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本 ・本 (232ページ) / ISBN・EAN: 9784163248004
感想・レビュー・書評
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2022年2月10日読了
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12/05/27 同名の短編が面白かった。
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構成がいい。よすぎ。初っ端の『薔薇配達人』で、もうすっかりヤラレてしまった。
10編もあるとは思えないほどのリズムのよさ。とても心地のよい読書時間でした。
オススメは、『薔薇配達人』、『白い顔』、『神々は笑う』、『ストーリーの迷宮』。
『白い顔』は、ほんとに怖かった。綾辻行人氏の『Another』読破直後は、これほどに怖い小説に出会うことなどしばらくないだろうと思っていましたが、それ以前にこんなに怖い小説が、しかも短編が存在していたとは無知でした。
『神々は笑う』に、共感しすぎている自分です。この人の言葉に、わたしは頷きっぱなしでした。 -
ちょっとお勉強した気になりそうな、短編集。さまざまな有名「ストーリー」についての薀蓄もある感じ。
お気に入りは「遠い贈り物」。印象深く、余韻の残る物語。 -
読まず嫌いだった阿刀田さんです。
先日翻訳本で面白かったので勢いで借りたら結構軽めの内容で面白かったです。
そして・・・阿刀田さんと私の読書趣味の重なりに少々ビビっております。
ラフカディオ・ハーン、谷崎潤一郎、芥川龍之介、夏目漱石、坂口安吾。
しかも『沼地』、『夢十夜』、『櫻の森の満開の下』という結構マイナー路線からの引用。
というか全て私がその作家のなかで一番好きな作品が揃い踏みなんですよ・・・。
もうなんだか『夢十夜』らへんから笑えなくなってきまして。
もちろん内容も面白かったんですが、共通点に驚かされてました。
特に芥川の『沼地』が出てくるとは思わなんだ。
とっっっっっても素敵なんですが、
結構な短編で、淡々と流れる作品なので取り上げられるのを見たことがなかったんです。
まさに「傑作です」な内容。未読ならぜひ。 -
心の底にひっそりと仕舞われていた「記憶」が、過去の「物語」に呼び起こ
されて、いま蘇る。不思議な感覚にとらわれる十篇のストーリーたち。現実
とフィクションの区別が曖昧になる短篇小説集。 -
◆薔薇配達人◆白い顔◆修善寺にて◆カルメンお艶◆学校が危ない◆遠い贈り物◆ロゴスを捜して◆昨日の花◆神々は笑う◆ストーリーの迷宮。全10話。
『薔薇配達人』花の配達人にはこんな言い伝えが・・・。
2007.2。 -
短編。全10話。
全体的に柔らかい内容のお話。人生の機微が巧妙な筆致で綴られていて、さすが阿刀田さんって感じがする。
ただ、私はどちらかというと阿刀田さんの奇妙な味が好きなんだよね。「ナポレオン狂」とか、「一ダースなら怖くなる」とかに代表されるような。
こういう機微を穿つ話に心酔できないのは、私がまだ若いからなのかも。たしか「殺し文句の研究」っていうエッセイに阿刀田さんが書いてた。「僕の作品は二十代にはちゃんと理解されないのではと思っている。」というような旨のことを。
年を重ねた後、また読んだら、きっと今とは全く違った感動や感想が生まれてくると思う。
著者プロフィール
阿刀田高の作品





