ぐるぐるまわるすべり台

  • 文藝春秋 (2004年6月8日発売)
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本棚登録 : 394
感想 : 81
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  • 本 ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163230009

感想・レビュー・書評

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  • 「僕」がバイト先で教えているヨシモクという生徒がいい味出してる。
    この2人の交流の様子が好きだな。
    扱い方が上手で、「僕」の待つ態度は大事だな、と思った。

  • 綿矢りさと金原ひとみが受賞した時の芥川賞の、候補作のひとつ。
    ゆるく気だるくでも繊細で優しいひとたちが作るなんてことない日常の一コマを、丁寧に描いたすてきな作品だと思う。

    「なんてことない日常」を描いた作品を、退屈だと言う人もいる。たしかにそういった作品は、ドラマティックでない、センセーショナルでない、目新しいことがない、あえて読む必要がないものだと、人々の目に映るかもしれない。(吉田修一の『パークライフ』が芥川賞を受賞したときにも、石原慎太郎がそのようなコメントを寄せていたように思う)
    けれど、日常の些細で瑣末で見落としがちなできごとを丁寧に両手で掬って、それをきらきらとした大切なものであるように見せてくれる、その細やかさが好きだ。
    私の生活の中にもそんなふうに隠れたきらきたしたものが潜んでいるような気がしてくるし、それを探すのはひどく幸せな気持ちになるから。

  • しまった、3部作の最後とは…◆「仕事もきっちりやって〜」みたいなセリフはあのとき始まったことのすべて とリンクしてるのかな?ともあれつながってるって言うのはなんかとてもいいです。

  • 「ぐるぐるまわるすべり台」
    辞めたあとの目標は。
    授業についていけなくなると、いくら興味がある分野だとしても続ける気力がなくなるだろうな。

    「月に吠える」
    効率良くするために。
    実現したら人件費を削減できると思うだろうが、欠けては困る人材もいるから選ぶのも大変だろ。

  • 連作中編が2作。どちらも出だしが重めだったけど、波に乗ってからは楽しめた。少し伊坂幸太郎っぽいテイストもあり、好みではありましたが、響きが少なかったので3点。

  • なんともな話
    それが、どうして、なかなか
    言葉の選び方、好きです

  • 2017/3/29読了

    やっぱり、中村さんの物語は読みやすい。

    シンプルで話の筋が通っていて、その上に
    工学や数学の理論、日常の描写なんかをコーティングしているようだ。
    主人公をメインに置くが、主体は会話の中で、別の人物へと移る。
    いわば、主人公を鏡のような役割に充てている、というか。
    今作は、バンドを共通のテーマにしていて、それぞれの生活、それぞれのステージがあって
    きっと混ざることのない人々が本の背骨部分で握手している。


    「ぐるぐるまわるすべり台」
    印象に残ったのは、こんぶ出汁のちくわ
    何故大学を退学したのかとか
    バンドの未来はとか
    そういうのは一切ないけれど、それでいいと思える終わり方「太陽」
    少年ヨシモクの話のようにも思えるし、バンドメンバー(仮)そのものの話ととらえることもできるからだ。
    シンプルな文章で、語られる二場面の話
    するすると読めてよい。


    「月に吠える」
    仕事の中の、きっと退屈なミーティングを全力でやるとこんな感じなのかな。
    派遣の在り方、時間の使い方、教えられているようで、上に支配される労働者のむなしさを感じますわ。
    「ぐるぐるまわるすべり台」よりも前向きで、すさんでいるようだ。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:913.6||N
    資料ID:50400987

  • 人生の危機を迎え、それを乗り越える姿をサラリと描いている。
    まあ、勉学に行き詰まり、脇へ逃げ込んだとも言えるが。

    ヨシモクとバンド仲間の属性が読み手に紹介されてお話しはこれからといった流れなんですが、

    なんか少し物足りない。

  • 爽やか

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著者プロフィール

中村 航:1978年東京都生まれ。2002年日本大学卒業、2005年早稲田大学大学院修了。2011年博士(建築学)取得、Mosaic Design設立。2024年〜チュラロンコン大学INDA講師。2025年〜日本大学理工学部建築学科准教授。屋台から都市計画まで、いろいろな領域・スケールでデザイン・リサーチを行う。

「2025年 『海外・多拠点で働く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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