風味絶佳

著者 :
  • 文藝春秋
3.39
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本棚登録 : 1910
レビュー : 390
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163239309

感想・レビュー・書評

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  • 風味絶佳、海の庭、春眠が好きです。共通してちょっと切ない。
    風味絶佳は、女性側から見ていると感じる。シュガーとスパイスの配分はセンスと経験かな。グランマの孫にしては志郎センスないな。
    海の庭は、日向子の本当の初恋物語。夏と海と青色の物語。
    春眠の弥生は、生涯において奇跡的に出逢うべき人と出逢えた。それが居場所だってことは自分だからこそわかるんだろうな。

    • 9nanokaさん
      共通してちょっとせつないのわかります。終わりがちょっと曖昧で、どうしたらいいかわからない感じですよね笑。
      センスと経験…難しいですね。史郎...
      共通してちょっとせつないのわかります。終わりがちょっと曖昧で、どうしたらいいかわからない感じですよね笑。
      センスと経験…難しいですね。史郎にセンスがないのは同感です笑。

      優しいコメントをたくさん、ありがとうございます。とても、恐縮です…
      でも感想が言い合えるのは面白いですね!
      2014/09/14
  • 海の庭、アトリエ、が好みだった。
    作並くんのようなおじさんは素敵だと思う。歳とともに積み上げてきたものは確かにあるだろうに、それを感じさせない気負いのなさは少女が恋するに十分だという気がする。情けなさが愛おしいの表現も非常に共感できる。
    アトリエはちょっと怖かった。どっちもおかしい。彼女の気鬱は不幸への憧れのようなもので、幸福を与えることで抜け出せるようなものじゃない。痛めつけて不幸と思い込ませた方が彼女は幸せだったと思う。

    • komoroさん
      貸して~。(笑)
      9nanoka さんの、情けなさが愛しいことに共感できる。が興味深い。
      情けない人が、いいの?(^-^)、
      貸して~。(笑)
      9nanoka さんの、情けなさが愛しいことに共感できる。が興味深い。
      情けない人が、いいの?(^-^)、
      2014/08/24
    • komoroさん
      9nanoka さんは、僕の本の先生です。
      今回も風味絶佳、貸していただきありがとうございました。
      読んでみて、nanoka 先生のレビ...
      9nanoka さんは、僕の本の先生です。
      今回も風味絶佳、貸していただきありがとうございました。
      読んでみて、nanoka 先生のレビューのよさが染みてきました。
      とても素敵なレビューです。
      特にアトリエのレビューは、「痛めつけて不幸と思いこませたほうが彼女は幸せ」という発想は、鋭く、僕なんかただ読んでるだけでそんな発想にはなりませんでした。
      海の庭の情けなさが愛しいもnanoka の優しさが伝わってきます。
      これからも素敵なレビューをお願いします。
      同じ本を読んで感じたことを伝えられるっていいね。(^-^)
      2014/09/10
  • 「間食」での言葉。
    「頬をこすり付けて、自分の匂いを移すためにあるもの。噛んだり、羽交い締めにしたり、つねったり。可愛がりたい気持ちが行きすぎて、ついそんな行動に出てしまいたくなる対象。」

    あまりにも表現が愛しすぎて
    号泣してしまいたい衝動に駆られてしまった。危ない。

    これには一ページ目からやられた。

    愛されたくて、愛された分だけ誰かを愛したくて。
    人がたくさんいるように、愛し方も同じようにたくさんある。
    無条件な愛情。

    生活の中で欠かせない職だが、表にはなかなか出ない仕事柄がよく出てきた。

    高3の時に風味絶佳シュガー&スパイス映画を観たけど、
    映画の印象とグランマ役の夏木マリの印象が強すぎ。

    金原ひとみが著者の影響を受けているなぁwってわかった。
    うん。とにかく、なんかすごい)^o^(

  • イキなグランマが登場する表題の小説もよかったですが、
    最後から2つのお話しは、死を意識した刹那さで泣けてきました。
    とても幸せそうな、その瞬間が本当に貴重な感じでした。

  • 風味絶佳、これは森永ミルクキャラメルの宣伝コピーだそうです。良い言葉ですね、六篇の短編集に登場する人間のかもし出す風味、たたずまい、何とも言えぬ香ばしさ、まさに絶佳。詠美フリークだからかも知れませんが、心が落ち込んでいる時に、詠美さんの本を読むと、心がぬくぬくとしてくるのです。

  • 恋愛の短編だと思って読み進めていたら、作者のあとがきを読んでびっくり。
    まさかキーワードが「職人」だとは思わなかった……!
    読み返してみると、職人というよりガテン系?のような気がする。
    要するに肉体労働者の恋物語ってわけですね。

    「間食」
    職業:大工
    二股をかける雄太。浮気相手の花にたっぷりとした愛情をかける傍ら、本命の加代にはどっぷり愛され甘やかされている雄太。その甘やかされっぷりは、見ていてこっちがはずかしい。スイカの種くらい自分で取れよ、と突っ込みたくなる。愛され過ぎて愛すことが出来ないからといって、余りまくった愛情をぶつける捌け口に花を使っている雄太が人間のクズにしか見えない。変人扱いされている仕事仲間の寺内は、少し不気味だけど中々魅力的。

    「夕餉」
    職業:ゴミの作業員
    旦那と別れ、同居する絋のため料理を作る美々。 その料理にかける情熱は執念と言ってもいい。
    その美々の作る料理はとても美味しそうで、読んでるとお腹が空いてくる。
    一緒に暮らしてる絋が、少し子供っぽさがが残るけどチャーミングで優しくて素敵。
    このお話が一番好き。二人の間に流れる時間が暖かくて心がほっこりする。まるで出来立ての美味しい手料理を食べたときみたいに。

    「風味絶佳」
    職業:ガソリンスタンドの店員
    アメリカかぶれのグランマにふりまわされる史朗。
    このグランマがまた強烈で、70歳なのに真っ赤なカマロを乗り回し、孫とたいして歳の変わらない男をボーイフレンドとして隣に置いてる。しかも彼女のいうボーイフレンドは、寝た男に与える称号らしいのだ。このグランマはわりと読者の方には人気らしいが、私はどうも好きになれない……。確かに見ていて飽きないし面白いけど、実際こんやお婆ちゃんがいたらちょっと恥ずかしいかなぁ…。
    グランマに仕込まれたレディファーストを持て余してる史朗が、少し哀れでした。

    「海の庭」
    職業:引っ越し屋業者
    離婚した母とその幼なじみの作並君が、こどもの頃の初恋をもう一度やり直す話。「大人が初恋やり直すっていやらしくて最高だろ?」っていう作並君が色っぽくて素敵だった。
    このお母さんと作並君の会話が、その台詞の前まではいじらしくて可愛いなぁ、と思って見ていたのが、一気に淫靡なものに見えてきて、さすがは山田詠美さん。
    主人公の日向ちゃんはこの作並君に恋しちゃうわけだけど、こういうおじさんがいたら多分このくらいの年齢の女の子は好きになっちゃうのも分かる気がする。というのも、作並君ってそれなりに歳を取ってるから、変に尖ったりすることもないし、いつも自然体でいるんだよね。若い者に対して見栄を張ったり張り合ったりすることもないから、気楽に付き合えるというか…。上手くいえないけど、思春期のささくれた少女が心を許すのは、きっと自然体で向き合ってくれる寛容な大人なんだと思うわけで、それが作並君何だよね、きっと。

    「アトリエ」
    職業:下水の清掃員
    ディープすぎてこどもの私にはよく分からない……。
    多分、どちらも30は過ぎてるのよね?
    してることが赤ちゃんプレイを見てるようで、気味悪かったのしか記憶がありません……。

    「春眠」
    職業:火葬員
    これも中々……。大学時代好きだった友人が自分の父親と結婚しました!というとんでもない内容から始まる。主人公の章造はイライラモヤモヤしながらも、二人と過ごしていくのだが、ある日家族旅行に出掛けた際にそれまでの不満が爆発してしまう。
    いや、これは爆発しても、仕方がないよ……。男手ひとつで育ててくれた親父が、若い嫁貰ってデレデレするところなんぞ見たくないし、ましてやそれが同級生で、しかも想い人となると心の葛藤は生半可なものではないだろう。しかもそのイチャイチャが見ていて非常に不愉快……。
    母さんが可哀想だ!というところも、凄く同感。親父も少しは元妻のことを労ったらどうだなんだ~!


    多分私は、歳の離れた恋愛ものが苦手なんだろうなぁ……。片想い、とかならいいんだけど、付き合っていく、となると何故か気持ち悪い……と思ってしまう……。まあ、恋愛は人それぞれですもんね!私は無理だけど、他人にがする分には別にいいんですけどね!

  • キーワードが職人さんなのだとは思わなかった。こういうれない小説なら読める。

  • 短編集でした。

  • きっと、まだこの小説たちの良さを、わたしはわかりきれていない。(文学的に良い意味で)気持ちわるい。すぐにではない、また読みたい。自分で納得のいく結論を見出せるくらい大人になってから。

  • 恋愛って、うまくいかない。うまくいかないから恋愛。
    そんな当たり前の思いが去来します。
    10組いたら10通りの恋愛があり、恋愛に決まりなどない。
    著者の優しい目線で綴られています。

    おとんに大好きな女の子を奪われてしまった青年を描いた「春眠」がよかった。ありえそうでありえない、ありえなさそうでありえる。
    家族なのか友達なのか?
    微妙な関係に揺れ動く主人公の気持ちにぐぐっときました。

    今は小説を読んで、来るべき恋愛に備えようと。笑

著者プロフィール

山田 詠美(やまだ えいみ)
1959年、東京生まれ。明治大学文学部中退。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。同作品は芥川賞候補にもなり、衝撃的なデビューを飾る。87年には『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞受賞。89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年 『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16「生鮮てるてる坊主」で川端賞を受賞している。その他の著書に『無銭優雅』『学問』『タイニー・ストーリーズ』『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』などがある。

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