虹色にランドスケープ

  • 文藝春秋 (2005年10月25日発売)
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  • 本 ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163244204

感想・レビュー・書評

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  • わあ、やばい本を読んでしまった。
    また、オートバイに乗りたくなってしまった・・・気持ち。うーん。

    熊谷さんって、ロックバンド演るし、オートバイにも乗って、ほんで直木賞なんかもとったりするんだ。 それから、ひとつおまけにわたしとわ同級生ではないかい。こりゃ困ったことになるかもかもしれんぞぉ~。

    一個だけ気になる場面が。
    バイク屋さんににCB750が置いてある場面の描写が気になるっす。
    そのCB750はフロントホイールをとっぱらった状態でメインスタンドにて立っていたそうな。そりゃない。バイクというものはメインスタンドを架けると、前輪が接地するように作ってあるのです。なのでフロントホイルの無いバイクはメインスタンドでは立たない。いやね、クランクケースの下に台でも置いてやると立つのだけどね。 そうやって前輪はメンテするんだい。

    それと表紙絵のZ2はマフラが集合管になっている。でも物語の中に何度も登場するZ2は間違いなくオリジナルの4本マフラーだぜぃ。

    わたしも若い頃はづいぶんとオートバイに入れ込んだものだった。

    ああーZ2 いやわたしのころはKawasaki 750RSという名前で新車は売っていた。
    イチバンの親友がZ2に乗ったので、わたしは当時出たばかりのスズキのDOHC4気筒ナナハン、そうGS750に乗った。そして何台かのバイクを乗り継ぎ、車を買ってからもバイクには乗り続けていたのだけれど・・・。その後お決まりのように大きな事故を起こして入院・・・。

    今は乗ってない。

    でも、いまでも乗りたいZ2。 ふむ、貯金でもするかい貝♪

  • 熊谷達也さんはバイクが趣味だと聞いたことがあります。「虹色にランドスケープ」(2005.10)は著者のバイク好きが反映された物語だと思います。熱い心のライダーたち男女の生き様が短編連作7編に描かれています。私はバイクに乗らないのですが、バイクに乗る方だと私よりずっと深みを伴って読まれることと思います!

  • 邂逅の森で直木賞を受賞した作者の本作。熊谷さんの作品は、これが初めてなのだけれど、ぐっとくる作品でした。

    リストラにあった後、家族を思ってある決意を胸に北海道をツーリングするデパートマン。
    父親に反発して家を出たバイクレーサー。
    その他にも、全部で男女7人のエピソードを綴った連作短編集。

    一作目を読んだ時は、正直、ソフトすぎる物語に、物足りなさを感じたのだが、読み進めうるちに、、、

    男女7人の人生が、様々に交錯していく。それぞれの登場人物の、微妙な心持ちに、行動に、ぐっとくる。
    小説で、久々にうるっときました。

    文章が、ソフトなタッチで、読みやすい。にもかかわらず、読者を惹きつける。

    満足させてくれる一冊でした。

  • 話の構成的には
    辻村さん的。

    ランドスケープが
    どう関与しているかは
    まだ分からない。

    バイク乗りには
    とても楽しめる一冊ではないでしょうか。

  • バイク乗り、それぞれに関する短編集。

  • ライダー達の時折話がつながっている短編集。
    文体が流暢なので読みやすくさらりと流れていく。
    ただ各々の人物達がバイクにそれほどのめり込んでいる様子は感じられなかった。
    もっと情熱を露わとした姿が描かれている方が読み心地も良かったのでは?
    滑り出しはいいのだが、つながってゆく話も最後もあまり後味が良くなかった。

  • 5/28 バイクライダー達の物語。甘っちいエンディング。

  • 短編小説は好みではない…
    そんなボクの思いを柔らかく覆してくれた作品です。
    いいえ、もしかしたらこれは短編ではないのかもしれません

    大切にしてきた愛車にまたがって
    ひとり北海道へとツーリングに向かうライダー
    旅の過程で見つめなおした自分の人生…彼が見出したものは…

    誰もが少しずつ抱える後悔と諦め…
    それぞれの荷を負いながら、それぞれの時間を歩む7人の男女
    オートバイという乗り物を通じて、時も場所も違えた彼らの人生がが交差する
    風と雨粒を切りながら駆るバイクが運んでくれた
    ずっと知っていたはずの人間を初めて知るという邂逅

    独りでは生きられない…だれも独りでなんて生きてない…
    弱さに苛まれながらも、それでも人は確かに生きていける

    今も著者自らが身を置くバイク乗りの目線で見るランドスケープ…
    物語に描かれた決して器用ではないひとりひとりの関わり合いに
    心地好いジェラシーを感じる…

    読んで好かった…そんな作品でした。

  • 短編集なのですが、それぞれの話の登場人物に繋がりがあり、最終的に一つの物語になっています。

    バイク乗りを美化し過ぎな感もありありですが、面白いです。バイクに興味ない人でも楽しめると思います。

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著者プロフィール

1958年仙台市生まれ。東京電機大学理工学部卒業。97年「ウエンカムイの爪」で第10回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2000年に『漂泊の牙』で第19回新田次郎文学賞、04年に『邂逅の森』で第17回山本周五郎賞、第131回直木賞を受賞。宮城県気仙沼市がモデルの架空の町を舞台とする「仙河海サーガ」シリーズのほか、青春小説から歴史小説まで、幅広い作品に挑戦し続けている。近著に『我は景祐』『無刑人 芦東山』、エッセイ集『いつもの明日』などがある。

「2022年 『孤立宇宙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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