坂の上の雲 (6)

  • 文藝春秋 (2004年6月14日発売)
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  • 本 ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163230207

感想・レビュー・書評

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  •  明治日本が軍事戦略・戦術、外交、謀略の限りを尽くし、旅順や奉天で陸軍が苦しみながら辛勝して、最後に日本海海戦の海軍の完全勝利をもって日露戦争に勝利するという史実を題材としており、苦戦からの完全勝利が劇的で、先人の奇跡を追体験できるほどにその描写がリアルであった。
     反面この奇跡的な成功体験が、太平洋戦争への破滅につながる原点であったという司馬史観は、通史で考えた時の歴史の教訓が示されているように感じた。
     人生三回目の再読だったが、何度読んでも色褪せない面白さや気付きがあり、人生最初に読んだ長編小説が最良の小説であった。

  • この本を時間をかけてゆっくり読んだ。東郷しかり、秋山兄弟然り、昔の人の所作は非常に貫禄がある。
    日露戦争のあれこれも非常に良くわかったが、そこで描かれた人間模様が非常に興味深く楽しく読めた。

  • 再読

  • 日本海軍が日本海でバルチック艦隊を破り,
    ようやく講和にもちこむ。

    真剣な人がちゃんと偉い明治時代。過酷で美しい。

  • 小説にも書かれていたが、日露戦争は日本にとって祖国防衛の為の戦いだったと改めて思いました。明治時代の先人方々に感謝しかない。。

  • 明治維新からたった30数年の間に、ここまで近代的な軍隊を作り上げて、大国ロシアと戦争をした日本。
    国民国家として、日本が初めて挑んだ戦争であり、この勝利がその後の世界大戦にどう影響したのかを考えると、必ずしもそれをポジティブに捉えることができない。

  • たとえばバルチック艦隊が宗谷海峡に迂回して温存され物資兵員の輸送に脅威となって奉天会戦の勝利も無く日本の戦争継続能力枯渇で講和となったら(日本は相当厳しい領土要求を突きつけられ、ロシア海軍は念願の不凍港拠点を得、日本海を「ロシアの勢力圏」とすることは皇帝の威信を増し)…ロシア革命は起こらず、世界大戦があったとしても社会主義台頭は遅れたことでしょう。北海道の半分ぐらい割譲?の日本は…ロシア語ブームになっていたか?

  • 歴史に関する小説を有史前からずっと読んでて、
    たまたま近代史の小説を、とこの本を読み出したのだけど、
    ウクライナとの戦争を思わずにはいられなかった。
    この時代の皇帝様バンザイ、から
    ロシアは変わってないのかな?
    戦いが終わった後の虚しさが少し描かれていたけれど、
    たとえ圧勝しても、
    多くの人間を殺した事実は変わらない、、、
    世の中いろいろ複雑なんだろうけど、
    はやく戦争の無い世の中が来てほしい、、、

  • 日本軍の歪みの土台の説明のようなお話でした。やるせなさ、憤り、様々な感情がわいてくるお話し

  • 佐藤優・片山杜秀の「完全読解 司馬遼太郎『坂の上の雲』」というのを見つけたものの、元本の『坂の上の雲』そのものの記憶が薄れてしまったので、全6巻を再読。段ボール箱から探し出すのも面倒で、図書館から借り出して読了。
    記憶していた以上に乃木希典に対する痛罵は猛烈で、この本を書くにあたって調べれば調べるほど愚将ぶりがわかって許せなくなったのだろうことが想像できる。
    これが右寄りの方々をいたく刺激したのだろう、司馬史観と銘打って激しい攻撃を受けた。
    確かに明治期を美化し過ぎているところはあるが、近代国家として独立したばかりと言っていい日本の軍隊が、いかに苦労を重ねて急速に戦争遂行能力を高めたかの一端を垣間見ることができる。
    今更ながら戦史文学として読みやすさに感嘆した。
    さて佐藤優と片山杜秀のお二人が、この「小説」をどう読み解いているか楽しみ。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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