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本 ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784163230108
感想・レビュー・書評
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不利な条件下での外債発行で最低限の戦費を調達し、軍事、外交、諜報の限りを尽くして国家の総合力を発揮して辛勝を勝ち得る日露戦争において、本巻は特にロシア革命を策動する諜報部分と陸軍の辛勝を重点に描かれている。物語の構成上軍事作戦が中心になるのは当然であるが、諜報や外交など軍事作戦以外が丁寧に描かれており、明治日本がいかに日露戦争を勝ち得たかの全体像を俯瞰できる。
また現代も含めて太平洋戦争やその後の日本の停滞との比較や、日露戦争で辛勝できたことの負の側面が後の歴史に与える影響まで思いを至らせる司馬史観の集大成と思える小説である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本陸軍が辛くもロシア陸軍に辛くも勝利していく様子を克明に描いている。また、バルチック艦隊の士気低下をする様子を描いている。
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再読
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陸軍のあほんだらのお話し
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日本が最も熱かった時代、明治。先進国に追いつけ追い越せという風潮の中で経験した日清、日露という二つの戦争。中でも日露戦争について同時代を生きた2人の軍人の兄弟と1人の俳人の人生を通じて同時代を鮮やかに描き出す。言わずと知れた司馬遼太郎の代表作。詳細→http://takeshi3017.chu.jp/file7/naiyou23903.html
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[評価]
★★★★☆ 星4つ
[感想]
前半は明石元二郎によるロシアでの諜報活動、工作活動についてが書かれている。
まあ、書かれている内容を全て飲み込むのであれば、一人でここまでよく出来たものだと思ったし、日本政府は明石に目が飛び出るような資金をよく提供したものだと思うよ。
後半はウラジオストック艦隊の航海と日本陸軍による奉天会戦だが、バルチック艦隊の航海はただただ悲しくなるだけだった。一方で奉天会戦は綱渡りどころの話ではなく、ただ攻めているだけといった感じだ。主導権を握っていることだけが有利な点だろうか。 -
本人の典型的な気質のひとつとして存在するおべっかを含めたなれなれしさ、というより相手に子猫のようにじゃれさせたいために、つまりは相手の心をこのような形でとりたいために、自分の属する上部高層の無知、臆病もいあものを卑屈な笑顔でぶちまけてしまうという心理あり。
日本人は情景が劇的であればあるほど、その主観的な要素を内部にしまいこんでしまうところがあり、東郷平八郎のこの光景は能に似ていた。
戦争というのは過ぎてしまえばつまらないものだ。軍人はそのつまらなさに耐えなければならない。
黒木為もと
小説とは要するに人間と人生につき、印刷するに足りるだけの何事かを書くというだけのことであり、それ以外の文学理論は私にはない。司馬遼太郎 -
その後、伊地知はどうなったのか。
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奉天会戦。
ロシア側は何度もチャンスがあったのに,ことごとく選択を誤る。
著者プロフィール
司馬遼太郎の作品





