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本 ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784163240800
感想・レビュー・書評
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赤絵の桜 ― 損料屋喜八郎始末控えシリーズの2作目
2005.06発行。字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。
寒ざらし、赤絵の桜、枯れ茶のつる、逃げ水、初雪だるまの5話。
江戸深川を舞台に損料屋喜八郎が、奮闘する物語です。
喜八郎は、探索を隠すため損料屋(鍋、釜などの生活必需品の賃貸業)を表看板にしています。配下の差配役の担ぎ汁粉屋の源助以下20名からを使って探索をします。
北町奉行所四番組上席与力・秋山久蔵、札差伊勢屋四郎左衛門と札差米屋政八が脇を固め、料亭江戸屋の女将・秀弥が華を添えます。
【寒ざらし】
薪炭屋鋏屋森之助は、押上村の窯風呂「ほぐし窯」を始めるにあたり、資金の一部を札差米屋政八から三千両の融通を受けた。それを後で知った損料屋喜八郎は、ほぐし窯を調べてみると不正の匂いがします。それは、風呂用の窯だけでなく、陶器を焼く窯を作って風呂を沸かすかたわらで、焼き物の窯で鍋島藩特産の有田(伊万里)焼の焼継(修復)をしょうとしています。そしてそれを本物の有田焼として売ろうとしています。
【赤絵の桜】
長太郎は、偽の有田焼の皿を作っていた窯風呂「ほぐし窯」を脅して金をせしめようとしたが、ほぐし窯に捕まります。長太郎の情婦・おちずは、元の夫で15年前に別れた喜八郎の配下の俊造に助けを求め、喜八郎が長太郎を助け出します。
【枯れ茶のつる】
俊造は、15年ぶりに2才の時に別れた娘おまきに会い、昔の女房に瓜二つの美しい姿とたたずまいに…、俊造は、嬉しくてたまりません。
【逃げ水】
伊勢屋と喜八郎が、見事に騙りにあいます。その相手は、かつて破綻して江戸から出て行った札差笠倉屋平十郎でした。
【初雪だるま】
喜八郎と江戸屋の女将・秀弥が相思相愛であるのを知った伊勢屋と米屋は、喜八郎の配下、江戸屋の奉公人と語らって大芝居を打ち喜八郎と秀弥を一緒にしょうとしますが。
【読後】
此度は、「寒ざらし」が良かったです。喜八郎の小気味よい動きに、ついつい引き込まれて行きます。喜八郎と秀弥の仲が、どうなるか楽しみです。
【初出】
オール讀物2004年2月、6月、8月、10月、12月号に掲載されたものです。
2021.02.02読了
※シリーズレビュー
「損料屋喜八郎始末控え」シリーズの1作目
https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4167670011#comment詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これがシリーズ第2段になるわけですね。
第3弾から読んでるんですよ。
第3弾のときも思ってるけど、喜八郎さんが主人公のはずなのに、あんまり登場してないんだよね。
あと、政八さんがバカっぽくて、ちょっと疲れる。 -
損料屋喜八郎始末シリーズ2集で5話。札差と元同心の喜八郎一味が詐欺に立ち向かう痛快部分と市井の人情を絡ませてるけど、やや展開が弱い。登場人物は増えてるが、今後の伏線という感じで紹介程度。喜八郎の恋愛も周囲にバレバレなのに進展なし。もっと設定が動く流れにしていいんじゃないかな~
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内容(「BOOK」データベースより)
不況の嵐が吹き荒れる江戸で、公儀に叛く陰謀が…。傑作人情時代小説。 第二弾
平成30年5月18日~20日 -
意外性
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ストーリーとしては、面白い時代物。しかし、喜八郎と江戸屋の恋愛はどうでもいいって感じ。
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☆3つ
これは直木賞受賞後に雑誌連載した作品。
おお直木賞か! から読み込みに入った作家なのでそのことが気になる。
そしてとても面白い!!
けどが、短篇集なのだれど、一本の話の中でテーマがころころと変わって
いって、読者サイドとしては、 え? あれ? の連続である。
あれ、あの話をしていたのでは無かったのか。でないとするとあの前振りは
いったいどうなったんだ! という感じが濃厚に漂う作品です。
なづけて「直木賞受賞後初作プレッシャ受け受け作品」w
だが最後の小品『初雪だるま』はまことに面白い!まあ、そういうこともある。
すまぬ。 -
前作をきちんと読めば
それ相応に楽しめる1冊となります。
ただし喜八郎の巧みな
仕事は今回は控えめとなっていて
周辺人物の人情劇がメインなので
ちょっと退屈してしまうかも。
だけれども
お勧めの作品はきちんと存在します。
それは「初雪だるま」
これは斬新です。
時代小説にドッキリ要素が
絡んでいるのですから。
まさかと思うでしょうが
きちんと最後は
ハッピーエンドになっているのです。
二人の恋はいかに! -
『損料屋喜八郎始末控え』の続編。
前作を読んでから大分経ってしまったので思い出すのに一苦闘。でも、前作ほど面白くなかったな。
2008.7.25 -
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もういいや、ってカンジ。江戸屋しつこい。
著者プロフィール
山本一力の作品





