本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (200ページ) / ISBN・EAN: 9784163235202
感想・レビュー・書評
-
この作家さんにしては珍しい、現代をモチーフにした作品で、
テーマは「癒し」と言っていいと思う。
私自身は「癒し」という言葉が好きではない。
正確に言うと、今、世間で氾濫している「癒し」の使い方がいやなのだ。
カワイイものやキレイなものを見たり聞いたりするだけで
癒されるはずなんかない。
それは一時的に慰められているだけで、
しばらくすればまた痛みは戻ってくるのだから。
しかし、この小説では、「癒し」について真っ向から取り組んでいる。
「癒し」とは、自力で得なければならない「力」であって、
その後押しになるものが、環境であったり、家族であったり、他人であったりする。
「癒し」としてそれらが作用するかどうかは、本人がどう立ち上がって、
その場から一歩を踏み出すかにかかっている。
内容については触れられないが(できるだけ予備知識なしで読んでほしいと思った)、
喪失感から立ち直れない人には、ひとつのきっかけを与えてくれる本だと思う。
この小説のラスト、勉とその友人たちに後押しされるように歩を進めた美奈子の姿が、
自分自身の立ち直りのイメージとも重なる。
また、そんな風に一歩を踏み出せたらいいと思った。
こんな小説を書いてくれてありがとうございます。詳細をみるコメント0件をすべて表示
著者プロフィール
三咲光郎の作品
本棚登録 :
感想 :
