バケツ

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 53
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163243108

作品紹介・あらすじ

マッチョだが気が弱い神島は、就職先の養護施設で「バケツ」というあだ名の少年と出会う。やや知的障害と盗癖があり、親兄弟にも見放された彼と同居を始めた神島は、生活費を稼ぐため、日焼けサロンや無認可保育園を立ち上げるが-。

感想・レビュー・書評

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  • 2013.5.28 読了

  • 仕事に関してはごちゃごちゃした部分もあったけれど、本筋はなかなか力強い小説でした。思ったよりもだいぶ楽しめました。

  • 知的障害のある少年とのやりとりが、雑やけど面白く表現されていて、
    話の展開もテンポよくて、
    ドラマを見る感覚で、読んでいくと
    いい感じ!
    かなり悲劇的な苦労話に、なりそうなテーマも、主人公たちの、単純で、
    ストレートな言動が、コミカルなものになってる。

  • 親に捨てられ、知的障害を持ち、ブリキのバケツを鞄の代わりにして養護施設にやってきた少年(あだ名はバケツ)との交流を軸に人の輪が広がってくいいお話。養護施設、無認可保育園、老人介護、難しいテーマを優しい眼差しで書かれています。

  • 装丁買いした本。
    涙しながら読了。
    しばらくこれを超えるモノが出てこない。
    珍しくことある事に、いろんな人に薦めるが、
    みんな読んでくれてるのかなー?

    ちなみに「泣けました」と報告してくれる人は
    まだいない。

  • バケツと呼ばれる知的障害ギリギリの少年と、マッチョで気弱な青年の話。

    とにかく優しい気持ちになれる話でした。
    一人前になってほしいという気持ちと、もっと自分を頼ってほしいという気持ちの中で、それでもバケツの純粋さに救われる。

    何だかほんわかでありながらシビアな一面も見せる、純粋に「読んでよかった」と思わせる作品でした。

  • 脱糞から始まるこの小説、ラストがとても幸福感に満ちていて素敵だった。そしてバケツの成長に思わず涙しそうになった。

  • マッチョなくせに気が弱い神島
    知的障害者「バケツ」と出会う


    優しさも
    寂しさも
    怒りも
    辛さも

    とってもストレートな思いを感じた

  • 養護施設の教員である神島は、ストレス性の下痢という病気を持ち「脱糞恐怖症」に悩まされている。
    この小説は、「脱糞」のシーンという非常にセンセーショナルな書き出しからはじまる^_^;

    「バケツ」という小説のタイトルは、知的障害のある少年のあだ名である。
    施設に来たときに、カバン代わりにバケツに衣服をつめ、それだけを持ってやってきたからである。

    この神島とバケツが出会い、やがて2人で暮らし、社会生活を営むことになる。
    勿論、そんなに世の中は甘いものではなく、様々な試練やトラブルが起こるのだ。
    「格差社会」と言われる現代の象徴というか、弱者が生きにくい世の中が描かれ、あたかもノンフィクションのようだ。

    しかしバケツの天性の明るさには、何だか救われた気がする。
    特に第三話においては、新聞配達という職業に責任感が芽生え、神島を頼らず自分で問題を解決するバケツの姿が描かれる。
    思わずこのシーンには、泣けた・・。

    思いがけず手に取った文庫ではあったが、かなり面白い小説だった。

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著者プロフィール

1965年、東京生まれ。91年、障害者のプロレス団体「ドッグレッグス」を旗揚げし、代表に就任。毎日新聞社学生新聞部「毎日中学生新聞」の契約記者を4年間務め、97年2月よりフリーランスになる。98年、処女作『無敵のハンディキャップ』で講談社ノンフィクション賞を受賞。小説、ノンフィクション、漫画原作と幅広く活動する中、ゲームシナリオも手がける。主な著書にノンフィクションの『ラブ&フリーク』『弾むリング』、小説の『バケツ』『サークル』、漫画原作に『ハマトラ THE COMIC』など。

「2018年 『無敵のハンディキャップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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