月への梯子

  • 文藝春秋 (2005年12月13日発売)
3.17
  • (3)
  • (11)
  • (39)
  • (5)
  • (1)
本棚登録 : 117
感想 : 30
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • 本 ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163245508

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 亡くなられた作者を追悼して。

    ボクさんと呼ばれている発達障害?の男性が大家をしているアパート・幸福荘で発生した殺人事件。第一発見者のボクさんは、そのショックで梯子から落ち入院。退院してみると5人の住人全員が姿を消し、それぞれに隠された秘密があったことが判明する。。。というミステリ仕立ての作品。

    魯鈍なボクさんは何をやるにも時間がかかるけど、周りの善意に感謝し、日々の営み全てに幸せを感じている。そのボクさんが事故で頭を打ったことで賢くなり色んなことが見えてきて、自分を取り巻く悪意にも気づいていく。
    幸せってなんなのか?としみじみ思う。

    賢くなったボクさんは知的で、カッコよくて、別人のようだけれど、鈍くて、何をやるにも時間がかかって、ダサい格好のボクさんの方が数倍も幸せそうだったのが胸に染みる。

    そして、最後の最後に突きつけられる辛い事実。
    幸せとは?を深く考えさせられる優しくて哀しい物語でした。

  • ほんわかとした物語かなぁと読み始めた。
    知能的に遅れてるとされてる主人公が
    事件に巻き込まれて…
    そして その事件を 解決していく
    そして 結末が…
    一気に読んでしまう1冊でした。

  • 4-16-324550-2 253p 2005・12・8 1刷

  • 温かいが哀しい話。

  • まさかの○落ち(´д`|||)。おこ。おこだよ。

  • なんだこりゃ天才か。
    ラストは切ないが最高。

  • 図書館の本 読了

    内容(「BOOK」データベースより)
    ボクさんは四十代独身のアパート大家。少しとろいけれど、ご近所や店子の皆に愛されて幸福に暮らしている。ある日、入居者の女が殺された。屋根の修理で梯子に上り、窓から死体を発見したボクさんは地面に落下。病院で目覚めると、アパートの住人全員が失踪していた。やがて彼は、自分を取り巻くものが善意だけではなかったことを知る。ひとは、何を以て幸福になるのか。「知る」ことの哀しみが胸に迫る書き下ろし長篇。渾身のミステリー。

    ミステリーだと思っていたら、最後にジャンルがあれ?ミステリーだったのか?っていう落ちがあり。
    ボクさんのような人には生きにくい世の中だって言うのが見えてくる。
    いい人ばかりではないけれどいい人も多い。
    その境目は保身なのかもしれない。

  • 入居者の一人が殺され、続いて住人全員が消えたアパート。大家のボクさんは謎解きを始め、やがて自分を取り巻くものが善意だけではなかったことを知る…。「知る」ことの哀しみが胸に迫る書き下ろし長篇ミステリー。



    もう一回読み返すまではいかないものの、「え!?あぁ、そういうこと!?なるほどー・・」と、どんでん返し(?)のある本。
    大衆的に捉えられているミステリーとは少し違う気もするけど。
    単調な文章なので、途中少し退屈してしまったけど、読後感はまぁまぁ。

  • 知的障害を持つ大家さんのアパートで起こった殺人事件のお話。

    脳に障害があった大家の「ボクさん」が屋根のペンキを塗っている時に殺人事件の現場を発見してしまい、屋根から落ちてしまう。
    奇跡的に命に別状がなかったものの、そのときの衝撃で脳の障害がなくなり、別人のようになって事件を解決していく・・・

    とここまででも面白かったのですが、終わり方がまさかの展開で久々に面白い作品を読んだなぁという気分になりました。




    「うん、いいことがあったら神様に感謝して、悪いことがあったら自分を反省しなさいって、いつもお母さんが言ってたよ」

  • なんだこれーという展開。謎すぎる。幸せになれたと思ったのにな。無意味な平和こそ人生の至福である。そうだなと思った。

全30件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1950年、群馬県生まれ。業界紙記者などを経て、88年『ぼくと、ぼくらの夏』で第6回サントリーミステリー大賞読者賞を受賞しデビュー。『風少女』で第103回直木賞候補。著書に『礼儀正しい空き巣の死 警部補卯月枝衣子の思惑』、「船宿たき川捕り物暦」シリーズの『変わり朝顔』『初めての梅』(以上、祥伝社文庫刊)など。2021年10月、逝去。

「2023年 『礼儀正しい空き巣の死 警部補卯月枝衣子の策略』 で使われていた紹介文から引用しています。」

樋口有介の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×