アカシア

  • 文藝春秋 (2005年9月26日発売)
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感想 : 15
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  • 本 ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163242903

感想・レビュー・書評

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  • 『ZAMZA』の「Zinc White」こと辻仁成氏の短篇集。『ZAMZA』の「アカシア」をBGMに読了いたしました。本作に収められた「歌どろぼう」で胸が疼きました。「歌どろぼう」に「歌」を盗まれた壊れかけの夫婦の話。

  • 未開のジャングルの奥地に放り出され、医療機器も薬もない中で、何もできない自分の不甲斐なさ。無力感を覚えながらも、医者としての誇りは決して捨てない。打つ手がなくとも逃げ出さない。しっかり患者と向き合う姿に神々しいものを感じた。何も施すことができなくとも、一緒に悲しみを分かち、亡くなれば家族のように悲しむ。医師としての立場ではなく、一個の人間として、自分の役割を見つけ希望を見出してゆく生き方に揺さぶられた。過去や未来に捉われず今を穏やかに生きる未開の部落の人々姿にも深い感銘を覚えた。

  • 短編なので読み易かった。ありそうで実はない・・・日常みたいな感じ?

  • 人が人を愛するってどういうことだろう。

    私たちはまだ信じ合うことは可能か?

    もしそれらが全く失われてしまっているとしたら、どうすればいいのだろう。

    そんなことを考えさせる五つの短編である。

    描かれている世界はどれも重い。

    共通するのは現代社人の孤独な姿だ!!

    アカシアという表題には、小説を通して人間への希望を探ろうとする、作者の真摯な姿勢を感じさせてくれる。

  • 短編集。
    内容をすっかり忘れてた中、思い出したのは、過去も未来という考えが無い民族のなかで人生をまっとうすることを決めた近代人の話。

    ふーんと思うだけで、理解できなかった。今は時期じゃないんだね、きっと。あとがきが一番読みごたえがありました。

  • 穴をあけて、袋をかぶる。
    その穴から見えた世界は、今まで見てきた何よりも違う、本物の姿の世界だった。

    (ポスト/明日の約束/ピジョンゲーム/隠しきれないもの/歌どろぼう
    ・・・世界で一番遠くに見えるもの)

  • とっても現実感のないお話が6編。この人はミポリンと結婚してから、どんどん仮想世界の人になっていくような…

  • 短編集。
    辻仁成の独特な表現が5回楽しめます。
    個人的には「明日の約束」が好きかな。

  • どんな話だったかも忘れちゃった、そんな本

  • ちょっと難しかった。アルケミストみたいな感じ。いやそれより身近かな。

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著者プロフィール

東京生まれ。1989年「ピアニシモ」で第13回すばる文学賞を受賞。以後、作家、ミュージシャン、映画監督など幅広いジャンルで活躍している。97年「海峡の光」で第116回芥川賞、99年『白仏』の仏語版「Le Bouddha blanc」でフランスの代表的な文学賞であるフェミナ賞の外国小説賞を日本人として初めて受賞。『十年後の恋』『真夜中の子供』『なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない』『父 Mon Pere』他、著書多数。近刊に『父ちゃんの料理教室』『ちょっと方向を変えてみる 七転び八起きのぼくから154のエール』『パリの"食べる"スープ 一皿で幸せになれる!』がある。パリ在住。


「2022年 『パリの空の下で、息子とぼくの3000日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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