にょっ記

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (141ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163247403

感想・レビュー・書評

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  • ”にょっ記”って日記をもじっていたのですね、あからさまなのに気付いていませんでした。

    面白過ぎる。
    そのばかばかしさや、何の話!?的なところ、ふくらむ妄想は岸本佐知子氏のエッセイにも似ているが、こちらにはプラスでときに下品さと下ネタがw

    でも、あまりにもばかばかしくて、突き抜けているためカラッとしている。
    ”うこん”の話の3連投なんかは声を上げて笑ってしまった。
    家で良かった。
    庭でせみの鳴く日に読んでいたから、”せみの思い出”とかも笑ったな。

    この日付どおりの間隔で不思議事象に出会っていたり、考えていたりするのだとすると、なんとも和やかで笑いある日常なのでしょう。
    それも捉え方と膨らませ方の感性なのかな。

  • ほのぼの笑える本が読みたかった。
    同じこと思ってましたという話(誰か言う人いないかと思っていたこと)、妄想話、あやしい話とか、くくって笑えました。短い日記形式でさらっと読めた。
    四十過ぎてスタジャンなんか着ているのは、ほむらさんか変態だけですよ、と云われショックを受けたほむらさん。五十代の今も着ていらっしゃるのでしょうか。
    11月27日 休憩のためカフェに入る。入るタイミングが遅すぎると、休んでも足の疲れがあまり回復しない。早すぎると二回休憩をとることになる。思いついた時にカフェはない。休憩は難しい。同感です(しかし男性がそこまで考えるんですか)
    子供の頃、クワガタ捕りに夢中になった話。
    私は一匹しか捕ったことがない(数えきれないほど出かけても一匹)。子供には徒労とか無駄とか虚しいとかみじめとかいう感覚はないのだろうか。前方に膨大な未来の時間があるからか。何かをやろうとして結果がでないと、すぐに失望したり絶望したりする今の私は、「クワガタ捕り」に懐かしさ以上の眩しさを感じる。(わかります)
    借りるとき一番上にはしない、無意識に。

  • 今からジャニーズの一員になることがあろうかと考えたり、電車で武将OLに出会ったり。俗世間をイノセントに旅する歌人・穂村弘が形而下から形而上へ言葉を往還させながら綴った“現実日記”。ほんのり笑って、時に爆笑。フジモトマサルのひとこまマンガ+カットでニヤリもプラス。長嶋有・名久井直子ペアの「偽ょっ記」収録。 --このテキストは、文庫版に関連付けられています。
    「BOOKデータベース」より

    やっぱり何日かに1回の日記にプッと吹き出す.これは止まらない.

  • 佳代って奥さん?かなあ
    天使って一体。
    夏期学習帳の旧字体と旧仮名遣いにどきどき、くらくら
    ずーと読んでて急に現代文に戻ったときの倒錯感、どっちがほんとだ?みたいな
    「表現の動機が自己の拡大欲求のみである場合、実際に書かれたものがそれでも人類にとって価値をもつ可能性はありますか」
    女性百貨宝鑑いいなあツボだなー
    賞味期限切れた瞬間真っ黒くなる牛乳こわい笑
    ずっと叩いてたら手、かゆくなるなる笑
    天使は奥さんのことだったら素敵だなあと思いながら。

  • 穂村弘さんの日記風エッセイです。
    個人的には、8月2日のお話が特に印象的でした。

  • 脱力。思わず笑ってしまう。言葉のチョイスと、その視点と。面白い。絵がかわいい。

  • 日記形式の面白ネタ(?)集。どれも短くて(中にはつぶやき程度のも)サクサク読める。「『お~いお茶』の謎」とか「大富豪のビスコ」とか、妄想系のが好き(いやほとんど妄想なのかもしれないけど。現実との境界が分からない)。あと、個人的趣味で「武将OL」もいいね。ヒグラシの鳴き方と日本三大珍味とイチローの背番号は調べちゃったよ(笑)。フジモトマサルさんの絵もいい(イタチか何かかと思ったらヤブイヌらしい)。

  •  穂村さんの相変わらずの空想っぷりと、日常に潜むちょっとした違和感への敏感さ、観察眼の鋭さがたくさんつまっており、日記と詩の間をゆらゆらと揺れているような感じがして楽しかった。

  • 俗世間をイノセントに旅する歌人・穂村弘の
    くすくす笑えるうそ日記。
    挿絵はフジモトマサルのひとこま漫画。

    こういうのすごい好きですね…!
    新刊を棚に並べていて、にょにょにょっ記の
    フジモトさんの表紙が気になって
    仕方なかったのですがやっと読めました。
    すごく好み…!
    とぼけた感じとくだらない感じの中に
    たまにシニカルな文章もあって…

    個人的には天使との会話も好きなんですが
    「8月22日 濁点
    濁点が打てる言葉と打てない言葉がある。
    沢山打てる言葉の例:
    ずがっどざわやがゴガゴーラ」(P58)

    …どうでもいい…!
    すごくどうでもいいんだけどとても面白い…!

    あと不思議で好きなのは

    「3月1日 牛乳 
    カップに唇をつけたとたんに、
    牛乳が真っ黒になって驚く。
    反射的に時計を見ると零時。
    賞味期限が切れたのだ」(P130)

    不思議で可笑しいのに詩的…
    ちょっとなくもない感じが良いですね…
    こういうことを日々真面目に考えている
    人が私は大好きです。

  • 2015.3.4
    なんだろう。このじわじわくる感じ。
    よくもまぁ次々とこんなに出てくるもんだな。
    日々面白い視点でいろんな事を見ていたら、毎日不思議発見で楽しいだろうなぁ。

    禿げイコール毛むくじゃら、なんですよ。
    いくら丼
    うこん
    クワガタ捕り

    いーなー(笑)

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著者プロフィール

穂村 弘(ほむら・ひろし):1962年北海道生まれ。歌人。1990年に歌集『シンジケート』でデビュー。短歌にとどまることなく、エッセイや評論、絵本、翻訳など広く活躍中。著書に『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』、『ラインマーカーズ』、『世界音痴』『もうおうちへかえりましょう』『絶叫委員会』『にょっ記』『野良猫を尊敬した日』『短歌のガチャポン』など多数。2008年、短歌評論集『短歌の友人』で伊藤整文学賞、2017年、エッセイ集『鳥肌が』で講談社エッセイ賞、2018年、歌集『水中翼船炎上中』で若山牧水賞を受賞。

「2023年 『彗星交叉点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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