退廃姉妹

  • 文藝春秋 (2005年8月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (296ページ) / ISBN・EAN: 9784163241708

みんなの感想まとめ

戦後の厳しい現実を背景に、姉妹の逞しさと矛盾を描いた物語が展開されます。戦争を生き延びた男たちと、心を支配しようとする女たちの複雑な関係が巧みに描かれており、心理描写も分かりやすく、読者はすぐに物語に...

感想・レビュー・書評

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  • 素晴らしくよく書けている小説。読みやすいし内容もあるし読後感も良い。登場人物の心理描写も分かりやすくてすんなり入り込める。プロだなー。

  • 戦争に負け、それでも生きていく女性たちが、悲惨な状況も嘆かず現実的に捉えて逞しく生きていく話。基調に流れる死。戦後を経て「傷物」になった女性たちには明るい未来は開けなかった。その中で4人が戦後を乗り越え、それぞれに幸せを掴んでいく様にエールを送りたくなる。

  • 戦争を生きのびて帰ってきたのに時代に迎え入れられない男たち、
    体を差し出すことによって心を支配しようとする女たちの矛盾。
    戦争中の死と隣り合わせの恐怖や貧しさの苦しみを訴えるものは多いが、
    敗戦国としての惨めさを描いた戦後の話は珍しいと思った。
    でも、カジュアルに書かれていてとても読みやすい。

  • 上手い
    軽妙

  • 女学校に通う、そこそこ良家育ちだった有希子と久美子の姉妹。しかし戦争が終わって世界は一変。父親は借金を残したまま戦犯の疑いで逮捕され、姉妹は食べていくために自宅である商売を始めた…。
    読む前は何も感じなかったが、読んでから“何て絶妙なタイトル!”と気に入ってしまった。<退廃=風俗・気風がくずれ不健全になること>(大辞林)ですよ!戦後の退廃した空気に身を任せながらもどこか明るく逞しい彼女たち。そして作品自体もなんとなくユーモラス。メッセージ性もあるようなのに。こういう戦後小説(そんなジャンルあるのか?)って必要かもなぁ。

  • 知人のオススメで購入。
    思っていたより読みやすかったかな。
    女性目線の戦後。
    私がここに居たらどちら側だったのだろうと考えた。

  • 戦中戦後をたくましく生き抜いた美しい姉妹の大河小説。
    姉は特攻帰りの恋人に尽くし、妹は米兵の性の相手をして、戦後の糊口を凌いでいく。
    日本が復興していく様を、姉妹のひたむきでしなやかな生き方に託して描かれている。
    天皇の描き方には同意できないが、どん底にある庶民がいかにして生き残っていくのかがしっかり描かれていて、2005年の作品だが、今こそ時代にそぐった物語だと思う。
    売春の描かれ方に関しては女性としてあまりいい思いがしないが、作品自体は面白かった。
    物語の男達はみんな早死にしてしまうが、女達はみな長生きで、次の時代を担っていくのも二代三代の娘達で、やはり女は強いと、島田氏は思っているのだろうか。
    デビュー作を読んで以来、島田氏の作品はまったく読んだことがなかった。完膚なき純文学者だと思いこんでいたが、こういう大衆小説も書くのかといまさらながら発見。
    さすがに島田雅彦で、文章はうまいし、プロットはよくできているし、時代考証も行き届いていて、ひさびさに読み応えがある読書体験ができた。
    青山真治監督が海外資本で映画化する予定があるとのこと。楽しみだ。ぜひ観てみたい。

  • 姉妹。家。慰安所。戦中、戦後のストーリー。
    「今度は私たちがアメリカ人の心を支配する番です」

  • おばぁちゃんも、お母さんも、みんな女です。

  • たった一足のストッキングと引換に処女を失う

  • 新聞に載っていた感想を読んで「おもしろいかも」と思って借りてみました。
    う〜ん、どうなんやろう・・・。
    時代は敗戦後の日本。
    そんなんでちょっと入りにくかったかも。
    でも女ってやっぱりいつの時代も強いのかもと感じた作品でした

  • 戦後のパンパンの話ですが、
    姉妹の強さに読後感が爽快。

  • 最後の最後で急に時代が追い付いて来て、確かに戦争があったことを実感した。
    まだ62年しか経っていないのだ。また日本も戦争をするのだろうか?忘れてしまうのだろうか?戦争の怖さをさ、あれだけ痛い目を見ておいて。
    しかしそれは仕方ないのかもしれない。もし戦争が始まって、たとえ地球上の人間の大半が死に絶えても、生き残った人間が、“僕“だったり“私“だったりが、強く生きて行ければそれでいいのかも知れない。少なくともこの“僕”は、この本を通じてそういう風に思った。
    この作品は、単純に『反戦』なんかじゃなく、人間の強さを描いているんだと思う。
    反戦も大事だけど、いざ始まってしまったとき、自分はどう生きるか、戦争の勝ち負けではなく、渦中の自分が何を勝ち取っていくのかということを、強く考えさせられた。

  • 戦後62年 リアルタイムであの時代を生きた人が周りから次々と彼岸へと旅立っていってしまう。戦争を起こした人の話や、戦後の焼け野原を餓えをしのぎながら生きぬいた市井の人の話は色んな所で見聞きしてきた。けれどそのハザマで自分の身体だけをたよりに生きてきた女たちの話は今まであまり聞くことは無かった。国が米兵相手の慰安所を作り半ば強制的にもしくは騙して少女たちを送り込んでいたなんて…この被害者達は声を大に訴える事もできなかったはず。ひどすぎる…そんな女たちのけなげで美しく悲しい物語。戦争を許すまじ

  • 昔古本の「文学界」を買ったときにのってて、おもしろかったんで簡潔済みの本を図書館で借りました。
    島田雅彦って、実は大嫌いだったんです。
    うちにはとある事情から彼のサイン本があるんだけど、エロいし、「だから何?」って感じだった。
    でもこの作品はいいです!!女の自立とか、恋や愛がつなぐもの、人生を賭けるもの…とか、いろいろ考えされられます。「戦争が終わると、女は綺麗になる」というのが印象的でした。エロかったけど、それすら、綺麗なもの、崇高なもののような気がしましたよ。ちょっぴり人生観変わるかも。
    島田は、言っていることがいちいち偉そうで、それでいて的を得ているのでむかつくんだけど、貴重な文化人だと思う。

  • タイトル以上の思索的展開が生まれなかったのだろう。その証左にプリンスは中盤でテラーとしての役割を放棄してしまっている。小説というものが分からなくなってる作家のひとり。

  • 人は悲しくても死にそうでも戦争でも恋する

  • <図書館蔵書>

  • 戦後の東京の焼け跡で生きる対照的な美人姉妹のお話.オースティンの「分別と多感」と,ファスビンダーの映画「マリア・ブラウンの結婚」をちょっと思い出した.

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著者プロフィール

作家

「2018年 『現代作家アーカイヴ3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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