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本 ・本 (424ページ) / ISBN・EAN: 9784163229003
感想・レビュー・書評
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極貧国家の明治日本が戦略戦術だけでなく、外交謀略の限りを尽くして辛くも辛勝した日露戦争までの準備から開戦と、薄氷を踏むような戦闘経過が具体的に記述されており、描写が小説の粋を超えてリアルに感じられた。
知謀の限りを尽くして合理的な戦略をとった明治日本は、非合理な昭和期の日本と全く異なる体質であったものの、日露戦争の辛勝が後の太平洋戦争につながる第一歩となったとするいわゆる司馬史観をもろに感じられた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
死んでしまうお話し
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日露戦争の様子をここまで緻密に調査できることがすごい。特に人物像や心情までも。
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日本が最も熱かった時代、明治。先進国に追いつけ追い越せという風潮の中で経験した日清、日露という二つの戦争。中でも日露戦争について同時代を生きた2人の軍人の兄弟と1人の俳人の人生を通じて同時代を鮮やかに描き出す。言わずと知れた司馬遼太郎の代表作。詳細→http://takeshi3017.chu.jp/file7/naiyou23903.html
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[評価]
★★★★☆ 星4つ
[感想]
日本とロシアの戦力差がよく分かる内容となっていた。
日本は常に崖っぷちで会戦で一度でも敗北すれば、朝鮮半島どころか日本本土までもがロシアに支配されてしまうかもしれないという非痛感をひしひしと感じる内容となっていた。
一方でロシアは崖っぷちの日本に押されているにも関わらず余裕がある印象がある。
旅順の戦況は2巻と変わらず、戦前に要塞攻撃に対する研究が少しでも行われていればという思いが強くなる内容だった。それにしてもロシアの火砲主義に苦しめられながらも後の日本陸軍に反映されなかったのは日露戦争に勝利したことに加え、生産が大量にできないという事情が絡んでくるんだろうね。 -
日露戦争をまるで生で見ていたかのように、細かく臨場感のある描写で描いています。
面白い! -
日露戦争前編ってかんじかな?
人をなんだと思ってるんだろ。1人のリーダーの小さな判断ミスで何万人の命が失われる。そしてリーダーたちの単純な考えに駒のように従う日本兵たち。戦争ってすごい…
お互い、国に対しての誇りを持つ。国のために死ぬ覚悟。特に徳川の時代からそれが強い日本。
山本が改革した東郷率いる海軍の戦い(黄海海戦など)、保守的な山縣率いる、頑固で無能な乃木のいる陸軍の戦い。
「旅順」という地名は単に地名や言葉というものを超えて明治日本の存亡にかかわる運命的な語感と内容を持つようになった。と書かれているとおり、旅順は本当に凄まじい戦場になった。
これ何巻まであるんだ?6?よくわからない(笑) -
日露戦争がいよいよはじまった。
あちこちで読み違いを生じながらも,
数々の幸運により,なんとかもちこたえる。
上司があほだと部下が死ぬ,という現実。 -
対ロシア戦が始まる。
鉄壁の要塞と呼ばれる旅順の攻略の鍵は旅順を内側から崩壊させ、艦隊を外に出すことである。
しかし陸軍と海軍とでウマが合わずに犠牲だけが増えていく。
同じ軍隊でも陸軍と海軍では随分と雰囲気から考え方まで違うようだ。
陸軍は長州閥(山県有朋)、海軍は薩摩閥(山本 権兵衛)
陸軍は近代戦というものに対する認識が参謀本部に伝わっていない。補給路の確保も弾薬の数に対する認識もまるでめちゃくちゃだ。わずか数分で打ち尽くしてしまう量しか用意できずに効果的な攻撃ができない。
そして参謀本部が勝つのに必要なのは気合いと大和魂だという。これは現場レベルで通じる話であって参謀のいうことではない。
明治という日本にかつてないほどの実力主義社会の中で陸軍のみが保守的な集団となってしまったことにその後の日本の不幸があるのかなと思う。もちろん陸軍と海軍の連携が取れないことも問題だ。山県有朋ってろくでもないなぁなんて思ってしまう。軍隊の参謀と呼ばれる位置にはキレ者がいないとどうにも機能しない。陸軍の悪口みたいになってしまったが、そういう印象を持ちました。
しかし、日露戦争において隠れた活躍者が多数いたことも見逃せない。ほとんど負け戦に近い戦争を一応は戦勝国に持っていった功績は大きいだろう。
封建社会においてお上は絶対という考え方があったからこそ、無茶な命令にも従順であった日本人に関する記述も興味深かった。
著者プロフィール
司馬遼太郎の作品





