オレたちバブル入行組

  • 文藝春秋 (2004年12月7日発売)
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  • 本 ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163236001

感想・レビュー・書評

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  • TBSで7月7日から放送「半沢直樹」のドラマ化までに読んでおきたかった。
    「オレたち花のバブル組」は既に読了済であり痛快だったから、今作もと思いつつ、期待を裏切らなかった。
    舞台は、産業中央銀行大阪西支店長のごり押しで5億円の融資を行った西大阪スチールが倒産した責任を融資課長である半沢問われる。しかし、「基本は性善説、しかしやられたら倍返し」で半沢融資課長のここまでしつこく反撃する姿に痛快だがハラハラもした。
    ドラマ化決定で堺雅人さんが演じられるということで、あまりにもピッタリで、ドラマも益々楽しみになった。

  • テレビドラマ「半沢直樹」原作。

    ドラマがとにかく面白くて原作も読んでみようと手に取りました。
    池井戸作品はこれまでにも何冊か読んでいて
    映像化しやすい面白い作品を書く作家さんだと知っていたのに、
    本作は読了前にドラマ化されてしまい、ただただ悔しいです。
    内容も秀逸なので尚更悔しい!笑

    ドラマを先に見てしまった影響と
    ドラマが原作に忠実なストーリーだったため、
    頭の中では堺雅人さんで完全再生されてしまいました。
    ただテレビドラマより原作の半沢のほうが
    毒舌でえげつなく、ハラワタが煮えくり返っている描写がある分、人間らしいです。
    そして花ちゃん(奥さん)に若干疎まれているという。笑
    半沢さんも普通のおじさんだねー。
    それでいいよ。それがいいよ。

    本だと冷静にストーリーを追えるので感じたのですが
    半沢は懲悪以上のことをしていますよね。
    そういう意味では、支店長さんと半沢とそれほど変わらないだよな…。
    本当に銀行がこんな感じなら、
    銀行員ほど信用のならない人種はいないんじゃないか、と思えてしまう。笑

    それにしても、原作はタイトルが駄目すぎます。
    もう少し編集者がんばれ!
    女で、バブルも経験せず、銀行と関係ない業界に身を置く私には読みたいと一ミリも思わせないタイトルです。

  •  か、かっこいいー!!半沢課長、かっこいいですー。
     あわや出向とまで、追い詰められた半沢さんが、最後に浅野を巧く操って営業第二部次長っていう、エリート中のエリートポストの収まるとは・・・
     銀行に背任していた浅野にそんなすごい権限あっていいの!?っていうコメントは置いておきます。とにかく、半沢さんの手腕がすごすぎるから。


     5億円もの融資の貸し倒れの責任を押し付けられて、本部へヒアリングのために出頭させられて、裁量臨店とかまでされて、上の人に罵倒されまくっても顔色一つ変えず、自分の主張を貫き通す半沢さんはものすごい。
    そんな人間、いない!!
    でも、そんな半沢さんが、超、かっこよかった。


     まあ、最後の最後、半沢さんの下した結論は賛否が分かれるかもしれないが、私はアリだと思う。やっぱりオトコはこのくらい肝がすわってて、頭が良くなくては、いけない。

  • 『感想』
    〇原作があって映像作品があるものって、原作の方が深みがあって絶対に面白いものだと思ってた。良い映像作品を見た後に原作を読むと、さらに楽しめた経験ばかりだったからだ。

    〇この作品に関しては、原作も魅力的なのだが、映像作品の役者の演技力が違う魅力を生み出していることがわかった。

    〇原作を読んで、また映像作品に戻りたくなる。こんな経験は初めてだ。

  • 崩壊した銀行不倒神話。給料もポストも減り、逆境にさらされても―銀行員(バンカー)よ、顔を上げろ!融資課長・半沢直樹の意地と挑戦を描く痛快長篇(amazonより抜粋)

    銀行員にはこんな辛さがあるのだと思い知らされる一冊でした。
    どこの会社でも大変さは一緒だという真っ当な意見は置いて、この一冊を読んだ若者がそれでも銀行員になりたいと思うのかと一瞬思ってしまいました。
    粉飾・計画倒産・五億円の負債・責任転嫁・出向などなど。
    たくさんの銀行用語が飛び交っていましたが、それでもずっと楽しめました。
    ここが池井戸さんの巧みなところだと思う。
    駄目だと思った場所からの大逆転劇は毎回面白い。
    面白いと感じさせてくれるくらい見事だと思います。

    読んでいて「こんな展開はないよ」と思うかもしれないけど、そこが気持ちがいいです。
    きっと池井戸さんなら綺麗にやってくれるだろうと思いながら読んでいます。

    読了感がここまで気持ちがいいのは池井戸さんの他になかなかいないと思う。

  • 池井戸氏の小説はどれも痛快。主人公が窮地に追い込んだ上司を逆に追い込むパターン。最後は少し自分に妥協して完全な正義の味方にならないところが人間味があっていい。

  • 私の今の第一志望は銀行。生半可な気持ちで入ってはいけない所だ。人の人生を背負う責任ある仕事だということを胸に焼き付けた。就活頑張る。

  • バブル華やかなりし頃に銀行に就職した俗にいう エリート達
    その中での出世争い
    上司の嫌がらせ 
    計画倒産の責任を押し付け
    排除しようとされるが
    挽回し 結果的に同期の誰よりも
    昇格する半沢

    銀行の構造を詳しく見せてくれた作品
    バブルの頃はマンションは庶民は
    手がでないくらいに値上がりし
    お金が飛びまわる感じ
    タクシーは停まってくれないし
    ネオン街は華やか
    よく飲み歩きしたな 懐かしい
    でもあっと言う間にバブル崩壊
    懐かしの時代を思い出してしまう作品

  • 半沢直樹の原作
    ドラマ、見たことないけど

    いわゆるゆとり世代である私には、バブル崩壊直後を生きる辛さは実感できない
    そんな時代に就職し、働いている人たちの苦労は想像でしかない
    不景気を押し付けやがって、とは思うけど

    タイトル通り、半沢氏はバブル絶頂期に銀行に入行した
    そして、バブルは弾け、銀行も、銀行が支えてきた企業も倒産の憂き目に遭った

    銀行って、お金貸してくれるところ、くらいの認識でしかなかったが、企業にとってはもっと大きい存在で、景気がいいときは甘く、景気が悪くなれば見放すんだなと背筋が寒くなった
    もちろん、誇張されて露悪的に書かれている(と思いたい)し、パワハラ等に今より寛容だった時代を描いている(と思いたい)のだから、小説よりは優しい世界があるはずだ

    それでも、企業を見捨ててでも、銀行を守る銀行員が少し怖くなった

    また銀行の内部闘争も興味深い
    実力主義より、世渡り上手が出世する
    そういえば、ドラマのCMで必死の形相で土下座をするシーンを見たことがあったっけ
    人事の駆け引きもまた、ハラハラと読み応えがあった

    ドラマ、再放送しないかな、と楽しみになる小説だった
    倍返しだ!は今回は出てこなかった気がする

  • めちゃくちゃ面白い。
    池井戸潤の次から次へとワクワクさせる展開がハマってしまう。ドラマを見た事がないが描写が上手いので頭の中で映像化できる。半沢直樹シリーズを読んでみたい。

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著者プロフィール

1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を、’20年に第2回野間出版文化賞を受賞。主な作品に、「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』『アルルカンと道化師』)、「下町ロケット」シリーズ(『下町ロケット』『ガウディ計画』『ゴースト』『ヤタガラス』)、『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』『民王』『民王 シベリアの陰謀』『不祥事』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『シャイロックの子供たち』『ノーサイド・ゲーム』『ハヤブサ消防団』などがある。

「2023年 『新装版 BT’63(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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