- 本 ・本
- / ISBN・EAN: 9784163247601
感想・レビュー・書評
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ばななさんの作品というよりも、ばななさんの日記かエッセイを読んでいるような感じがした。
いのちだったり、理屈で説明のつかない不思議なできごとであったり、そういうものに対するとらえ方は理解できるんだけれど、この作品では、そういったものを日常で感じない人たちを上から目線で否定する感じがして、あまり気分がよくなかった。
「これを赤ん坊の生命に乗っ取られていると考える人が多くても無理はないと思った。でも違う。生物としての自分に乗っ取られているのだった。」とか、誰かの感じ方を下に見ているように感じてしまった。
プライベートで、そのような人たちとの対立でもあったのかな、と思わせるので、物語に入り込めず☆二つ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私はネイティブスピーカーではないので、小説をゆっくり読まないといけませんが、それには長所もあります。それは作家の言葉の選び方を注目せざるを得ないということです。「イルカ」でよく出てきた言葉は「淋しい」です。
レビューには、「イルカ」は出産についての本だとよく書かれていますが、それより、「淋しい」独身の人が出産を通じて人との繋がりを体験し、人生においてある意味を見つける話だと思います。
年をとるとお金を儲けて独立するのが大切だと思われていますが、やっぱり人を愛すことの方が大切だなぁとこの本を読んで思いました。 -
島本理生のトークショーのときに、無記名の質問コーナーがあって、そこで気持が続かない的なことを言ったら「今イルカって本を読んでて、その主人公がそんな感じっていうか・・・」みたいなことを言われて読んだ本。
つかみどころのないキミコさんのふらふらした感じが心地よい。
その場その場だけど、出会った人を大切にして、でも独りぼっちで。
人との出会いや、妊娠で、キミコさんのまま変わっていく感じが素敵だな~と思える。 -
再読…今回も悪くはなかった、と思ったんですけれども、やっぱし著者があとがきで述べているように欠点というか、話の流れ的に少々納得のいかぬものが少しばかり散見されるな…と読後に思いましたね。いや、良かったんですけれども、基本は…
ヽ(・ω・)/ズコー
妊娠→出産、の流れを追っていくみたいな内容の小説でしたけれども、著者が実体験を元に書いているみたいな、そんな雰囲気・空気が漂う小説でしたけれども、だからこそリアリティが生まれるっていうか! 僕が再読したいなぁ…と思ったのにはそこら辺に理由があるのかもしれませぬ。
ヽ(・ω・)/ズコー
これはばなな氏にとっては最近に分類される小説ですけれども…ばなな氏の作品は数え切れないくらいありますから、今作を割りと気に入った身としては遡るようにして著者の作品を読み漁っていこうかと思う次第であります…さよなら。
ヽ(・ω・)/ズコー -
テーマは生や性。決して軽いテーマではないが、私はどうもよしもとばななの文章は、響かないし、残らない。読んだ端から、静かに蒸発していく。けれど、嫌いではなく、さらりと読めて、良きも悪きにも、後に残らない。この作品も例外ではない。
◉私が私であるということは、なんとすごいことだろうと思う。 -
読み始めたときエッセイかと思った。
すぐに小説だということはわかったのだけれど。
妊娠、出産って神秘だ。
家族の形、夫婦の形、親子の形っていろいろあるのかもしれない。
これと決まった形なんてないのかもしれない。
母が子が、父となる人が幸せになればいいなと思いながら読んだ。
「人はいろいろな人に囲まれて、少しずつ重なり合って助け合ってなんとか存在しているものだ。」
そうだよね… -
妊娠中に再読。
主人公の妹が言う通り赤ちゃんってフレッシュな存在なんだよねー不思議。
妊娠、出産が物語の軸だからばななさんの他の作品より一層哲学的?スピリチュアルな雰囲気。
この本を読むとつばめグリルのハンバーグ食べたくなるんだよなぁ。 -
ずっと暖かすぎず、眩しすぎない陽だまりにいるような気持ちになる
自分のことと、他人のことと、ある程度客観的に見て考えられる能力がある人こそ一人でも「素晴らしい」になれるんだろうなあと思った
この本が一番好きだと言える母、素敵
私にはまだ早い気がした
なんとなく、明確な理由はたぶんないけど人間失格と同じものがあるような
環境やら感情やら、陽と捉えるか隠と捉えるか、を反転させたようなね
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主人公と周りの人々との関係がとても吉本ばななさんらしく、暖かいなぁと思いましたが、物語としてはふわふわとしたまま終わりました。
著者プロフィール
よしもとばななの作品





