花まんま

  • 文藝春秋 (2005年4月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784163238401

みんなの感想まとめ

昭和40年代の大阪を舞台にした短編集は、子供たちの不思議な体験を通じて、人生のさまざまな側面を描き出しています。作品には人の死がテーマに含まれていますが、全体的にはコミカルさや温かさが感じられ、読者を...

感想・レビュー・書評

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  • 朱川湊人さん初読み。
    昭和40年代の大阪を舞台にした小学生たちの不思議な体験を振り返る短編集。

    私も学生時代を大阪で過ごした(文化住宅に住んでました)ので、雑然とした感じがまざまざと思い出され、懐かしさを感じながら読みました。

    いずれのお話も人の死がテーマ。なんとなくオカルトちっくだけど、そこまで悲壮感はなく、恐怖感もありません。子供ながらの豊かな感受性の部分を良く表現されているように感じました。

    表題作の「花まんま」と「摩訶不思議」、「送りん婆」が面白かった^_^

  • ずいぶん前に読んだのだが、最近映画化されて話題になったのを機に再読。

    表題作は不思議な縁を持つ妹と、彼女を見守る兄の話。
    苦く切なく、温かい話で、配役も合っているように思った。

    他の5編も昭和の大阪を舞台にしたノスタルジックなファンタジー。
    いずれも人の死が関わる話なので苦くはあるが、「摩訶不思議」のようにコミカルな話や「トカビの夜」のように温かい気持ちになるものもある。
    逆に苦い話もあったが、全体的には大阪下町の、良くも悪くも人情的で猥雑で、皆が何かを抱えながらも前を向いて生きている姿が描かれていた。

    続編を先日読んだが、フミ子のその後が分かって良かった。

  • 映画「花まんま」を観る前に読もうと思ったら、昭和40年代の大阪を舞台にした短編集の一つだった。
    短編集なのに、一つ一つが怖くて面白くて止まらない。私が過ごした子ども時代そのもので、子どもながらに傷ついたり、傷つけたり、過剰に恐れたり、囚われたり…あれほど昔のことなのにそこだけしっかりと残っている大人のやりとりや言葉。友だちとの遊びの中での会話。忘れたくても忘れられない出会い。子どもならではの感受性で理不尽な差別や貧富の差を、見て見ぬふりをしながらも蓄積していき大人になったことを今更ながら思い出した。
    タイムスリップして、あの子に謝りたい。あの人にちゃんと伝えたい。誰もが心の隅に抱えて蓋をしているかさぶたが剥がれるような痛痒さを感じてしまう。これが昭和ノスタルジアなのか?
    「花まんま」だけは美しい情景が浮かぶ感動のお話だったので映画が楽しみ!!

  • 最近読んだ気がする…この標題・・・
    図書館で借りました。「花まんま」のほか5篇がそれぞれ不思議でちょっと怖くて。
    「花まんま」はやはり最近読んでるのですが、
    本を手元に置かない私には思い出しようが‥
    多分高校生か大学生のかな…なんか誰かに聞いたことがありそうな、
    ほんとにありそうな、そこがちょっと…究極は怖い‥

  • 第133回直木賞を受賞した短編集。
    表題作『花まんま』が映画化されるので図書館で借りる。
    ある兄妹の不思議な体験を描いた物語。
    ありそうでなさそうな不思議な感覚ですが、愛情がつまった物語でした。鈴木亮平さんと有村架純さんで映画化。
    想像しただけで感動しそう。

    6編からなる短編集。不思議で奇妙な空気感が漂う物語に引き込まれて、なぜか懐かしい感覚もあり。
    苦手なところもありましたが、どれも子供が主人公で、
    子供目線で丁寧に表現されてた。
    子供ならではの気使いも可愛らしい。
    どれも命の重みを感じる物語でした。

  • 直木賞受賞当時は短編集の最初のだけサッと読みしたので今回はじっくり。
    この世とあの世の境目に立つ子どものひとつひとつの物語を目の当たりにして今更ながらにジンとするけれども少しゾッとする、だけど思う方向性を変えれば感動を覚える短編集でした。

  • 活気ある商店街、子供たちのはしゃぐ声、狭い通路にギュッと並んだ家。昭和を経験していないのに何故か懐かしく恋しくなる短編集。
    タイトルにある花まんまが春の終わりに散る桜のように儚くて一番好き。

  • 【収録作品】トカビの夜/妖精生物/摩訶不思議/花まんま/送りん婆/凍蝶(イテチョウ)

    大阪の路地裏を舞台にした時代を感じさせる短編集。
    表題作が映画化されたことをきっかけに手に取ったが、この短編をどう映画化したのか興味が湧いた。

  • 2025年4月に映画化された「花まんま」を含む短編集。
    「花まんま」は、妹が生まれ変わる前の自分を覚えている話。自分の家族だけではなく別の家族を想う妹に翻弄される兄。切ない話です。
    その他の話も少し霊的な話や差別の話が多く、印象に残った話は、「送りん婆」。ある呪文を唱えると、それを聞いた人は数分後に魂と肉体が切り離されて死んでしまう。苦しんで苦しんででも死ねない人が最後に頼る「送りん婆」。ただ、切り離されたその数分は肉体の痛みから解放されるため、こころ安らかな気持ちになれる。
    重い病で苦しむ子供に「送りん婆」を依頼した両親。魂と肉体が切り離された途端に元気に走り回った子供が数分後にことキレて「送りん婆」に人殺し!と叫んだのが印象的だった。
    残酷だな、と。
    短編集ながら、読み応えがありました。

  • 短編集。
    ちょっと怖くて、ちょっと悲しくて、ちょっと不思議な昭和の物語。
    映画は、この中の一編の「花まんま」を掘り下げ拡げ、感動ものになっていた。

  • 短編集。どれも不思議な話。けれど惹きつけられて、半日で読了。「花まんま」、悲しいけど暖かいストーリーでした。

  • 大阪の下町を舞台に強かに生きる人々の生活の一部を切り取った短編集。少し不思議なエッセンスも混ざりつ。
    人は強いものよ。そして儚いもの。とCoccoのフレーズ頭をよぎる。

  • 映画化されると知って、図書館で借りて読んでみた。短編集。

    どの話にも、昭和の雰囲気やノスタルジックさが感じられて面白かった。
    「妖精生物」は読後感が良くなかった。主人公の生い立ちのいたたまれなさ。
    表題作の「花まんま」は綺麗な話で面白かった。

  • 時は昭和。大阪が舞台で子供が主役。奇怪さに切なさが融合…共通項を揃えた6篇である。語部のような筆致が秀逸。読書というより傾聴している感覚だった。20年前の作品とは思えない良書。意表を突かれた『花まんま』に感涙。

  • 映画原作ということで、図書館でかりて、読んでみた。この作家さんの作品は初。短編集でした。
    昔の大阪(?)の下町のノスタルジック(懐かしさというか)さと、摩訶不思議な出来事とがあわさって、独特な雰囲気の作品ばかり。少しおどろおどろしい感じの作品も。

  • 友人のオススメだったので、朱川湊人さん初読。時代物かと思ってたら意外にもおどろおどろしていてびっくりだった。昭和の空気感が不気味な展開に馴染んで、ワクワクさせてくれる。当時の親子、夫婦、家族関係は現在のように同じ物差しで測られず、もっとごちゃーっとしていたように感じられた。

  • 2021年7月24日
    幼い頃の家や気持ち、共感できる思い出がたくさんあった。
    その中に不思議なことが起こる。
    トカピだったり、送りん婆だったり、生まれ変わりだったり。
    どれも身近に起こりそうな不思議だ。
    起こっているに違いない。
    トカピと花まんまが好み。

  • 人生はタコヤキやで。

    ーーーー
    トカビの夜 死人が現れた
    妖精生物 少女を虜にする甘美な感触
    摩訶不思議 葬式で霊柩車が動かなくなる
    花まんま 妹が誰かの生まれ変わり
    送りん婆 人を死に至らせる呪文
    凍蝶 蝶のように美しい女性

  • 短編集で、「世にも奇妙な物語」の雰囲気。
    背筋ひんやりする怖い話もあれば、不思議だけどほろりとする話もあり。
    「花まんま」はきれいにまとまったいい話だったけど、妙に印象に残ったのは「妖精生物」でした。ねっとり気持ち悪くて、寝覚めの悪い悪夢見たような。
    ぞわわ。

  • 直木賞・芥川賞受賞作が必ず置いてある高校の図書室で初めてその存在を知った、朱川湊人さん
    花まんまというタイトル、そして少し古い感じを出している表紙から、正直最初は読む気がしなかった笑
    でも、やっぱり直木賞はちゃんと読んでおこうと決めたのだから、と読み始めたら見事にはまってしまいました!!!!

    短編集となっているのですが、「ノスタルジックミステリー」な世界が最初から広がっています。
    経験したことないのに、なんだか懐かしい情景に引き込まれました。
    女性の回想語りなんて、本当よく書けますよね、天晴れです。

    わたしはやはり表題作の「花まんま」が好きです。
    成長していくにつれて妹がどうにもおかしい。
    自分より年下なのに、随分と大人っぽい。
    描いている絵も、誰かの記憶に基いたものらしい。
    妹はいったいどうしたの?という謎に迫るお話です。
    最初に読んだときに感じた、妹の不気味さ、そして背筋の凍る感じ、今でも覚えています。
    ていうか、私がいうより、一度読んでもらえばわかると思います笑!!
    ほろりとくる、今までに読んだことのない面白さを味わい、朱川湊人さんについていこうと感じた瞬間でした。

    今まで知らなかった世界をのぞき見ることができます!
    是非ご一読あれ!

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著者プロフィール

朱川湊人
昭和38年1月7日生まれ。出版社勤務をへて著述業。平成14年「フクロウ男」でオール読物推理小説新人賞。15年「白い部屋で月の歌を」で日本ホラー小説大賞短編賞。17年大阪の少年を主人公にした短編集「花まんま」で直木賞を受賞。大阪出身。慶大卒。作品はほかに「都市伝説セピア」「さよならの空」「いっぺんさん」など多数。

「2021年 『時間色のリリィ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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