風味絶佳

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 1910
レビュー : 390
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163239309

感想・レビュー・書評

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  • 2015/10/16 読了

  • 恋愛の短編だと思って読み進めていたら、作者のあとがきを読んでびっくり。
    まさかキーワードが「職人」だとは思わなかった……!
    読み返してみると、職人というよりガテン系?のような気がする。
    要するに肉体労働者の恋物語ってわけですね。

    「間食」
    職業:大工
    二股をかける雄太。浮気相手の花にたっぷりとした愛情をかける傍ら、本命の加代にはどっぷり愛され甘やかされている雄太。その甘やかされっぷりは、見ていてこっちがはずかしい。スイカの種くらい自分で取れよ、と突っ込みたくなる。愛され過ぎて愛すことが出来ないからといって、余りまくった愛情をぶつける捌け口に花を使っている雄太が人間のクズにしか見えない。変人扱いされている仕事仲間の寺内は、少し不気味だけど中々魅力的。

    「夕餉」
    職業:ゴミの作業員
    旦那と別れ、同居する絋のため料理を作る美々。 その料理にかける情熱は執念と言ってもいい。
    その美々の作る料理はとても美味しそうで、読んでるとお腹が空いてくる。
    一緒に暮らしてる絋が、少し子供っぽさがが残るけどチャーミングで優しくて素敵。
    このお話が一番好き。二人の間に流れる時間が暖かくて心がほっこりする。まるで出来立ての美味しい手料理を食べたときみたいに。

    「風味絶佳」
    職業:ガソリンスタンドの店員
    アメリカかぶれのグランマにふりまわされる史朗。
    このグランマがまた強烈で、70歳なのに真っ赤なカマロを乗り回し、孫とたいして歳の変わらない男をボーイフレンドとして隣に置いてる。しかも彼女のいうボーイフレンドは、寝た男に与える称号らしいのだ。このグランマはわりと読者の方には人気らしいが、私はどうも好きになれない……。確かに見ていて飽きないし面白いけど、実際こんやお婆ちゃんがいたらちょっと恥ずかしいかなぁ…。
    グランマに仕込まれたレディファーストを持て余してる史朗が、少し哀れでした。

    「海の庭」
    職業:引っ越し屋業者
    離婚した母とその幼なじみの作並君が、こどもの頃の初恋をもう一度やり直す話。「大人が初恋やり直すっていやらしくて最高だろ?」っていう作並君が色っぽくて素敵だった。
    このお母さんと作並君の会話が、その台詞の前まではいじらしくて可愛いなぁ、と思って見ていたのが、一気に淫靡なものに見えてきて、さすがは山田詠美さん。
    主人公の日向ちゃんはこの作並君に恋しちゃうわけだけど、こういうおじさんがいたら多分このくらいの年齢の女の子は好きになっちゃうのも分かる気がする。というのも、作並君ってそれなりに歳を取ってるから、変に尖ったりすることもないし、いつも自然体でいるんだよね。若い者に対して見栄を張ったり張り合ったりすることもないから、気楽に付き合えるというか…。上手くいえないけど、思春期のささくれた少女が心を許すのは、きっと自然体で向き合ってくれる寛容な大人なんだと思うわけで、それが作並君何だよね、きっと。

    「アトリエ」
    職業:下水の清掃員
    ディープすぎてこどもの私にはよく分からない……。
    多分、どちらも30は過ぎてるのよね?
    してることが赤ちゃんプレイを見てるようで、気味悪かったのしか記憶がありません……。

    「春眠」
    職業:火葬員
    これも中々……。大学時代好きだった友人が自分の父親と結婚しました!というとんでもない内容から始まる。主人公の章造はイライラモヤモヤしながらも、二人と過ごしていくのだが、ある日家族旅行に出掛けた際にそれまでの不満が爆発してしまう。
    いや、これは爆発しても、仕方がないよ……。男手ひとつで育ててくれた親父が、若い嫁貰ってデレデレするところなんぞ見たくないし、ましてやそれが同級生で、しかも想い人となると心の葛藤は生半可なものではないだろう。しかもそのイチャイチャが見ていて非常に不愉快……。
    母さんが可哀想だ!というところも、凄く同感。親父も少しは元妻のことを労ったらどうだなんだ~!


    多分私は、歳の離れた恋愛ものが苦手なんだろうなぁ……。片想い、とかならいいんだけど、付き合っていく、となると何故か気持ち悪い……と思ってしまう……。まあ、恋愛は人それぞれですもんね!私は無理だけど、他人にがする分には別にいいんですけどね!

  • 「いやって言うのは、いいことなんだよ」
    「そうなの?」
    「そうだよ。 たったひとりにだけ、
    いやといいは同じ意味になるんだよ」

    好みではなかったので、パラパラと読んだ。

  • やっぱり文章力がすごいな~と思いました!ひかれる。
    でもどれも半端な感じだったような気がするようなしないような?
    最後の話は、主人公に同情してしまいました。

  • 2014.12.5

  • 詠美さんらしい恋愛短編集。中でも表題作の「風味絶佳」が絶品!孫に自分のことをばぁばではなく、グランマと呼ばせるアメリカンなセンス。名言の数々。恋愛観。また、読み返したくなるんだろうなぁ。ただ、この本を読む前に「シュガー&スパイス」として映画化されたのを観たので、グランマのビジュアルは夏木マリさん、孫は柳楽優弥さんで固定されてしまいました。映画のグランマ、まさに私の理想どおりのグランマでした。

  • キーワードが職人さんなのだとは思わなかった。こういうれない小説なら読める。

  • 肉体労働の男性が出てくる短編集。私は引越し屋さんのお兄さんの話と、ガソリンスタンドで働く男の子とそのグランマの話が好きでした。

  • 短編集でした。

  • 1つ1つの短編は読みやすい。ただ、読後に印象が残るかというといまいちどれもいまいちしっくりくるものが無かった。
    最後が、ぼやけて終わっている話(余韻を残す?)が多い。

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著者プロフィール

山田 詠美(やまだ えいみ)
1959年、東京生まれ。明治大学文学部中退。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。同作品は芥川賞候補にもなり、衝撃的なデビューを飾る。87年には『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞受賞。89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年 『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16「生鮮てるてる坊主」で川端賞を受賞している。その他の著書に『無銭優雅』『学問』『タイニー・ストーリーズ』『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』などがある。

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