- Amazon.co.jp ・本 (138ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163245201
作品紹介・あらすじ
目が覚めてわたしは、いるはずのない場所にいて。閉鎖病棟の中で繰り広げられる絶望と再生の14日間。
感想・レビュー・書評
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精神科の閉鎖病棟の物語。
今は辞めてしまったが、以前自分の雇っていた従業員の女性がお薦めしてくれていた作品。やっと読んでみた。
その女性もオーバードーズで何回か精神病棟に送られているとの事だった。そんな話も思い浮かべながら読んだ。
精神を患うって誰が決めるのだろう。
そもそも精神を患うっていう事は、人のルールや秩序の中で生きにくさをより深く考えてしまうから、それに答えを見つけようとするからなんだと思う。
ずっと思っていたが、ある意味健常者と呼ばれる人たちの方が欠陥が多く不完全に物事を理解し生活している気がしている。
異常者と呼ばれる人たちはより真摯に自分や物事に向き合い、不都合さを抱き、当然だが許容オーバーし、その重荷の代償を背負っている気がする。
考えすぎるから頭を休められず、処方される薬があるのだと思う。
逆を言えばそれしか休まる術がない。
オーバードーズも理解できる。
考えすぎる=オーバードーズが成り立ってしまうのだと思う。
散漫に色んな物事と向き合いながら、散漫に対応していく。
それが自分にとって適したやり方で、自分にはあっているのだと改めて感じた。
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一瞬で読み終える。
と、言えるくらい吸い込まれる世界観。
最初にでてくる夢の描写を思い出すたびに
少し気持ち悪くなるが、それは置いといて。
なんだか泣けてくるような爽快感。(この表現があってるのかは分からない。)
松尾スズキさんは
女性の目線や気持ちを描くのが上手なんだなと感じたのを覚えている。違和感なく主人公の目線に立てた。
かなり前に読んだので曖昧なとこもありますが、
これは面白いぞ、と胸を張っておすすめできる一冊。 -
とんとん進んでいく物語。
主人公に感情移入しやすく、読みやすかった。
でも、簡単に読めるようになのかボリュームがちょっと少なかった分、登場人物の背景についてあまり描写がなかったのが残念。
個性がある人たちなんだから、もっと書いてあげてもよかったのにな、なんて。
クワイエットルームも、実際ストーリーとはあんまり関係なかったのでは?
楽しいけど、なんとなく切なくて、寂しい気持ちになった。
きっと私のなかにも主人公や登場人物のように、抱えているもやもやがあるからなんだと思う。 -
読み終わってすっきりしない感じはあったけれど単純に面白かったです。精神科病棟の話だったら意味不明な感じか暗くて重い感じだろうと思っていたけれど、そんなことぜんぜんなかったです。そういう怖さはなかったけれど、ひんやりとした恐ろしさは感じました。映画も見てみたいけれど、映画化されたらイメージと違ってる!と思うことが多々あるので悩むところです。
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1時間20分
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映画版が好きなので、原作にもあたろうと思い読みました。
映画と同様シュールなコメディの体なのに、ひやっと核心をついてくるような作品。まともってなんなんだろう。病むってどういうことなんだろう。
自分がまともだと思う人にも病んでる一面があり、病んでる人にもまともな一面があり。個性という言葉では片付けられない、正常と異常の狭間を考えずにはいられない作品。また映画見返したいな。 -
話自体は面白いのだと思うのだけど、文章の所々下品な感じが受け付けずでした。
多分わざとそういうふうに書かれているのだと思いますが… -
映画のイメージが強烈で小説はあまり覚えてない
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冒頭の数ページ『あーあー。ゲロでうがいしちゃってるよ』と言うフレーズからストーリーは展開される。主人公のわたしはあることがきっかけで精神病棟へ収容される。ここを舞台に様々な人間模様が描かれる。閉鎖的でともすれば偏見の目で見られがちな精神病棟だけれど、もしかすると日常生活と紙一重なのかもしれない。
重くなりがちな背景をおもしろくおかしく痛快に描いていて、読後感は爽快ですらある。
著者プロフィール
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