- 本 ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163238401
感想・レビュー・書評
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朱川湊人さん初読み。
昭和40年代の大阪を舞台にした小学生たちの不思議な体験を振り返る短編集。
私も学生時代を大阪で過ごした(文化住宅に住んでました)ので、雑然とした感じがまざまざと思い出され、懐かしさを感じながら読みました。
いずれのお話も人の死がテーマ。なんとなくオカルトちっくだけど、そこまで悲壮感はなく、恐怖感もありません。子供ながらの豊かな感受性の部分を良く表現されているように感じました。
表題作の「花まんま」と「摩訶不思議」、「送りん婆」が面白かった^_^詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第133回直木賞を受賞した短編集。
表題作『花まんま』が映画化されるので図書館で借りる。
ある兄妹の不思議な体験を描いた物語。
ありそうでなさそうな不思議な感覚ですが、愛情がつまった物語でした。鈴木亮平さんと有村架純さんで映画化。
想像しただけで感動しそう。
6編からなる短編集。不思議で奇妙な空気感が漂う物語に引き込まれて、なぜか懐かしい感覚もあり。
苦手なところもありましたが、どれも子供が主人公で、
子供目線で丁寧に表現されてた。
子供ならではの気使いも可愛らしい。
どれも命の重みを感じる物語でした。 -
活気ある商店街、子供たちのはしゃぐ声、狭い通路にギュッと並んだ家。昭和を経験していないのに何故か懐かしく恋しくなる短編集。
タイトルにある花まんまが春の終わりに散る桜のように儚くて一番好き。 -
短編集。どれも不思議な話。けれど惹きつけられて、半日で読了。「花まんま」、悲しいけど暖かいストーリーでした。
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大阪の下町を舞台に強かに生きる人々の生活の一部を切り取った短編集。少し不思議なエッセンスも混ざりつ。
人は強いものよ。そして儚いもの。とCoccoのフレーズ頭をよぎる。 -
映画化されると知って、図書館で借りて読んでみた。短編集。
どの話にも、昭和の雰囲気やノスタルジックさが感じられて面白かった。
「妖精生物」は読後感が良くなかった。主人公の生い立ちのいたたまれなさ。
表題作の「花まんま」は綺麗な話で面白かった。 -
2021年7月24日
幼い頃の家や気持ち、共感できる思い出がたくさんあった。
その中に不思議なことが起こる。
トカピだったり、送りん婆だったり、生まれ変わりだったり。
どれも身近に起こりそうな不思議だ。
起こっているに違いない。
トカピと花まんまが好み。 -
人生はタコヤキやで。
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トカビの夜 死人が現れた
妖精生物 少女を虜にする甘美な感触
摩訶不思議 葬式で霊柩車が動かなくなる
花まんま 妹が誰かの生まれ変わり
送りん婆 人を死に至らせる呪文
凍蝶 蝶のように美しい女性 -
直木賞・芥川賞受賞作が必ず置いてある高校の図書室で初めてその存在を知った、朱川湊人さん
花まんまというタイトル、そして少し古い感じを出している表紙から、正直最初は読む気がしなかった笑
でも、やっぱり直木賞はちゃんと読んでおこうと決めたのだから、と読み始めたら見事にはまってしまいました!!!!
短編集となっているのですが、「ノスタルジックミステリー」な世界が最初から広がっています。
経験したことないのに、なんだか懐かしい情景に引き込まれました。
女性の回想語りなんて、本当よく書けますよね、天晴れです。
わたしはやはり表題作の「花まんま」が好きです。
成長していくにつれて妹がどうにもおかしい。
自分より年下なのに、随分と大人っぽい。
描いている絵も、誰かの記憶に基いたものらしい。
妹はいったいどうしたの?という謎に迫るお話です。
最初に読んだときに感じた、妹の不気味さ、そして背筋の凍る感じ、今でも覚えています。
ていうか、私がいうより、一度読んでもらえばわかると思います笑!!
ほろりとくる、今までに読んだことのない面白さを味わい、朱川湊人さんについていこうと感じた瞬間でした。
今まで知らなかった世界をのぞき見ることができます!
是非ご一読あれ!
著者プロフィール
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