シャイロックの子供たち

  • 文藝春秋 (2006年1月30日発売)
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本 ・本 (312ページ) / ISBN・EAN: 9784163246307

感想・レビュー・書評

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  • 第一話を読み終わって「なるほど、一話完結型ですか」と思って読み進めていくと、そうではなかった。
    そしていつもの企業ネタと思って読んでいたら、なんだか途中からサスペンス臭が漂ってきた。
    妻子ある一家の大黒柱たる男達がみんなこんなだったら嫌だなぁ。

  • 映像化された作品ですが、かなり前の作品
    連作短編ミステリーですが、最近の著書のような勧善懲悪スカッと作品ではありません

    元銀行員の著者ですが、改めて銀行という組織が嫌いなんだと実感します
    パワハラのオンパレードで、時代の違いも感じます
    結末も・・・

  • はじめての池井戸潤さん。

    途中まで短編続きなのかな?と思ったけど、後から各々の話がまとまってきてフィナーレに!短編のようなそれぞれの話から、銀行や行員の過去や現状が把握しやすくて、それだけにラストが おぉ!となった。

    銀行が舞台だと、銀行だから起こる事件やら揉め事やらの様に思いがちだけど、こういうのって一般企業でもあるアルよねー
    面白かった。

  • 東京第一銀行長原支店の中のそれぞれの人間関係を題材にした短編集とばかり思っていたら・・・

    営業成績や功ばかりを追う上司となかなか新規顧客を獲得できない行員、行内の恋愛などなど

    こんな上司最低、こんな人の下で働かざるを得ない人たちは悲惨だなとか思って、軽い気持ちで読み進めていたが、ある時行内から百万円が紛失するという事件が!

    これをきっかけに次々と話が絡み合いややこしく、複雑なミステリーへと進展していく

    一見軽くて、うだつは上がらないけれど、自分の部下だけは信じて守ろうとする西木係長が、人間的でかっこいいなと思っていたら、突如蒸発???

    西木係長の抱えていた闇?
    殺されていたのではなく、本当は連帯保証人の債務を免れるために別人になりすまし失踪??

    真相は明かされることがなかったが、読者が自由に結末を考えてということか!

  • 東京第一銀行にいる人々にスポットをあてて、まるでオムニバスのように話が進む。じわりと進む展開から、急転直下。種明かしは一気呵成だった。
    だらだらと話が進む様子から、ちょっと読み進めにくかったように思える。

  • 現金紛失で揺れる銀行支店は、欲望と弱さの縮図だと思う。ただ、銀行に勤めたことはない。
    組織の論理と個人の倫理がぶつかり、誰もが「シャイロック」になりうる。結局、善悪の境界すら曖昧なまま、日常が静かに続いていく。ああ、怖い怖い

  • シャイロックって何?
    池井戸さんのお話だからまた銀行関係?なんて思いながら調べてみると
    シェイクスピアの「ヴェニスの商人」に登場する、強欲な金貸しですって
    じゃ、間違いなさそうですね

    銀行内で100万円の札束が無くなった
    そして玉の輿の女性行員のバッグから札束の帯封が発見されて。。。
    そしてひとりの行員の失踪。。。

    支店長、副支店長、課長、課長代理、行員、検査部の者
    昇進したい者、失敗したくない者、トップをひた走る者
    家族のために頑張る者、過去を知られたくない者など
    様々な思惑が渦巻く
    100万円を奪ったのは誰か?なぜ彼はいなくなったのか?
    何が有ったのか?犯人は誰なのか?
    東京第一銀行長原支店で働く様々な人の目線から追う
    10の短編のような1本のミステリー

  • おなじみ銀行もの ひとつの支店にいる人の短編集って感じなんだけど
    私の好きな「救い」が無い・・・
    おもしろいけど ツライ

    • orangeさん
      読んでみようかな!
      読んでみようかな!
      2012/06/05
  • 2023.3.28再読。
    銀行のとある支店で100万円の現金紛失事件が発生した。
    支店内の行員それぞれにスポットを当てながら
    100万円を盗んだ犯人を追うストーリー。

    メガバンクという一流企業に属しながら
    正義よりも業績、結果が全てで、一度でも失敗すると後が無い
    安定とはかけ離れた過酷な競争社会。

    ストーリー本筋よりも
    登場人物達の押しつぶされそうなプレッシャーや苦悩がリアルで
    読んでいてこちらまで苦しくなりそうな本だった。

    数少ないまっとう?な人間だと好感を持っていた登場人物が
    まさかの・・・。
    失踪したその人は
    恐らくどこかで生きているのだろうという可能性を示唆するラストだったけれど、
    その後、幸せに暮らせているとはとても思えない。

  • おもしろかった~~
    映画も見てみたい!!意外過ぎる展開!

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著者プロフィール

1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を、’20年に第2回野間出版文化賞を受賞。主な作品に、「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』『アルルカンと道化師』)、「下町ロケット」シリーズ(『下町ロケット』『ガウディ計画』『ゴースト』『ヤタガラス』)、『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』『民王』『民王 シベリアの陰謀』『不祥事』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『シャイロックの子供たち』『ノーサイド・ゲーム』『ハヤブサ消防団』などがある。

「2023年 『新装版 BT’63(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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