれの自己満足を中にぎゅーっと詰め込んで、最後にキュッと栓をしたような…ちょっと胃がもたれる。

    報われない人が報われないまま終わるやるせなさを最後までずるずる引きずって、何らかのメッセージを無理やり受信しろって20-30代の女性読者層に強制させているような本。別にいいんだけど作者の自分自身への思い上がりを感じる。

  • 4つの短編からなる話。

    生と死がテーマ。

    誕生し、若者の苦悩、老いていく怖さ、死んでもまだ存在している。

    どの話もリンクしあっているように、
    生と死もリンクしている。

  • 3・11の地震でもそうだし、9・11をきっかけに、人生への思いが変わった人はたくさんいると思う。
    生と死について、それほど深くつきつめて考えたことはなかったけれど、どの主人公の話もひとごとではないような気持ちになった。
    特に最後の話『百万語の言葉よりも』は、すごくつらい別れを経験した時に、もう一度読みたいと思った。

  • アメリカ同時多発テロ時間軸の中心とし繰り広げられる4つの物語 特に印象的だったものはラグビー団体に所属しながら介護の仕事をする青年の話 その人の考え方を通じて、同時多発テロの実行犯は自分の命を失ってまでも、なにを訴えようとしたのか そんなことを考えます 読み進めて行く内に暗い気持ちになったりもしますが、とても引き込まれます

  • 6年ぶりくらいに読んだ
    余韻が多い

    はなちゃんが好きなのとラグビーの男の子の話がよい 生きることと向き合っている?向き合おうとしている、 

    ところ狭し並ぶ自問自答、と日々がやや入ってきて、薄い色調の小説

全46件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

昭和34年(1959年)愛媛県宇和島市に生まれる。愛媛県立宇和島東高等学校卒業。1977年九州大学農学部に入学。専攻は農業経済学。1981年同大学卒業、大学院に進む。1986年「気配」にて『文学界』新人賞受賞。1995年、『きみの知らないところで世界は動く』を刊行。はじめての単行本にあたる。2001年『世界の中心で、愛をさけぶ』を刊行。その後、ベストセラーとなる。近著に『世界の中心でAIをさけぶ』(新潮新書)、『世界が僕らを嫌っても』(河出書房新社)などがある。福岡市在住。

「2024年 『含羞の画家オチ・オサム—美術集団「九州派」の先駆者—』 で使われていた紹介文から引用しています。」

片山恭一の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×