ニッポン泥棒

  • 文藝春秋 (2005年1月14日発売)
3.13
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本棚登録 : 134
感想 : 14
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  • 本 ・本 (568ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163236308

感想・レビュー・書評

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  • 世界を変えるほどの力を持つソフトウェアを解放する鍵とされてしまったハードボイルドな主人公をもとに展開されるサスペンスストーリー。
    その間にバブルや戦争などの時代に対する考え方や政府や営利などの話が散りばめられていて読み応えのある作品だった。
    自分にはまだなんとなくしか理解できていない。

  • ハッカー集団がヒミコというソフトを開発した。それを使用する為には鍵が必要であり、鍵として生きた人間であるアダムとイブが選ばれた。組織の対立や駆け引きで今の状況を打破したいアダム。アダムはコンピュータを使えないお爺さんだった。

  • ヒミコと呼ばれるシュミレーションソフトの鍵の片割れに選ばれた定年退職したオッサンが、
    いろんな組織に追われて、逃げて、交渉する話。

    なんというか盛り上がらないし、最後の終わり方が唐突すぎて驚いた。

    大沢さんは好きだけど、この作品は好きになれなかったです。

  • 商社をリタイアーして ハローワークに通う尾津。
    熟年離婚されて、独り身で、規則正しい生活をしようとしている。
    ネットオタクの青年から、あなたは アダム4号と言われる。
    そして、イブという女性 佐藤かおると つながり、
    未来予測ソフト『ヒミコ』の カギを解くと言われる。
    しかし、尾津は パソコンについてほとんど知らないのだ。
    アナログニンゲンなので、ネットへの理解を徐々にしていく。

    設定は、未来をかえるようなソフトがあるのか 
    という ところが ポイントだが。
    世界を動かすような 1万人ほどの個人データベースを
    100人ほどのハッカーに 盗ませて 構築する。
    犬のハンドルネームをもつ 『クリエイター』グループが
    それを構築するが、主要なメンバーは 殺される。
    その中で、ダックスフンドが キイマンであるが。
    このダックスフンドが 父親、母親がチカラがある。

    ヒミコの機能は、誰を消すと 状況が変わるのか?
    政治的なパワーバランスが 個人的なチカラで成り立つという前提で、
    それを シミュレーションする。

    尾津とかおるの人生観がカギになる。
    それをめぐって、アメリカの情報機関が ヒミコのパスワードを
    つかもうとするが、縦系列で 思惑が違う。
    それに翻弄される 尾津とかおる。

    かおるには 師匠がいて 細田といい、パソコンも使いこなす
    左翼崩れで、あわよくば 稼げるかもしれないと思惑を。
    また かおるには 別れたオトコ 冬木がいた。
    この冬木が クセモノなのだ。
    このオトコによって 物語が 変わっていく。

    個人データをベースにした未来予測のシミュレーションソフト。
    その現実的な チカラは 一度も試されることなく、
    消去されてしまう。
    残念だねぇ。入り口だけで 物語は終った。

    でも、『みた人しか信じれないことと
    あったこともない人も信じれる』という価値観の差は、
    『信じる』という意味では、あまり大きくないような気もする。
    価値観が キイワードとすることに、
    むつかしさが あるのだろうね。

  • これ以前に読んだことあったのに半分くらい読むまでそのことに気づかなかったorz
    元料亭の女将が出てきたところで思い出したのだけれども、それも問題があるなと。。

  • 一気読みだったがヒミコの最期は呆気なかった・・・

  • クリエーター達が作りだした「ヒミコ」
    現実離れしているなどと思っていると、すでに身の回りで行われていることに気がつかなかったりするのだろうな~と思いました。
    これからの犯罪の在り方みたいな・・・・。

  • 「クリエイター」と称するハッカー5人組が作り上げた謎のソフト「ヒミコ」
    それには世界を覆す力があるという。
    隠されたそのソフトを探すキーは、「アダムとイブ」の男女2人組。
    世界的規模で陰謀が渦巻く。。。

    相変わらずラスト数ページ前まで、どうやって解決するのか読めません。
    いつもながらの力技です(笑)

  • 「クリエイター」と呼ばれるハッカーが作った「ヒミコ」をめぐる争い。鍵となる尾津君夫と佐藤かおる。二人を支える細田。誰が敵で誰が味方なのか。駆け引きよりも尾津とかおる、尾津と細田など登場人物たちがお互いを知ろうとする、または探ろうとする会話が長い。ひととなりを把握するためと、この物語にこの過程は必要なのかもしれないけど。日本、アメリカ、政治、歴史など色々な問題を議論し意見し合わせる知識量はすごいなと思う。私には長かった。'07.12.8

  • アダムとイブが出会ったときに起きる「何か」が、鍵だ。
    そんな曖昧な所から物語りは始まる。
    大沢在昌のこういう作品は好き。

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著者プロフィール

1956年愛知県名古屋市生まれ。慶応義塾大学中退。1979年に小説推理新人賞を「感傷の街角」で受賞しデビュー。1986年「深夜曲馬団」で日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞、1991年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門受賞。1994年には『無間人形 新宿鮫IV』直木賞を受賞した。2001年『心では重すぎる』で日本冒険小説協会大賞、2002年『闇先案内人』で日本冒険小説協会大賞を連続受賞。2004年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞受賞。2010年には日本ミステリー文学大賞受賞。2014年『海と月の迷路』で吉川英治文学賞を受賞、2022年には紫綬褒章を受章した。


「2023年 『悪魔には悪魔を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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