Op.ローズダスト(下)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 83
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  • Amazon.co.jp ・本 (569ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163245102

感想・レビュー・書評

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  • 読みにくい本であるとは思う。なにせ武器の名前だとか、警察や自衛隊の組織の事だとかが入り交じって物語が展開するので、普通の刑事物サフペンスと比べても格別に読みにくいかも。
    でもこの手の話を興味を持って読める人には、一級品の面白さを持った作品だと思う。
    日本の戦後から今までの国家のあり方、隣国との関係など将来を憂い無謀と分かっているテロを企てた青年とその仲間、その青年と同じ期間で鍛えられながらも道を別にせざるを得ずテロを阻止する立場のもう一人の青年。
    彼らの最後の戦いの場での会話に思わず涙腺が緩んでしまった。
    タフな、読み応えありすぎる本だが、おすすめです。

  • テロ組織のテロが始まった臨界副都心。
    それを阻止するために奔走する丹原、並河、そして羽住。

    で、結局この大きな流れのもとになっているのはオペレーションLP。
    LPがリトルプリンセスの略だと知ったときは思わず失笑でしたが。

    で、ローズダストのリーダー、一功と朋希の恋心が根底にあるあたりが、亡国のイージスより薄っぺらな感じに思えてしまったあたりが残念。

    そもそも、ローズダストの目的が副都心にローズダストを発生させること。。。って。
    いや、それだけじゃないんだけどさ。
    途中まで夢中だっただけに、最後の方、ちょっと冷めてしまったのが残念。

    でも、作品的には面白いです。
    並河警部の男っぷりが素敵です。w

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  • DAISシリーズに踏襲される、性急な若者と昔は花形だったがといった体のロートルのバディ物が好みのど真ん中をついてきます。

    羽住、朋希、並河の中に芽生える信頼だとか、
    朋紀と一功の強固な関係性だとかはそれこそ現実にはありえないファンタジックな夢物語だとは分かってはいるが深いそれに心動かされる。
    そして現実にありえそうな事態、機能しない上層部、現実を無視支持益を追求する駆け引きと利己主義にぞっとさせられる。
    リアリティある状況と、その中に描かれる虚構のような情が好きだ。

  • ”川の深さは”や”Twelve Y.O.”の世界を継承する小説です。

    相変わらず、重厚な文章で読了するまでに時間が掛かってしまいました。
    上下巻あわせて1200頁ぐらいあり、しかも、行間が結構詰まっているので、
    高嶋哲夫の小説と同等の行間にすると、倍ぐらいのページが必要なんじゃ
    ないかなぁと思ってしまいます。

    500頁ぐらいの小説なら3~4時間程度で読みきってしまうのですが、
    この本は7~8時間ぐらい必要でした・・・。

    しかし、大胆な発想でストーリーを進めるのは読んでいて完全にフィクションだと
    思わされるので、小説の世界に没頭しやすいですね。

    逆に、一度現実に戻ってしまうと、小説の世界に戻るのが大変・・・。

    福井晴敏の小説は、まとまった時間に一気に読むのが一番良いみたいです。

    まあ、そんな時間はなかなか取れないのですが・・・。

    私はこの小説結構気に入りました。

  • 上に記載の通り

  • やっと図書館で下巻が予約できた。

    正直、ここまでやるか?!と思うぐらい激しい!!
    つか、怪獣映画なみの破壊描写。
    登場する施設のイメージがつかめなくて
    上手く理解できないシーンがあったのはご愛嬌。

    この物語で問題提示されているように
    「日本って何?」
    という問題を我々は考える時期だと思う。
    簡単には答えがでることではないが
    考え始めなきゃ始まらん。

    お台場破壊のプロセスを読んで思ったのだが
    交通・通信等のシステムは専門知識がある人間がいればピンポイントの破壊行為で全てを停止できるとツクヅク思う。
    会社のコンピュータシステムに関わる人間として、結構ぞっとする。
    (まあ、実際、自分ならうちの会社のシステム破壊するのは簡単にできるし)

  • ネタばれ注意です。

    上は並河&朋希組という感じだったけれど、下は羽住&朋希組の活躍という印象。
    羽住さんと朋希くんが格好よすぎて、個人的に上より下の方が面白かったです笑

    この小説は朋希と一功が対峙する場合をはじめリアリティは薄めだけれど、色々考えさせられることは多いですね。

    最後に朋希と一功の間に交わされた穏やかな会話が泣けました。
    ある意味誰よりも強くこれからの国の姿を想った一功やローズダストの人々だったけれど、それぞれの最期が悲しいです…。
    留美も、一目会わせてあげたかった!


    すごくすきな作品です。
    羽住さんは本当に格好いい。笑

  • クライマックスまでは、面白いのにラストが思いっきり1stガンダムなのは
    いただけない。
    あまりにもガンオタを前面に出しすぎ。

  • コメントは上巻にて。

  • 上下巻で合計1123頁.読み応えがあった.このようなテロ対応が今の体制で可能だろうか.自衛隊の装備は貧弱な感じだが...

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著者プロフィール

1968年東京都墨田区生まれ。98年『Twelve Y.O.』で第44回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。99年刊行の2作目『亡国のイージス』で第2回大藪春彦賞、第18回日本冒険小説協会大賞、第53回日本推理作家協会賞長編部門を受賞。2003年『終戦のローレライ』で第24回吉川英治文学新人賞、第21回日本冒険小説協会大賞を受賞。05年には原作を手がけた映画『ローレライ(原作:終戦のローレライ)』『戦国自衛隊1549(原案:半村良氏)』 『亡国のイージス』が相次いで公開され話題になる。他著に『川の深さは』『小説・震災後』『Op.ローズダスト』『機動戦士ガンダムUC』などがある。

「2015年 『人類資金(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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