アルヴァとイルヴァ

  • 文藝春秋 (2004年11月22日発売)
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感想 : 6
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  • 本 ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163234700

感想・レビュー・書評

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  • ケアリー作としては、おとなしいイメージの本。
    変わった人物もさほど、ぶっ飛んではいない。

    オープニングでの、路線バス運行中に亡くなった女、路線最終停車場まで、降ろされなかった事件が・・・ネタばれなんでここまで。

    さすがエドワード・ケアリー、何が書きたかったんだろうと思いつつも、最後まで一気に読ませるおもしろさ。

  • 架空の町エントラーラと町を救った双子の姉妹・アルヴァとイルヴァの物語。
    双子の姉アルヴァが書いた伝記を翻訳し、町の観光ガイドを付け加えた本という体裁をとった作品で、あとがきにあるように「大人のためのおとぎの国」という表現がぴったりだと思う。双子のキャラクターもどこか作りものめいているんだけど、エントラーラという狭い世界から飛び出そうともがき、自分自身と妹を傷つけずにはいられないアルヴァの姿がとても痛ましく感じられた。読み終えるころには、作り話とわかりきっている物語の中にふと生きた人間の温もりを感じたように思われて、不思議な気持ちに。この作者の作品をさらに読んでみたい。

  • 独特の世界観を持つ物語を彩るイラストレーションでも有名な著者の彫塑家である一面も遺憾なく発揮された本作。
    生まれついての創造者なのであろうケアリーの視点が、あくまで厳かに、こそこそと、地底で息巻き爆発するマグマのように震えている。

  • 「双子の姉妹の小さな営みが『世界』を救う」とあるが、「ライラ」や「ナルニア」のようなファンタジーを期待してはいけない。登場人物たちは奇抜ではあるがあくまで現実世界に生きているのであり、彼らの日常が時に気持ち悪いほど精緻に描かれている。

  • 幻想と現実の狭間、埃っぽいどこか不安と空虚に閉ざされた世界観。ちろちろのぞく現実感…俗っぽさが好き嫌いの分かれ目だな。

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