イルカ

  • 文藝春秋
3.39
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本棚登録 : 805
レビュー : 171
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163247601

感想・レビュー・書評

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  • 何だか作品に出てくる剥製のせいか禍々しい…気分になって、文の端々からネガティブのような(マイナスのような)ものを感じた。

    あと今回初めて、よしもと作品で(フェミニストじゃないって書かれていたけど…)フェミニズムっぽいのを感じて、息苦しくなった。読み心地が重苦しい。でも自分の気持ちを代弁してもらっているような気もした。

    196ページの「それはさ、女にとっては母親は同性だからだよ、もちろん。」という箇所と「男はさ、異性だもん。母親が。」という箇所で、(上手く言い表せないけど)妙に納得できてしまった。

    たぶん妊娠中の自分と母親との葛藤とか、母娘の問題、自分と赤ん坊との問題とか、子育てについての干渉とか、ぐちゃぐちゃした心境だったのかな…と勝手に思った。そういうことを書きたかったのかな…。

    表紙はかわいいけど案外と重い作品でした。

  • ばななさんの作品というよりも、ばななさんの日記かエッセイを読んでいるような感じがした。

    いのちだったり、理屈で説明のつかない不思議なできごとであったり、そういうものに対するとらえ方は理解できるんだけれど、この作品では、そういったものを日常で感じない人たちを上から目線で否定する感じがして、あまり気分がよくなかった。

    「これを赤ん坊の生命に乗っ取られていると考える人が多くても無理はないと思った。でも違う。生物としての自分に乗っ取られているのだった。」とか、誰かの感じ方を下に見ているように感じてしまった。


    プライベートで、そのような人たちとの対立でもあったのかな、と思わせるので、物語に入り込めず☆二つ。

  • 私はネイティブスピーカーではないので、小説をゆっくり読まないといけませんが、それには長所もあります。それは作家の言葉の選び方を注目せざるを得ないということです。「イルカ」でよく出てきた言葉は「淋しい」です。

    レビューには、「イルカ」は出産についての本だとよく書かれていますが、それより、「淋しい」独身の人が出産を通じて人との繋がりを体験し、人生においてある意味を見つける話だと思います。

    年をとるとお金を儲けて独立するのが大切だと思われていますが、やっぱり人を愛すことの方が大切だなぁとこの本を読んで思いました。

  • 島本理生のトークショーのときに、無記名の質問コーナーがあって、そこで気持が続かない的なことを言ったら「今イルカって本を読んでて、その主人公がそんな感じっていうか・・・」みたいなことを言われて読んだ本。

    つかみどころのないキミコさんのふらふらした感じが心地よい。
    その場その場だけど、出会った人を大切にして、でも独りぼっちで。
    人との出会いや、妊娠で、キミコさんのまま変わっていく感じが素敵だな~と思える。

  • 再読…今回も悪くはなかった、と思ったんですけれども、やっぱし著者があとがきで述べているように欠点というか、話の流れ的に少々納得のいかぬものが少しばかり散見されるな…と読後に思いましたね。いや、良かったんですけれども、基本は…

    ヽ(・ω・)/ズコー

    妊娠→出産、の流れを追っていくみたいな内容の小説でしたけれども、著者が実体験を元に書いているみたいな、そんな雰囲気・空気が漂う小説でしたけれども、だからこそリアリティが生まれるっていうか! 僕が再読したいなぁ…と思ったのにはそこら辺に理由があるのかもしれませぬ。

    ヽ(・ω・)/ズコー

    これはばなな氏にとっては最近に分類される小説ですけれども…ばなな氏の作品は数え切れないくらいありますから、今作を割りと気に入った身としては遡るようにして著者の作品を読み漁っていこうかと思う次第であります…さよなら。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • テーマは生や性。決して軽いテーマではないが、私はどうもよしもとばななの文章は、響かないし、残らない。読んだ端から、静かに蒸発していく。けれど、嫌いではなく、さらりと読めて、良きも悪きにも、後に残らない。この作品も例外ではない。

    ◉私が私であるということは、なんとすごいことだろうと思う。

  • 主人公と周りの人々との関係がとても吉本ばななさんらしく、暖かいなぁと思いましたが、物語としてはふわふわとしたまま終わりました。

  • 久々にばななさんの長編小説を読みました。かつてほど、引き込まれなかったのが残念です。でも、ばななさんの本を読むといつも感じること、
    1.生と死は表裏一体であること
    2.幸せであるか否かは自分次第であること
    3.人は自然の中で生きている以上、自然の営みの一部であり、自分では思い通りにならないことは、何かしらあること
    が、この本にも感じられました。

    私が記録しておきたいと思った箇所。[more]
    「 スーツ姿でピンクのスリッパを履いて面会に来た彼はなんとなく間抜けに見えたけれど、いやおうなしにお父さんという生き物に変わっていた。私はそこに自分の父親の残像を見たし、きっと彼も私を見て自分の母親をどこかしらで思い出しただろう。そのどこかしらおっぱいとか赤ん坊をあやしている声とかではなく、襟元の匂いとか、しわしわのパジャマの感じとか、きっとそういう体の記憶として思い出すのだ。
     そうやって代が続いていくことを否応なしに知るのだ。」

    自らが出産したから、このような本も書くようになったのでしょうか。
    なぜ、出産したぐらいのときから、ペンネームが「よしもとばなな」と全部平仮名に変えた理由がwikiを読んで分かりました。子供を命名するときに自分の姓名占いもしたのですね。

    何か、かつてよりばななさんの本を必要としていない自分が淋しいな。リア充だからなのか、自分が老けたからなのか。。。。

  • 2018/09/30
    妊娠したので、再読。
    イルカ見に行こうかな。

  • 私自身も、この作品が出版された同時期に出産し、眠る我が子の隣で読んでいたのを思い出します。
    ばななさんの作品は、初期から読んでいましたが、主人公の女性が妊娠から出産に至るまでの過程は、恋愛話以外は、とてもリアリティーがありました。
    その後文庫化もされましたので、手元に置いて、幾度となく読み返しています。

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著者プロフィール

吉本ばなな(本名:吉本 真秀子 よしもと まほこ、旧筆名:よしもと ばなな)
1964年、東京都生まれの作家。日本大学芸術学部文芸学科卒業。卒業制作の「ムーンライト・シャドウ」が日大芸術学部長賞を受賞。また「キッチン」で第6回海燕新人文学賞を受賞、デビュー作となる。
1989年『TUGUMI』で山本周五郎賞を受賞。1996年イタリアのフェンディッシメ文学賞(35歳以下部門)、1999年イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門を受賞。2000年『不倫と南米』でBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。その他代表作に、映画化された『アルゼンチンババア』などがある。
海外での評価が高く、著作が多くの国で翻訳されてきた。

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