その日のまえに

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163242101

感想・レビュー・書評

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  • その日というのは、たいせつなひとがなくなる日のこと。
    タイトル通り、その日のまえの話の短編集。読了後はなんとなくいろいろなことを考えさせられるのだけど、どこかさわやかな感じもする。
    その日というものは生きていれば誰にも訪れることで、その日を迎える前にひとはなにをするのか。わたしならなにをするのだろうか。ちゃんと日常を過ごすことができるのだろうか。そんなことを考えた。
    個人的には「ヒア・カムズ・ザ・サン」がお気に入り。この話の主人公はわたしだ。

    (292P

  • その日のまえに―これはもう泣けた。

  • 自分が死ぬ前はなんて言葉を家族に残すんだろう。
    若くして亡くなることのリアルを感じる。

  • 涙が止まらなかった。

  • ひこうき雲
    岩本隆子のあだ名ががん流。嫌われ者、いつも怒っている顔している。男の子のいたずらを見つけて「先生に言うよ!」と脅かす。女子のおとなしい子の失敗をずけずけと責め立てて泣かせてしまう。太い眉毛を吊り上げた目つきの悪さ。そんなガンリュウが遠い町の大学病院に入院した。ガンリュウのお母さんからクラスのみんなに一本ずつ配られた鉛筆。ガンリュウのおかあさんが「いままで、お世話になったお礼に」・・・・これがあいつの形見に・・・・ガンリュウをみぐって子供心がゆれる。諸行無常なのか・・・

  • 人の死について書かれた短編。「起こすから、寝てろ」「そういうものなの?」私も「その日」の前の主人公と同様、死は突然訪れるものだと思っていた。だからひどく恐れてしまう。でも、実際にはきちんと身辺整理をしてその日が訪れてもいいように、準備できてしまう死もあるのだと知った。

  • 昨日までの暮らしが、明日からも続くはずだった。

    それを不意に断ち切る、愛するひとの死―。

    生と死と、幸せの意味を見つめる最新連作短編集。




    母が図書館で借りて読んで、泣けたというので

    返す前にちょっと借りて読んでみました



    『めっちゃ、可哀相で可哀相で・・・』



    という母の感想のみの情報で読み始めました

    短編集だったのね・・・・

    途中で気付き、ちょっとテンション下がりましたが

    (私、長編の方が好きなんです)

    それぞれの短編が最後の話で絶妙に絡んできます



    タイトルの その日のまえに は

    その日のまえに

    その日

    その日のあとで

    の三部に分かれていて、

    『その日=命の終わる日』 なんですよね・・・。



    私個人的には、題名忘れちゃいましたけど、

    高校生の男の子と、お母さんの話のが一番泣けました。

    通勤帰りの電車の中で読んでて、マジで泣きそうになったのを
    ぐっと堪えて帰りました
    タイトルの三部作も、めっちゃ泣けるんですけど・・
    もし、自分が死を予告されたとしたら?

    その日 までをどうやって生きるのか・・・・

    ちょっと考えちゃいました



    でも、本にも書いてあったけど、

    検査を受けて、宣告を受けるまでの期間

    例えば一週間とか・・・

    その期間がどうしようもなく、一番辛いらしい



    いろんな可能性を考えてしまうから。



    もしかしたら、癌じゃないかもしれない。

    癌だったとしても、治るかもしれない。

    治らないにしても、すぐ死ぬということはないだろう。

    でもやっぱり、もう手遅れかもしれない。

    いや、そんなハズないじゃん・・・。



    確かに、ものすごく不安で堪らないですね



    今日という日が、何事もなく平和に終わること



    何もない って事が本当は一番幸せなんだよね

    くだらないバラエティーを見て

    『くっだらな~い』と笑える事って

    本当はすっごく幸せな証拠なんだよね

  • 今の自分だから、この小説には大きく共感できるのだろうと思う。
    40代、死。共通項が多い。

    昔は通り過ぎていた風景に、今はいろいろな思いを載せて見ることができるようになった。
    それは、曲がりなりにもその分人生を重ねてきた証であり、死というものを身近に感じるようになったからに他ならないと思う。

    だから、この作品にははまった。最初はそうでもなかったのだが、「潮騒」ぐらいから、盛り上がり、「その日」以降になると、いくつかの物語がさらりとつながって、最後へと続いていく。。。

    いろいろな思いが交差しながら、花火が迎え火となる。

    何か、泣けてきます。

    忘れていくことが決して悲しいことではなく、そうやって人は過ごしていくのです。

  • 号泣必死、と話題の本だが、私くらいの年代になると、ついわが身に置き換えてうすら寒い思いがしてしまう…

  • 誰もが例外なく迎える「その日」。送る側、逝く側の違いはあれど、死をしっかりと捉えると生の重み、生かされている幸せを感じる。生きているって実は涙が出る程に幸せな事なんですよね。

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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